プール 6 妄想 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

「どうして、ここにいるの?」

って…。

意表を突いた問いかけに、俺は戸惑う。


好きだから。

…すっと、思いついた答えに、俺はもっと戸惑う。


いや、そうじゃない。


会いたいから。ゆかりに会って話したいから。

待て待て待て…。

それじゃ愛の告白だろっ。

ヤバい。焦る。即答した方がいいだろっこの手の質問は。

なんか、この場にふさわしい答え…。ってか、ゆかりが欲しがってる答えは、なんだ?

俺はゆかりの目を見る。

じっと…。

黒い濡れた瞳。ふっくらとした淡いピンクの唇。


ふと、自分がゆかりにキスをした男になったような気がする。


ああ…こんな感じ…前にもあった。

あのとき。ゆかりの唇を親指でなぞったとき。…できるものなら、上書きしたいと思った。

柔らかい唇に、自分の唇を重ねて…もし、受け入れてくれたら、その唇を割って…。


だーっ‼︎ばかばかばかっ!

俺は慌てて目を逸らす。


しっかりしろよ俺!先生だぞ?大人だぞ?


「…もう、いい」


ゆかりが沈んだ声を出す。


「あ…ごめん」


「先生、謝ってばっかり」

「そうだね。ごめん」

「ほら…」

ってふたりで顔を見合わせて笑う。