疑い 6 取材の代償 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

「俺の話なんて聞いても書く価値ないって言ってるでしょ」


「それはあたしが判断するわ。スカウトの変遷を知りたいのよ。昌さんがスカウトしてたときと今と、やり方がどんなふうに変わってるのか。スカウトの意識はどう変わってるのか」


ずいぶん、やんちゃした若い頃の話…。いや、やんちゃなんて可愛いもんじゃない。犯罪スレスレ…いや、すでに犯罪だろ。



「苦い思い出しかない昔の傷を他人に見せる趣味は無いんでね…」


「ナイーブなのね」


俺は呆れてため息をつくと、カウンターに両手をついて、聡美さんを正面から見据える。


「聡美さん…そろそろ、諦めてくれませんかね…?…純粋に客として来てくれるなら、もっとサービスしますよ」


「あら素敵。どんなサービスしてくれるのかしら?」

ってにっこり微笑む。



「さあ…」



しばらく黙って睨みあう。


「じゃあ、こういうのはどうです?」


俺は店の壁に飾ってある自分が描いた絵を見て、ひらめいた。



「どうしても、俺の話が聞きたいっていうなら…」



「なになに?」


って聡美さんが目を輝かせて身を乗り出す。




「絵のモデルになって下さい」




「え?」



聡美さんが驚いて、後ろを振り向く。

壁に飾ってある裸婦像を見て、また俺の方へ向き直る。



「あれ?」

って絵を指差す。



「脱ぐの?」



俺はニヤッと笑う。


「もちろん」