猫島の猫増えすぎ問題とTNR活動 | 猫の漫画とケモナーの漫画が見れるブログ

猫の漫画とケモナーの漫画が見れるブログ

猫あるあるを主に描いた猫の日常4コマ漫画と猫に関する豆知識を掲載。他にも無料での似顔絵の請負や獣人漫画も見れます。

愛媛の「青島」、香川の「男木島」「佐柳島」、
宮城の「田代島」、滋賀の「沖島」、福岡の「相島」「玄海島」「能古島」、
これらの島は"猫島"として有名です。

 

 

  猫島でのTNR活動

ただ、インターネットの発達により誰でも情報発信できるようになった昨今、
写真家のほか、島を訪れた人が猫島を紹介することでSNSで拡散され、
観光客が増えていくのですが、無責任に猫に餌やりをしてしまうため異常に繁殖
してしまいます。

なので、糞尿は増え、夜間は鳴き声がうるさくなり、
縄張り争い、発情期のケンカ、母猫の育児放棄、雄猫の子猫殺し、などが起こってしまいます。

島民の数はせいぜい十数名程度、猫は100頭以上。それに高齢化で体力もあまりないので、
地元住民では面倒見切れなくなり、餌が十分行き渡らず、一部の猫は痩せ衰えていきます。

また、観光客とのトラブルも起こってしまっているのが実際のところのようです。

結果、猫たちに前頭不妊・去勢手術を行うTNR活動が行われています。
各自治体では、不妊・去勢手術の補助金制度を設けるところも増えているそうです。

 

 

  猫島の観光客とのトラブル

観光客が餌を与えることで人馴れした猫たちは、地元住民の家に勝手に上がり込んでしまいます。
また、猫が食べ残した餌を片付けず、カラスが集まってきたりします。

ほかにも、観光客が猫を追って、地元住民の敷地内に入り込んでしまったりもするそうです。
それだけでなく、漁網を破ったり、柵を倒したり、といった迷惑行為まで。

それに、漁業を営む町なら、漁港に観光客がくると車両の通行など仕事の妨げになるそうなのです。

こういったことは猫島に限らず、野良猫が数多く集まる場所なら、
どこでも起こりかねないことと思われます。

 

 

  「相島」の現状

福岡県糟屋郡新宮町の島で、万葉集や続古今集の歌にも出てきた島なのだそうです。
魚釣りスポットとしても有名です。
270人ほどの島民が住んでいます。

そこに住む猫たちは、イメージとは裏腹に瘦せ細り、毛艶も悪くボロボロなのだそうです。
中には病気・皮膚病を起こしている猫もいるとのことです。

子猫の中には、トンビに襲われたり、海へ流されたりして命を落とすことも。

相島を救うボランティアさんたち:
ボランティア活動により、猫たちの餌場・トイレが設けられ、
TNRの手術に向けて体力をつけさせ、
島の人たちを説得して手術代支援をしてくれる「どうぶつ基金」にかけあい、
不妊・去勢手術が行われていったそうです。

猫たちの数がとても多く、手術できなかった猫は船に乗せ、
ひとまず倉庫で手術が行われるまでお世話し、無事に全頭の手術が成功したとのことです。

おかげで、今、猫たちは島の人たちやボランティアさんたちに可愛がられ、
「相島猫の会」が作られ、食事の世話や健康管理が行われ、
幸せに暮らしているそうです。
 

 

  「青島」の現状

島の人口はわずか6名なのだそうです。
対して、猫は120匹。島のいたるところで暮らしています。
テレビ番組で取り上げられたことで有名になりました。

猫は繁殖を続け、200匹以上に膨れ上がっていきます。
とても6名の島民ではお世話しきれず、餌やり、掃除、ノミ・ダニ駆除にも限界がきておりました。

餌にありつけず、痩せ細っていき倒れたり、
飢えにより食い殺された子猫の死骸が転がったりしてしまったそうです。

見かねたボランティアが、雌猫80匹の不妊手術を行いましたが、
これにより、雄・雌のバランスが崩れて、状況がよけいに悪化。
不妊手術を受けていない雌は、数の多い雄に囲まれてご飯も食べられず、痩せ細っていきます。
子猫は育児放棄され、ほとんど成長もできずにいるのでした。

「どうぶつ基金」による雄・雌一斉TNR:
地元ボランティア、行政、島民の粘り強い話し合いから、2018年10月にようやく、
「どうぶつ基金」による雄・雌一斉TNRが行われました。

が、5年越しに不妊手術が決まっていたのに、予定されていた9月は台風で1ヶ月延期。
1ヶ月後の10月は連絡船が欠航となって、3日間で行われるTNR活動は、一昼夜で行わないといけなくなったそうです。

TNR活動ですが、たった3人の獣医と20名のボランティアスタッフにより、
172匹の不妊手術・ワクチン投与・ノミダニ駆除を行っていったとのことです。

この活動のおかげで、猫たちの毛艶も体つきもよくなり、健康で、
猫同士ケンカすることなく、悪臭もなく、むやみに繁殖もせず、
平穏に暮らしているそうです。

こうした猫の異常繁殖に悩む人たちや、猫たち、
ほか世界の動物たちのため、活動している人たちがいることを、
私たちは知る必要があるのかもしれません。

そして、私たちにできることがないか、考えていくことが大切なのかもしれません。

 

 

 まとめ

一見すると"猫島"というと、猫たちと人がのんびり暮らす楽園かのように思えますが、
猫が異常に増えるということは、それだけ弊害が起こるのが現実のようです。

そして異常繁殖の原因として、無責任な観光客がいることを知っておき、
猫と接する際は、正しい知識を持たないといけないことを、忘れずにいることが大切かと思われます。