夏祭り 8 バディ | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

生徒指導室。

俺はパソコンの画面にある夏祭りの巡回指導当番表とにらめっこしていた。


毎年、近所の神社でわりと盛大に行われる二日間の夏祭り。

バディ組んで、巡回指導のシフトを決めんだけど…。

要するにペアでだな、夏祭りを巡回すんだよ。な?

遊びじゃねーの。仕事。

うちの生徒が変なことしたりされたりするのを防ぐための生徒指導部の、大事なお仕事!

バディをどうやって決めるか…。

ベテランと新人という組み合わせが妥当なら…俺と上野桜。

俺と、上野桜。

俺と、…もういい。

だーっ!でも、そしたら恣意的だと思われねー?俺がそう決めたら、俺が上野桜を狙ってるとか思われねー?

いや、仕事だから。部長と新人、男と女、ベストバランスだろ?

って言やー誰も文句言わねーけどさー。

いや、周りがどう思おうといいんだよ。いや、よくないけど。

肝心の佐倉…じゃなかった上野に、条先生に狙われてる…とか、セクハラだパワハラだとか思われたり…しねーよ。しねー。

大丈夫。

でもな~。


「生指部長~。…条先生~。…部長!」

「あ。な、なに?」

同じ数学科の若い教師だった。

「条先生らしくないっすね。そんな当番表作るくらい朝飯前でしょう。早く決めてくださいよ。僕、祭りの初日、彼女と回りたいんで」

「は?お前、生徒が来る祭り、彼女と回んの?」

「はい」

「生徒に冷やかされっぞ」

「大丈夫ですよ」

最近の若いヤツは平気なのか…。

多分、上野桜とバディ組んだら生徒が絶対デートだなんだ冷やかすに決まってる。仕事だっつーの。

ああ、もうなんでこんなことで手こずってんだ~~っ‼︎らしくねー!マジ、らしくねーって!

俺は白紙の当番表のデータを共有フォルダに入れた。

「お前、決めろ。当番表、共有フォルダに入れといた。彼女と回りたい時間、他の奴入れていいから」

「マジっすか?」

「ただし!…バディはバランス考えろよ」

「あっざーす!ちゃちゃっとやっちゃいまーす」

「あ。人員足りなかったら、健と宝入れていいから」

「了解です」

って若い教師は早速パソコンに向かった。