期待 2 条件(剛健) | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?


マンションのドアが開いて、着物姿の健が現れる。

「よぉ」

「あれ?上野さんは?」

「ああ…なんかちょっと…用事できちゃって」

「用事?」

「佐々木と会うとかで」

「佐々木?」

「なんかなかなか足洗えねーみたいよやっぱ」

つまり、まだ秋葉原と切れてないってことだ。


「いいの?ほっといて」

「いや…うん…」

俺は顎を触りながらうつむく。

手を出したいのはやまやまだが、せっかく桜が頑張ってるし…ギリギリまで手は出さずに見守るつもりなんだけど。


「ま、とりあえず入れよ」




「こんばんは」

新城が振り向いて、お辞儀をする。


「よ。久しぶり。元気そうじゃん。なに?綺麗になったんじゃないの?ちょっと」

って言うと頬を染めて、そんなこと…///って手をブンブン振る。

ハッ。可愛いじゃねーかよ。

俺は新城の隣に座って、、

「こいつのせい?」

って健を指差す。

ますます頬を染める。

「あ。条、お前ねー、すでにそういうとこがおっさんだよ。なぁ?ゆかり」

って健が鍋の蓋を取って言う。湯気がふわっと上がり、美味そうな匂いがする。

「は?なにがだよ?どこがだよ?」

「そうやってねー、若い子をー、そういう話題で困らせてー、反応を楽しむって発想がね?おっさんなわけ」

健にやり込められて、俺は照れ笑いをする。

「おっさん?」

って自分を指差して新城に聞くと、新城がブンブンって首を横に振って、

「相変わらずかっこいいです…」

「はい来た!ほら、聞いた?健。今の」

って新城の肩を軽く抱いてポンポンってする。

「あ!ちょっと!なにやってんの?」

って健が前から手を伸ばして俺の手をどけようとする。

「あ!先生、袖が…っ」

「あ!」

健の着物の袖がポン酢の小鉢に浸かっていた。

「あーっ!やっちゃったー!」

健は慌てて洗面所に向かう。

何かひとりで騒ぎながらシミを落としてる。

「先始めようぜ。煮え過ぎちゃう。おーい!健、先食ってるぞー!」


「いいよー!ビール冷蔵庫から出して!」


俺は、鍋から新城に取り分けてやる。

「熱いから気つけて。…食える?」

「はい…」

へえ…。

新城がぎこちなく手を動かして、食べるのを俺はさりげなく見る。

リハビリの効果か。愛の力だな。

健が、良かったちょっとだけだったと言いながら戻って来た。

「すごい成長じゃん。新城」

「だろ?コーチがいいから」

「厳しいんです。健ちゃん先生」

「どSだからね」

「ですよね」

健は照れ笑いしながら俺たちを見ている。


俺は、部屋を見回して、



「いい部屋じゃん。広いし。一人で住むにはもったいないね」


ってわざとらしく言ってみる。



ブッ!って健と新城が二人して噴き出してむせる。

はは。おもしれー。プラトニックバカップル♡

「ね?いい部屋だね?」

って言うと、新城がむせながら、コクコク頷く。


「新城も初めて?」


「はい…ゴホッ…は…はじ…っ」


「ごめんごめん、大丈夫?」

って新城の背中をさすると、

健がむせて苦しい顔をしながら、やめろ触るなって感じで手をバタバタ振る。


「なぁんなの?お前だってむせちゃってっから代わりに…」


健が口を手で覆いながら、立ち上がってこっちに来る。


「ほへっ!はわれ!ふぁあっ!」


「はあ⁇」

俺は眉間に皺を寄せて、横に立って俺を椅子からどかせようとする健を見上げる。


「なんなの?お前ちゃんと食ってから言えよ。わかんねーしっ。わっ!飛んだ!なんか出てきたっ!汚ねっ」


「どけっ!こらっ!席替われって」