猫が猫ベッドを使ってくれない理由
せっかく買った猫ベッド、使ってくれないなんていうのは猫あるあるですね。
ただ、使ってくれないのには、それなりの理由があるようです。
ニオイが嫌:
新しい猫ベッドは、素材独特のニオイがします。
人よりずっと嗅覚の優れた猫には、このニオイを嫌うこともあるようです。
また、もしほかの猫が使っていたベッドを譲り受けた場合、
別の猫のニオイがついていることで、警戒して使わないこともあります。
大きさ:
猫は狭いところを好み、体を丸くして寝る習性があるので、
自分の体より大きなベッドは、安心して寝られる場所とは認識されないことも多いです。
野生の頃の猫は、外敵に見つからないよう穴ぐらや岩場のような狭く暗いところに潜み、
身を守っていました。その名残がイエネコになってもあります。
形が好みじゃない:
暗く狭い場所を好む猫にとって、ドーム型のベッドは最適な寝床のはずですが、
警戒心の強い猫だと、出入り口が1つしかないことに警戒してしまうこともあるようです。
ドーム型に警戒する猫がドーム型ベッドを使ってくれるには、
警戒心が解かれるのを待つしかありませんが、
置き場所を工夫したり、大きさを変えると使ってくれるかもしれません。
素材:
夏の暑い時期の場合、布製のベッドだと熱がこもって暑くて使ってくれないこともあります。
しかし、冷感素材のベッドでも、猫によって嫌がることもあります。
素材の好みは個体差があるようなので、どんな素材を好んで使用しているか、
逆にどんな素材を嫌うか、
愛猫をよく観察してベッドを選んでみましょう。
場所:
猫が寝床に選ぶ場所は、
「静かな場所」「人目につかない場所」「落ち着ける場所」です。
騒がしい場所、人通りの多い場所に猫ベッドを設置しても、
使ってはくれないでしょう。
普段、どんな場所によく猫が寛いでいるかを観察することで、
猫ベッドの設置場所を決めましょう。
猫ベッドは何個必要?
一日に何度も寝場所を変える猫に合わせて、
寝場所ごとにベッドがあるのは理想的ではありますが、
それが難しいようなら、結局のところ猫の頭数+1(汚した場合の予備)個となります。
※寒い時期の猫ベッドはどんなもの、どれくらい用意する?
とはいえ、猫の頭数+1はあくまで目安量です。
猫は温度に敏感で、心地よい温度の場所を探す能力にたけています。
冬の寒い時期でも、日によって気温が上昇する日や、暖房で部屋が温まりすぎることもあります。
そういったとき、涼しい猫ベッドも用意しておくことで、
暑くて居心地悪い場所から、涼しくて居心地のいい場所に移動できます。
猫が自由に選べるよう、暖かいベッドと涼しいベッド、両方用意しましょう。
猫ベッドのタイプもバリエーションがあると、
そのときの猫の気分で選べます。
夏用はフラットタイプが多いので、冬用はドーム型など別のタイプを用意したりしましょう。
多頭飼いで、猫同士の仲がいいのであれば、
大きなフラットタイプも用意することで、
猫同士が寄り添って温まることができます。
猫にベッドを使ってもらうための対策
しっかり洗う:
素材のニオイや、ほかの猫のニオイが気になって使わない場合は、
しっかり洗って、ニオイを落としてあげましょう。
洗剤は、無香料の洗剤や石鹸を使いましょう。
柔軟剤は香りの強いものが多いので、避けましょう。
洗剤を使うことに抵抗があるなら、水洗いだけでも効果はあります。
洗ったら、形を整えて、外で風に当てて乾燥させましょう。
乾燥機を使っても大丈夫です。
水洗いのできない素材は、日干しにして風に当てるだけでも効果があるそうです。
猫ベッドの製品によっては注意書きに「ニオイが気になる場合は風に当ててください」と書かれたものもあります。
天気のいい日に外に干して、風に当てて素材のニオイを消しましょう。
カバーが取り外せるタイプなら、カバーを取り外して、
ベッド本体と、カバーをそれぞれ2日間ほど風に当ててニオイを消しましょう。
洗うメリットは、ニオイの除去のほかにも、
繊維についた科学糊や油分が取り除かれ、生地の触り心地がアップします。
また、乾いた後、マテリアルの通気性がアップし、
クッション内部まで空気が行き渡って弾力性がアップしますし、天然の保温効果もアップします。
感触に慣れさせる:
小柄の体重の軽い猫は、ベッドがふわふわ過ぎると歩きづらく、寝心地がよくないようです。
こういう場合は、ベッドにしばらく本などを置いてクッション性を下げたり、
ベッドの上で遊んだり、オヤツを食べさせたりして、感触に慣れさせましょう。
置く場所を考える:
愛猫がよく寛いでいる場所を観察して、
そこの雰囲気を大きく壊さず、毛布やクッションを敷いてみたりと、少し手を加えてみましょう。
それから徐々に、猫ベッドに置き換えると、ベッドに入ってくれるかもしれません。
普段ケージを使っている場合、ケージの中にいるときにベッドを設置してみると、
