ハワイ州立大学での人体解剖実習のレポート記事です。

山梨県、富士北麓地域のスポーツに関わる皆さんへ、大変長文ですがぜひお読みください。


◎ざっくりまとめると

・痛みを取る、柔軟性をつける、スポーツにおけるパフォーマンスアップを実現するために

《ファシャ(脂肪とコラーゲンと筋膜)》が関わっている。

・脂肪とコラーゲンの網と筋膜には繋がりがあって、柔らかいところもあればストレスに対抗するよう強い部分もあり、それぞれカラダの動きに応じている。

・柔軟性や関節可動域を妨げているファシャの部分《スカーティシュー》へアプローチすることで効果が期待できる。

《ファシャ》には《メカノレセプター》というフィードバック機能が備わっていて、それが運動に対して重要な働きをしている。

・ファシャ、メカノレセプター、スカーティシューをアスリートが理解すれば、トレーニング方法と結果は変わってくると考えている。


*****


『仙腸関節は動くのか?』という個人テーマを持ってKen Yamamoto先生率いるチームのハワイ大学人体解剖実習に参加させていただいた1年前のことが昨日のことのように思い出される。


1年経ち、その間に生まれた新たな疑問を解決したくて、再びKYチームに参加させてもらった。

今回は『脂肪と筋膜の関係性』という個人テーマを持って実習に臨んだ。


結論から言うと

スポーツにおける痛みを取る、硬いカラダを柔らかくする、もっとパフォーマンスをあげるのに

『脂肪とコラーゲンと筋膜』が深く関わっている可能性を今回の人体解剖実習学んだ。

※スポーツをしていなくても、腰痛や肩こりに悩む人にも同様なので読み進めて欲しい


食べ物から摂取した炭水化物、タンパク質、脂質といった栄養素は分解吸収されてカラダの隅々へと運ばれる。

脂肪は炭水化物が分解された糖質が変化したもの。

糖質がカラダに蓄えられる量を超えた時に脂肪へ変化させて蓄える。

カラダがエネルギーを消費するのにいつでも使えるよう備蓄として控えているわけだ。

エネルギーを消費するよりも、備蓄の量が多ければ脂肪の量はどんどん増す。

それが肥満の簡単なメカニズムだ。


脂肪というとついつい邪魔者扱いしてしまう。

脂肪があることで何か得があるのか聞かれたら「何もない」と答える人は多いかもしれない。

現に僕も「寒さしのぎ」くらいしか答えられなかった。


そんな忌むべき存在の脂肪が腰痛・肩こりをはじめ、スポーツ外傷、パフォーマンスアップの助けになるかもしれないと言ったら、あなたは驚くだろうか?


今回僕が実際に脂肪をよく観察できた場所は

『大腿部(太もも)』『前腕部(肘から先の腕)』『下腿部(スネ)』『足底(足の裏)』だ。


まず脂肪のある場所について。

皮膚の下、筋肉の周り、関節の隙間。

脂肪は至るところに存在していた。

驚いたのが、心臓の周りにも脂肪はビッシリくっついていたことだ。

解剖を指導してくださった先生によれば

そのご献体の心臓に脂肪は決して異常なレベルではないし、脂肪はどこにでもつくと仰っていた。


脂肪はどんな形状でついているか。

僕はステーキの脂身と同じような塊が皮膚の下や筋肉や関節や内臓の周りにくっついていると、ぼんやりとしか思っていなかった。

しかし実際は違った。


脂肪は1つ1つの大小様々な大きさの塊で、コラーゲンでできた網状の組織の隙間に包まれるようにしてついていた。

つまり、脂肪は塊単体でそこに存在しているわけではなく、コラーゲンと結び付く形で付着していた。

それだけではなく、皮膚と筋肉、筋肉と筋肉、筋肉と関節もコラーゲンの網によって結びついていた。

更にこの網の結びつきは場所によっても強い、弱いといった強度の違いが存在していた。


筋肉を包んでいるストッキングのようなものも存在していて、これは筋膜と呼ばれている。

これもコラーゲンでできている。

この筋膜も脂肪とコラーゲンの網と共に、重要な役割を担っていることが分かった。


https://ameblo.jp/ken-chiropractic/entry-12434082013.htmlへつづく。


---------------------------------

《ケン カイロプラクティック Ken Chiropractic》

腰痛・肩こり専門 産前腰痛 トータルケア施術院

□代表□ 
堀内 賢(ホリウチ ケン)

□ホームページ□
https://www.ken-chiropractic.com/

---------------------------------