思い出の味。 | ブリティッシュPUB アーロンのブログ

思い出の味。

常連さんが、昇進されたのでお祝いに一杯さしあげた。

国産ウィスキー。

最近知り合いが僕にプレゼントしてくれたもの。

それを飲んだお客様が急に黙り込む。

お父様の話をし始める。


学生時代までそりが合わず、会話も無く

一人上京したとの事。

働きながら再度入学したが、生活はかなり厳しかったようです。

明日の5千円が無く、母親に電話したが銀行振込が間に合わず

途方にくれていたそう。


でもこのお父様、

なんと田舎から新幹線でお金を持ってきてくれた。


お礼を述べて

帰りのタクシー乗り場まで見送ろうとしたら、

なかなかタクシー出発しない。

後ろからクラクションが沢山鳴らされても

お父様のタクシーは出ない。


やっと父親が息子と一緒に飲みたいのだな

と気づき一緒にタクシーに乗り込む。


その後口もきいた事の無い父親と初めて

お酒を飲んだそう。

その後打ち解けてゆく中で、父親の好きだったウィスキーが、

この国産ウィスキー「響17年」とわかる。


その時の思い出が蘇ったのでしょう。

当時の味を思い出しながら

遠くを見つめながら

朴訥にお話される。


今は既に亡くなってしまったようですが、

父親との心からの交流を感謝していたようです。


人はそれぞれ、思い出があります。

どんなに辛い思い出でも、それを抱きかかえながら

生きています。


人間やはり、若い時にキツイ目にあったほうが良い。

それが年を重ねてゆくごとにその思い出を許していける。

その事でその人は一皮も二皮も剥けて、魅力ある男に

なってゆくんだな。と感じました。


今ではこの常連さん

若くして誰でも知っている大会社の次長さんだ。


一杯のお酒が語るのだなー。

そう思った一日でした。


追記:このウィスキーをプレゼントしてくれた

南浦和の愛知屋のおかみさん。

ありがとうございました。