すんなり使ってくれることもあるようですが、
ケージが狭くてベッドが置けない場合、
ハンモックタイプのベッドや、ケージのサイズに合わせた手作りベッドを置いてあげましょう。
窓際に猫ベッドを置く:
愛猫が窓際で日向ぼっこをしたりするのであれば、
窓際で、よく寛いでいる場所に猫ベッドを置いてみましょう。
太陽の猫は、ベッド内部の空気を温めて保温効果を高め、
寝心地をアップさせます。
夏の暑い時期などは、ベランダの入り口を開けて風通しを良くしましょう。
ただ、猫が脱走してしまわないよう注意して、
網戸にストッパーをかけるなど、対策しましょう。
お気に入りのおもちゃ・毛布を置く:
愛猫のニオイのついた、毛布・タオル・おもちゃなどを、
猫ベッドの中に置いてあげることで、
ついた自分のニオイにより「自分の場所だ」と認識してくれるかもしれません。
飼い主さんに甘える子なら、
飼い主さんのニオイのついたものを、一緒に入れるのもいいでしょう。
マタタビ・キャットニップを置く:
マタタビ・キャットニップ好きな猫なら、
猫ベッドにマタタビのスプレーをして、様子を見てみましょう。
マタタビ効果で、いい気分になってそのまま眠る可能性も高いそうです。
もともとマタタビスプレーは、爪とぎに吹きかけて、
爪とぎの場所をしつけるものです。
マタタビ・キャットニップに興味がない場合は、キャットフードやオヤツで試してみましょう。
あと、マタタビは中枢神経を刺激するので、
器官の発達過程にある子猫には使わないでおきましょう。
使うのであれば、生後6ヶ月経過した猫にしましょう。
囲いを作る:
今後の猫の成長を考えて、大きめのサイズの猫ベッドを購入した場合、
慣れるまで愛猫のニオイのついたタオルや毛布で囲いを作ったり、
ダンボールの中に猫ベッドを設置したりしましょう。
猫は狭い空間を好みますので、囲いを作ることで居心地のいい空間となります。
あまり壁を高くすると入りづらくなるので、壁は10~15cmほどにとどめましょう。
体を横たえてちょうど隠れるくらいのほうがいいようです。
ダンボールの囲いの作り方は、
まず、猫ベッドと同じサイズのダンボールを用意して、
それの縁の高さを15cmほどカッターでカットし、
カッターの切り口はガムテープで補強しましょう。
その後、周囲に愛猫のニオイのついたタオルや毛布を敷きましょう。
ベッドに慣れるまでは、この囲いを使います。
カーテンは開けておく:
寒い時期、窓辺すべてのカーテンは開けて、
日差しを入れることで部屋を温まります。
猫が外を眺められるということも考慮して、
カーテンは開けておいたほうがいいでしょう。
※窓辺に日向ぼっこスペースやキャットタワーの設置を
窓の傍にキャットタワーを置くことで、外の景色を眺めやすく、
日向ぼっこもできます。
温かい素材のものや、毛布を置いてあげるのもいいでしょう。
ドーム型の猫ベッドを使ってもらうためには:
ドーム型ベッドは暗く狭いところの好きな猫にとって最適な構造のようですが、
猫が警戒してしまう理由として、
やはり入り口が一つゆえに逃げ場がない「袋の鼠」状態であることと思われます。
ドーム型ベッドを使ってもらうためには、場所と向きも重要です。
1.
まず、ドームの入り口を壁やベランダ側に向けさせましょう。
ドームベッドの入り口と壁(ベランダ)の隙間は、猫一匹が通れるくらいのスペースを。
入り口の向きの工夫に加えて、
愛猫のニオイのついたタオルや毛布を、ベッドに入れるのもいいかと思います。
2.
ベッドを置いたら、その近くで食事をさせましょう。
ただ、近づけすぎると警戒してしまうので、
適度に離れた場所(回避できる距離感)で食事させましょう。
3.
一度場所を決めたら、数日はベッドを動かさないようにしましょう。
あんまり場所を動かしてしまうと、使われなくなってしまいます。
4.
ただ、一週間様子を見て使わないようであれば、
場所を変えてみましょう。
その際、ドームの入り口は、常に部屋の外向きです。
使ってくれることを気長に待つ:
上記の対策をとったにも関わらず使ってくれない、
だからといってあきらめず、気長に使ってくれるのを待ちましょう。
気まぐれな性格が多い動物なので、
突然使いだすこともよくあります。
まとめ
猫に猫ベッドを使ってもらう対策法は、
しっかり洗うこと
ベッドの上で遊ばせたりオヤツを食べさせたりして感触に慣れさせること
猫がよく寛いでいる場所にベッドを置く
窓際にベッドを置く
ベッドにお気に入りのおもちゃ・毛布を置く
ベッドに飼い主さんのニオイのついたものを置く
ベッドにマタタビスプレーをする
ベッドにタオルや毛布で囲いを作ったり、ベッドをダンボールに入れる
カーテンを開けておく
ドーム型のベッドの入り口は壁に向け、ベッドにある程度近い場所で食事させる
気長に使ってくれるのを待つ
といったことです。