1.ダビつくの良さ


ダビつく4の持つ良さって、沢山ある。


生産テンポの良さ。

産駒を見切る際に「価格で判断出来る」という面白さ。

繁殖能力という概念と、牝馬も価格で判断できるわかりやすさ。

順配合、爆発配合といった独自の生産理論に対する攻略面。

能力診断による産駒能力判定。それに伴う「やり甲斐」と「モチベーション」。

脚質、展開、他の出走馬との兼ね合いなどが重要な要素となる対戦(BC)。

仮育成などに重宝するお任せ厩舎システムと能力上限のわかりやすさ、レースシーン省略機能。


まあ、僕が論じるのだから、最強生産に繋がるものばかりなワケだが(笑

一般的にはライバル牧場の存在や、多彩なイベント、牧場施設の豊富さ、レースシーンの映像の美しさなどもあげられることだろう。


これらは4でいきなり獲得された良さではなく、ドリキャス時代の1から、ユーザーの声を拾い少しずつ改良を続けてきた結果、今日のような「生産していて面白い」と言われるゲームに発展してきたのだ。


これまでのダビつくシリーズの集大成とも言える今作。

生産の面倒な部分はユーザーフレンドリーに、しかしながら、価格と能力の関係や生産理論では複雑な面を残し、攻略しノウハウを重ねる楽しさを凝縮させた秀逸なゲームと評価していいと思う。


だが、問題が無かったワケでは、なく。



2.生産理論のワナ。


ダビつくの攻略本を見ると、様々な生産理論が書かれていることが分かる。

プレイヤーは、その中から取捨選択し、自分の配合を構築して生産していくことになる。


だが、結局ある特定の理論の効果だけがずば抜けて凄かったらどうだろうか・・。

あるいは、その生産理論と逆の現象が起きてしまったらどうだろうか・・。


順配合の効果は、他の理論とは効き方が倍、どころか数倍程度違う。

クロス効果やニックス、あるいは爆配合、なんでもいいのだが、これらの生産理論でSPをあげようとしても、せいぜい0.5秒程度しか上がらない。

SP繁殖能力が10.0◎の牝馬がいたとしてら、9.5A程度までいけば、「おおっ跳ねた!!」というブレイクレベルに相当すると思う。

だが、順配合は、2.0秒、あるいは3.0秒といった「桁が違う」SPの伸びを見せることがあるのだ。

世にいる6秒台、7秒台の馬は、この順配合のバランスの欠いたブレイクに起因しているのだと思う。

この6秒台、7秒台の馬が入ったレースの味気なさは、多くの人が感じているもの。



3.自家製種牡馬とバランス。


ダビつくシリーズがダビスタに対する優位性として、「自家製種牡馬」が過去にはあった。ダビスタが04で、あれほど作者が否定していた自家製種牡馬を導入してきた理由に、ダビつくの成功があったのだはないかと邪推するほど。


確かに自家製種牡馬は配合の幅を広げる。

自家製種牡馬導入が前提となった配合理論もあるし、その面白さは否定しない。


だが、自家製種牡馬には別の意味も存在する。

既存種牡馬のもつパラを自家製種牡馬は簡単に凌駕し圧倒的に有利。

また、自家製種牡馬はその距離適正や成長型を任意に変えることが出来るので(ダミー馬をつかってリーガルに)、順配合や爆配合の構築面でも優位。

この、最強馬を生産するのに「自家製種牡馬しかあり得ない」という今のバランスには異論を唱えたい。(さんざん自家製で生産してきたワケだけど(笑))


自家製種牡馬で最強生産された馬は、既存種牡馬産駒では敵わない。

イコール、最強の自家製種牡馬を生産できるものにのみ、最強への道は開かれるわけだ。

ところが、この最強の自家製種牡馬を生産することが、とんでもない労力を食う。高い能力を備えた異血統を何系統も準備する必要があるのだ。

そこでまず、普通のプレイヤーと壁が出来る。

さらに最強系の中でも様々な壁が発生し、結果として、自家で最強生産された馬に普通のプレイヤーは全く敵わないようなバランスになってしまう。


競馬ゲームの最良のバランスは、

「誰にでも最強馬を有む可能性がある状態」

ではないか。


すなわち、例えば初期配合でも、非常に低い確率ではあるにせよ、最強クラスに届く馬が出る可能性があることが、多くのユーザーに愛されるバランスだと思う。


今作(ダビつく4)はそのバランスに欠き、ユーザーサイドで縛りをかけなければ生産しがいのある条件は作れないという状態に至っているのが事実だ。


                              ・・・続く