神戸に向かうべく高速に乗ったけど、しばらくして降ろされ、

国道もダダ込み…仕方なく、北に迂回するルートを通った

車は相変わらず混んで動かず、会社がある西神についたのが昼回っとった

 

会議室に行ったら誰もおらず、いろんなものがぐちゃぐちゃに倒れてて

奥から事務の人が来て、「なんでこんな時に来るんや…危ないから帰れ帰れ」

 

まず長田の親戚の家に向かおうと…神戸の街は昼間なのに暗く…

いろんな火災の煙が空一面を覆ってて、何百台もの消防車の音が

一斉に「ウー」っと鳴りっぱなしやった

 

市内に近づくにしたがって、悲惨な光景がエスカレートしてきて

信号も停電のために稼働してない…

しばらくすると、道が地割れをおこしてて パンクしそう…

商店街の前を通ったとき、人が倒れてて…通行人はただボーっと

通りすぎて行って…

いたるところ火事で燃えてる…

ガス管からガスが出っぱなし…

でも、だれもどうすることもできへん

 

倒壊した家のために 通れる道が少なくなってきて…

かろうじて長田の親戚の家に着いた

 

窓ガラスが割れ、歪んだ家の奥に おばあちゃんが平然と寝とう…

大丈夫なん??って声をかけたら

「えらい大きい地震やったね」って平然と…

やっぱり、空襲経験者は違うんかなぁ…

 

俺の実家はぐちゃぐちゃになってたけど無事で、最初から電気ガスが普通に出とるため

近所の病院の看護師さんが、シャワー浴びにきてて

父親が上機嫌でクラリネット吹いとる…

(別の意味で大丈夫か?)

 

祖母は、関東大震災も経験しとるから、

トラウマのせいかブルブル震えとる

(つくづく運の無い人やなぁ)

 

母親がふと

「地震もこわいけど、戦争も恐ろしい…やって、

地震は災害やけど、戦争は人が人を殺しに来るんやで」

みんな妙にハイテンションになっとる

地震も戦争も 悲しいことに変わりは無いとおもったけど

母親は大阪でかなり戦争で怖い思いしてきとうからなぁ…

(経験に勝る事実は無いよなぁ…)

 

電話も混んで通じず、携帯も実用化されてない時代…

ポケベルでは、なんもできへんし…

ただ、神戸の人が共通してることは、停電して電話もかけられへんから

情報がまるで無い

不安でみな異常にハイテンションになっとる

とりあえず姫路に戻ろうと、混んでるデコボコの道を走ったら真夜中に着いた

明日、朝一から神戸に入ろ…

次の日は、神戸の中心地に…

 

その3に続く

 

あ…ここで一句やったね

(なにが一句や('ω'))