朝日新聞はアベノマスクが不評なことにつけ入り「待ってました!」とばかりに、「マスク2枚とはバカにしている。マスクが届いても突き返す」という旨の読者の声(こんな投書を採用するセンスを疑いますね。あるいはやらせ?)まで動員して、マスク無用論を展開します。

 ところが、朝日新聞は自社の通販サイトで、2枚3300円+送料という高額なマスクを販売していたのです。記者会見で、安倍首相にそのことを指摘されると、完全に逆ギレ。

 

 朝日新聞は、立場がマズクなることを恐れ、アベノマスクは不良品が多い、アサヒマスクは高いだけの価値があるというキャンペーンを張っていきます。

 まずは、3段近くの大きなスペースを割いて、アサヒマスクの品質の良さと、製造元の確かさをアピール。

 次いで、4月21日には、「変色・異物混入・洗ったら縮んだ」、「配布マスク やまぬ批判」と5段も使って、アベノマスク批判。そして、「発注先を明らかにせよ」という野党の声を後押しします。

 この裏には、「安倍首相は、マスクを地元山口のメーカーに依頼した」というフェイクニュースがネット上で流れていたことがあります。

 そして、4月22日には、「政府配布マスク 受注3社が判明」という、わずか18行の記事が掲載されました。3社とは、興和、伊藤忠商事、マツオカコーポレーションで、山口県の企業は1社もなく、ちょっぴりの記事に、ちょっとがっかりした様子がうかがえます。しかし、公表されたおかげで、マツオカコーポレーションの株価が上昇するという副産物を生みました。ありがとう、アサヒコーポレーション。いや、これはシューズメーカーでした。

 これで、ヒール・アベ対ヒーロー・アサヒの「マスクマッチ」は終わったかに見えました。

 

 ところが、ネタに事欠く朝日紙面の「マスク依存症」はここから始まったのです。「安倍の逆襲」が、よほど悔しかったのでしょう(度量の狭さ、露呈)。

 4月23日、ほぼ全面と言っていいほどのスペースを使い、<まさかのマスク2枚>という「まさか」の特集を組んだのでした。おいおい。

 

<新型コロナ対策で、安倍政権が打ち出した布マスク2枚の全世帯配布。この目玉政策を巡り、国民の批判が絶えません。なぜ「アベノマスク」は不評を買うのでしょうか>というのがリード部分です。中身はインタビュー記事でした。

 ここに登場したのは、小川仁志(哲学者・山口大学教授)、山口真由(信州大特任准教授)、

山田ルイ53世(お笑い芸人)の3人ですが、小川の自己宣伝を含めた発言を除けば、タイトルに応じた内容にはなっていません。当然ですよ、3人は、よくそんな企画に付き合ったと思います、ご苦労さま。山口は、朝日の思惑など、意に介せず「私は、布マスク配布という政策自体はそれほど悪いとは思えません」と、記者がのけぞるような話をしています。

 マスク大特集は大失敗だったでしょう。

 

 これで、懲りたと思いきや、本日(24日)は、「便利屋本舗」の池上彰代表が登場! 池上コラムの見出しは、<首相“反撃”の2枚3300円 布マスク 実は町おこし>

 そして、書き出しは、<いわゆる「アベノマスク」への批判が連日ニュースになっています>だって、連日ニュースにしているのは朝日だけです。

 そして、アサヒマスクは朝日新聞がつくっているのではなく(言わずもがなです)、製造地である泉大津市の町おこしプロジェクトだと説明しています。この取り組み自体はすばらしい! ぜひ積極的な取り組みを継続していただきたいと思います(できたら、庶民にも手の届く、2枚1000円くらいのものも)。しかし、このコラムは、ほとんどがネットの引用で、自らの意見は、安倍批判だけです。さすが、便利屋の本領発揮でした。

 

 マスコミが今、追及すべきは、アベノマスクではなく、マスクがなぜ手に入らないのかという問題です。国民にとっては、喫緊の関心事です。

 どこの誰が買い占めているのか。さらには、火事場泥棒のごとく現れ、ボロ儲けしているであろう何者かを暴き出す。これこそが、読者の求めているニュースです。そんなこともできないマスコミが信頼されないのは、当然でしょう。

 

 私たちは、使い捨てマスクを何気なく使っていました。そのほとんどが中国製とも知らずに。そして、最近は、「使い捨てマスクが道端に捨てられていて、どう扱っていいのか、怖い」という声もよく聞かれます。

 SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)に向かって、世界が努力している中、使い捨てマスクは、その流れに間違いなく逆行しています。その意味では、アベノマスクもアサヒマスクも同じ布製ですから、お互い「やっぱり、日本は布製でいきましょうや」と握手(今はやれないので、肘タッチか)して、タッグマッチを組めばすむことです。かつて私たちが、大事に使っていた布マスクは、環境にやさしく、SDGsにもかなっています。

 朝日は、子どもじみたアベノマスク批判をいい加減にして、これを機に、日本製布マスク、あるいは手作りの布マスク普及のキャンペーンをしたらどうでしょうか。

 これぞ、クール・ジャパンです。

 日本がマスク製造から手を引いたのは、採算が合わないという理由です。しかし、これからは、少々高くとも、品質管理のしっかりした日本製の布製マスクを定着させていく必要があると思います。

 

 マスク着用は、清潔な日本文化の一つとして世界に広めることのできる習慣です。

 そして、「おしゃれなマスク」づくりは、家庭にいる女性が、個人事業主になれるチャンスにもなります。ウチノマスクがたくさん市販されることを期待したいものです。

 そのうち、マスクファッション、マスクの流行情報などが雑誌で特集される時代がくるかもしれません?

 春は来ているのに、アベノマスクはまだ来ません。は~やく、こいこい布マスク!

 

 と、楽しみにしていたら、突然の悲報が飛び込んできました。興和と伊藤忠商事が、不良品続出のため、未配送のマスクを全品回収! すべて輸入品(やっぱりね)、この混乱の中、検品も余裕をもってできなかったのでしょう。

 また、朝日はネタができて、大喜び、しちゃいけませんよ。

 

 追記:大喜びしたのは、朝日の関連会社日刊スポーツでした(25日)。各種スポーツが中止に追い込まれている中、ネタ不足に恵の雨(飴かな)、最終面全面のノリノリ特集!「政策はやり直さないの?」 朝日から依頼された? わけはないね。でも「やり過ぎではないの?」。

 私もやり過ぎかな?