夏祭り 15 条と桜2 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

上野桜が隣でクスクス笑っている。人懐こい生徒に話しかけられて、丁寧に自己紹介している。

いつも健康的であまり色気があるタイプじゃないけど、今日はさすがに…いやいやいや、仕事中ですから。コホン。

俺は上野桜のうなじから視線を外す。

「あ、条先生、今、上野先生のことやらしい感じで見てましたよ」

「は?///」

「え?」

って上野が頬を染めて俺を見る。

「やらしい~~!先生~!」

「適当なこと言ってんじゃねーっ」

「上野先生、条先生に襲われないように気をつけてねー♡」

「先生みたいなのタイプだよきっと」

「なんでお前が俺の好み知ってんだっ」

キャハキャハと生徒たちが笑う。

…ほんと、こいつらには、冷やっとさせられる。

「先生がくまモン取ってくれないなら、あの人たちに頼もうっと」

って、だらしなく浴衣を着崩したヤンキーたちのところへ生徒たちが向かう。

逆ナン?っと…こいつら…。

「こらこらこらっ!そこの小学生っ!」

俺は生徒たちを呼び戻す。

ったく、女ってのは、いともたやすく男を操る生き物だ。





片目を閉じて、狙いを定める。最奥の最小の一等の的に…当たれっ。

パシッ!

カランカラン♪
「おめでとうございまーす!一等当たりましたー!」


巨大なくまモンの縫いぐるみを抱えて生徒たちは無邪気に喜ぶ。自然に俺の口元も緩む。

「ありがとう!先生。…じゃ、またねー!お仕事頑張ってー♡」

生徒たちは、次なにする?どこ行く?って跳ねながら去っていく。


「現金だよなー…ほんっと」

って俺は腕を組んで生徒を見送る。

「条先生…」

「ん?」

って振り向くと、上野がもじもじして俺を見ている。