猫の喧嘩の理由と仲裁の仕方 | 猫の漫画とケモナーの漫画が見れるブログ

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猫あるあるを主に描いた猫の日常4コマ漫画と猫に関する豆知識を掲載。他にも無料での似顔絵の請負や獣人漫画も見れます。

・猫が喧嘩をする理由

縄張り争い:
猫は野生の名残で縄張り意識が強く、
生活圏であるホームテリトリーと、狩猟圏であるハンティング・テリトリーの範囲を決めています。
一般的に雌より、雄が縄張り意識が強い傾向にあります。

ホームテリトリーは、寝たり、食事をしたりというプライべーど空間で、
ここに入れるのは、飼い主さんと顔見知りの同居猫だけです。
見知らぬ者が入ってくると威嚇されます。

狩場であるハンティング・テリトリーは、家猫の場合、家全体が縄張りとなります。
ホームテリトリーほど強い意識はありませんが、やはり見知らぬ者の侵入を許しません。

〇家猫の縄張り争い
室内飼いの猫の場合、安全な寝床と食事が確保されているため、縄張りを理由に喧嘩をすることはほとんどありません。
が、トイレに対して縄張り意識が強いため、トイレは分ける必要があります。
他の猫の排泄物でトイレが汚れているようなことが続いてしまうと、ストレスとなってしまいます。

なのでトイレは常に綺麗にしないといけませんし、
トイレの数は「猫の頭数+1」用意しておくのが理想と言われています。

〇家猫が未去勢の雄同士だと
未去勢の雄猫同士が一緒に暮らす場合、要注意です。
家猫であっても、本能的に縄張り意識が強くなってしまいます。
繁殖を望まないのであれば、去勢手術を考えた方が良いでしょう。

〇外出する猫
猫を外へ出すと、野良猫の縄張り争いに巻き込まれる恐れがあります。
近所に野良猫が多い場合、完全室内飼いの方が良いかもしれません。

〇雌猫の場合
雌猫は雄猫ほど縄張り意識は強くありませんが、我が子を守る使命があります。
なので、野良の雌猫の喧嘩相手は猫だけにとどまりません。カラスなどとも戦うことがあります。
このとき、共同育児をする猫同士が協力し合って、カラスを子猫から遠ざけることもあるそうです。


食事の順番:
多頭飼育において、食事の順番は注意が必要で、
一方の猫が早食いだったりすると自分の食事をさっさと食べて、同居猫の食事を横取りしてしまう、なんてこともあります。
早食いで食いしん坊の猫は、食事の順番を遅くすることや、早食い防止の皿の活用、食事場所を別にする、といった対策をしましょう。

ただ、この早食いのケースといった特別な配慮が必要な場合を除いて、
食事は先輩猫からさせるようにしたほうが無難です。
中には、後輩猫に順番を譲る先輩猫もいるそうで、そういう場合は先輩猫の気持ちを尊重して、後輩猫を先に食べさせるのが良いかと思います。


発情期の雌の奪い合い:
去勢されていない雄猫に限りますが、雌猫を求めて、去勢した猫の10倍もの縄張りを広げます。
そして、縄張りが重なってしまうと、雄猫同士の争いになってしまいます。
本能により、発情期の雄は普段より気性が荒くなっています。

発情期の雌猫は、特有のフェロモンで複数の雄猫を引き寄せて、争いに勝った雄と交尾しようとします。

発情期に窓の外から、猫の唸る声や激しく取っ組み合う喧嘩の音に誘発され、
家猫が攻撃的になって同居猫と小競り合いをすることもあります。
こういったことは、去勢手術をすることで大きな喧嘩に発展することを防げます。

この時期、猫を外に出すのは危険です。大きな怪我を負って帰ってくることも多いそうで、
場合によっては、通院するほどの大怪我を負うこともあるそうです。

雌猫の場合だと、外出させて知らぬ間に妊娠しているなどという恐れもあります。

避妊・去勢手術と外出を控えさせることを考慮しましょう。


相性が悪い:
比較的相性の良い組み合わせは、
去勢済みの雄猫×避妊済みの雌猫、親猫×子猫、成猫×子猫、子猫×子猫、と言われています。

逆に相性の悪い組み合わせは、
雄の成猫×雄の成猫、雌の成猫×雌の成猫、高齢猫×子猫、と言われています。

相性の悪い組み合わせについてもう少し詳しく説明すると、
雄の成猫同士は、去勢済みなら仲良くなることもあります。
また、キャットタワーや猫ベッドや箱など隠れられる場所を増やし、
1匹1匹が縄張りをしっかり確保できるようにしてあげると、猫達も安心して生活できるかと思います。

先住猫が10歳を超えるような高齢の場合、
遊び盛りの子猫と一緒だと、疲れてストレスとなってしまいます。
高齢猫は、穏やかに過ごすことでストレスを予防してあげることが重要です。
些細な怪我や病気が命に関わってきてしまいますので。

