またもや、唐突ですが、世の中には、80:20の法則というものがあります。正式にはパレートの法則といいます。

 

たとえば、企業では、利益(あるいは売り上げ)の80%は社員の20%が上げている。国政では、議員の80%は議員報酬の20%の仕事しかしていない。という具合に使います。

歯科学会には、80歳で20本の歯を残そうという8020運動があります。

ウオーキングの世界での8020とは、80歳で20キロ歩ける脚力を維持し、棺桶には歩いて入ろうという「心がまえ」を表します。

 

そして、国会にも80:20の慣習があります。予算委員会での質問時間を、野党に80%、与党に20%割り振ろうというものです。

 なのに、今回、自民党は50:50にしたいと言って譲ろうとしません。

 

 なぜでしょう。答えはかんたん。

もともと、この問題は「前川・野党連合」の引き分け作戦ですから、野党は印象操作をするしか勝ち目がないのです。例によって、卑屈な顔をした「出たがり」が、グダグダと8割の時間をムダづかいするだけでしょう。

しかし、80:20は、本来「引き分け」ではありません。引き分けとは、どう考えたって、50:50でしょう。

 50:50なら、印象操作作戦の失敗は目に見えているので、民進党が応ぜず、圧勝のみえる自民党が譲ろうとしないのは、当然なのです。

 

 物事の本質を考えようとしないテレビのコメンテーターなどは「ていねいに説明すると、首相がいっているのだから、80:20にすべき」と述べていました。野党のバカバカしい質問に答えても、森友と同じで、けっして「ていねいな説明」にはなりません。

 むろん、野党はそれを承知のうえで、80を要求しているのです。そして、野党は最後に「疑惑は残ったままだ」と言えばいいだけ。こんな茶番をまたやるのかね。

 

 すでに、元愛媛県知事の「獣医学部誘致は12年来の願いだ」といった証言や、京産大副学長の「わが校が故意に選択肢から外されたという認識はない」との記者会見からも、加計問題は首相関与うんぬん以前の問題であることが明らかになっているのです。

 それに、獣医学部を誘致する運動は、旧民主党の国会議員が熱心に進めていたものです。

 それを、むりやり、首相の罪にでっち上げようとするのですから、おそろしいファシズムです(野党が大好きなファシズムという言葉は、こういうときにこそ使うべきですよ)。

 

 安倍政権の特徴は「スピード感」のある政治です。

 文科省が獣医学会とつるみ、頑として譲らなかった規制を、あっというまに緩和した安倍首相の見事な早業(はやわざ)は、とくに文部事務次官にとっては、屈辱以外のなにものでもありません。ですから、その反撃も度を超したものになるのです。しかし、まったくの空砲に終わる可能性があるでしょう。

 

 こうした、いやらしい体質は、昨日の村田蓮舫の記者会見で如実に表れました。

 私は、安倍首相を追い落とすには、「自分の議員辞職しかない」と、決断して、記者会見を開くのだと、好意的に考えていました。そうすれば、民進党の支持率は10%以上にあがったでしょう。

 ところが、信じられないことに、戸籍の一部を持ち出して、日本国籍になったことを説明しつつ、「台湾国籍は抜けていると思っていた」と、明らかにうその弁明をしたのです。

CREA』誌で堂々と「台湾国籍です」と述べていながら、「ハーフであることを強調したかった」とは、聞いてあきれる、空いた口がふさがらない、というやつです。

 

 ハーフがそんなにお好きなら、80:20ではなく、50:50の条件をお飲みなさい。

 こんな態度で、安倍首相を「攻める・責める」のは、おこがましいにもホドがあります。

 民進党断末魔。それにしても、こんな野党第一党を生んだ日本に誰がしたのでしょうか。