夏祭り 10 可愛い | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

けんちゃん先生が親指を舐めながら上目遣いであたしを見る。

きゃー///


「…写メ撮りたい」

「え?」

「先生、すごく可愛い」

先生がはあっ?って笑う。


「照れてる!先生~可愛い~」

「おーとなをからかうんじゃないよっ」


あー、ほんとに照れてる。

「可愛い可愛い!」

「なーんだよー」

って頭をかく。


あたしが笑ってると、先生が頭の後ろに手をやったまま、上目遣いで、



「ゆかりの方が可愛いよ?」


って言う。


あたしは不意をつかれて顔が真っ赤になる。

面と向かって男の人に可愛いって言われるとか…っていうか大好きな男の人に可愛いって言われるとか…。



「あ。照れてる照れてる。可愛い」


先生が嬉しそうに笑う。


あたしが顔をそむけると、先生が首を傾げて、覗き込む。


あたしを指差して、



「真っ赤になって…おー、可愛い可愛い。超可愛いじゃん」


って…。


顔が熱い。
な、なんなの?
なに?その反撃の仕方…。


「ほーら、恥ずかしいだろー」

って得意げに腕を組む。


可愛いって言われて、恥ずかしいけど、舞い上がるほど嬉しい…。でも、それは冗談の可愛いなのに。

先生のこと、こんなに好きなのに、そんなふうにからかわないで。

可愛いとか、そんなふうに、言わないで。

嬉しくて恥ずかしくて…でも、少し傷つくよ、先生。

あたしは顔を真っ赤にして唇を噛む。

ふと、先生が真面目な顔になる。

ゆっくりと、あたしに近づく。

ドキドキ…。あたしは少し身を固くする。