ちょっと気になったことがあり、1年ぶりの更新です。

 

 日本のことが大嫌いな大江健三郎は、実に無責任な言辞を垂れ流してきたと思います。

  しかし、天皇譲位(譲位という言葉には天皇の意志が含まれ、憲法違反の疑いがあるというので、公式には退位とか)の日程が具体的になってきた今、その言辞を再度、自ら検証しなければならないと思います。ノーベル賞作家たるものが逃げてはいけません。

 

 たとえば、こんな文章です。

<(皇太子よ)若い日本人は、すべてのものがあなたを支持しているわけではない。そし天皇制という、いくぶんなりとも抽象化された問題についてみれば、多くの日本人がそれに反対の意見をもっているのである。>

 

 たとえば、こんな文章です。

<問題はこうだ。やがて決定的な瞬間がくるはずである。皇太子が天皇に即位する日。

皇太子は天皇になることを拒むか、即位するか、自分の人間的責任において選ばねばならない。かれはそのとき、日本人の運命そのものを選ぶのかもしらない。>(いずれも「戦後世代のメッセージ」新・戦後派)

 

 決定的な瞬間は2ヵ月後に迫ってきましたよ。どうする、ノーベル賞作家。若気の至りだったのでしょうか。それとも、まだ同じ思いで生きているのでしょうか。

 

 一方で、改憲の議論が停滞しています。安倍首相は九条に3項を加えて、自衛隊の存在を明記するという一つの考え方を示しました。

 自衛隊を違憲だと言う憲法学者が多い中で、国を守ってくれる自衛隊をいつまでも「継子扱い」(ままこあつかい=のけ者として扱う。正当な立場を与えない)していいのかという問題提起です。

 20代のころ、大江は防衛大学に入る学生を「自分たちの世代の恥だ」とまで言っています。

 昭和33年6月25日の毎日新聞で、女優の有馬稲子と対談して、<ぼくは、防衛大学生をぼくらの世代の若い弱み、一つの恥辱だと思っている。そして、ぼくは防衛大学の志願者がすっかりなくなる方向へ働きかけたいと思っている>(夕刊コラム「憂楽帳」)と発言しています。

 

 ノーベル賞作家の頭はこの程度だったのです。

 さて、現在、自衛隊を支持する人の比率は、80%以上90%に近いはずですが、今の若い世代の人たちは、大江と自衛隊員のどちらを「恥辱」だと考えているでしょうか。