ただ、弱った子猫を保護した場合、一刻を争う事態ですので、
先住に高齢猫がいたとしても、一時的に同居させなければいけないことでしょう。
部屋が複数ある場合は、別室で生活させたり、子猫をケージで生活させたり、と配慮が必要となります。


社会化不十分:
猫は生後6ヶ月頃を目安に親離れをし、独り立ちします。
生後2週~3ヶ月の間に猫らしく生きる術を母猫や兄弟から教わります。この時期を「社会化期」と呼びます。
この社会化期に、他の猫との距離感や縄張りのこと、人間のこと、猫以外の動物のこと、身を守る術、狩りの仕方、力加減、などを学びます。

〇子猫同士の「喧嘩ごっこ」
子猫は兄弟同士でじゃれ合って喧嘩ごっこすることで、狩りや、じゃれ合いの力加減を習得し、反撃、降参の仕方を覚えます。
そして、社会化期に多くの動物や人と接点を持つことで、柔軟に相手を受け入れられるようになります。

〇猫の性格形成
猫の性格は、遺伝的要因と、母猫の教育による環境的な要因が合わさり形成されます。
たいていは子育ては母猫のみで行われるので、人間をどのような存在として認識するかは母猫の経験に基づく教育方針が大きいです。
母猫が人間から虐げられた経験を持っていると、人間を危険な存在として認識するようになり、
子猫にも人間を信用してはならないよう教育します。

甘噛みの癖のある猫は、社会化期が不十分ゆえに限度を知らず、
痛くないからと放置してしまうと、噛み癖がついて誰かれ構わず噛みつくようになってしまいます。
そして、多頭飼いとなると、じゃれ合いの力加減がわからず、怪我を負わせてしまう恐れがあります。

噛み癖の対処についての記事はこちら↓
https://ameblo.jp/kemonowebcomic/entry-12600928778.html


じゃれ合いのエスカレート:
じゃれ合って遊ぶうちに気持ちが高ぶり、本気モードになってしまうこともあります。
グルーミングの途中で喧嘩しだしたり、トイレ後のダッシュが追いかけっこになることも。


先住猫の教育:
新入り猫と初の顔合わせを行った際、威嚇することがあります。
でも、新入り猫に噛みついたり、怪我をさせるようでなければ叱らないようにしましょう。

しばらくの間、取っ組み合いをする様子も見られることもありますが、
これも教育の一環なので、見守る姿勢を保ちましょう。
人が関与して、新入りばかり擁護してしまうと、新入り猫と良好な関係を築けないだけでなく、飼い主さんへの信頼もなくしてしまいます。

多頭飼いの仕方について詳しいことはこちらの記事で↓
https://ameblo.jp/kemonowebcomic/entry-12618735688.html


家族関係が不安定:
猫はちゃんと、自分自身が暮らす家庭に関心を向けており、家族がギクシャクしていれば、猫も不安定になってしまいます。
猫はもともと環境の変化が苦手な動物で、家族関係の変化にも敏感に反応してしまい、
不安に襲われた結果、通常ではやらないような行動をとります。その一つに喧嘩があります。

家族間でよく話し合うのが大切です。
お互いに言いたいことを言い、お互いの主張を耳を傾けるのが重要です。
話し合いにより喧嘩になることもあるかもしれませんが、解決に向けての喧嘩は意味のある喧嘩です。
ただ、暴力をふるったり、相手の人格を否定する発言は避けましょう。



病気:
急に攻撃的になったり、喧嘩以外にも異変が見られたり、不自然な行動が見られたり、ちょっかいに対して過剰な反応をしたり、
などといった行動が見られるようなら、一度受診を考慮した方が良いかもしれません。
猫同士の関わり方に変化はなくても、一方の猫が過剰な反応を示したり、急に攻撃的になったりしたら注意が必要です。
怪我、病気によって、体のどこかに痛みを抱えているのかもしれません。

喧嘩のほかにも、元気がなかったり、食欲が低下していたり、など異変があれば、
体調不良から気が立っているのかもしれません。
隠れたり、噛みついてきたり、体に触れることを極端に嫌がるような場合でも、病気や怪我あるのかもしれません。
すぐに受診しましょう。


・親子や兄弟でも喧嘩する?
血のつながりがある親子、兄弟同士でも、性格的に合わない場合には喧嘩が起こります。
たとえ血の繋がった親兄弟でも、縄張りの執着心により、場合によると流血するほど激しい戦いをすることがあります。


・猫同士の喧嘩のマナー

体格で判断:
体が大きい猫は強い猫と見なされます。
戦う以前に勝敗が決まっているものに対して喧嘩は発生しません。
お互い意味のなさない怪我は回避します。


子猫は喧嘩の対象にならない:
ボス猫と子猫が遭遇してしまったとしても、たとえその場所がボスの縄張り内でも喧嘩はしません。ボス猫の方が目をそらします。
通常は、劣性の立場にある猫が先に目をそらすのがマナーとされますが、
子猫はまだ猫社会のルールを知らないため、ボス猫が率先して目をそらして、その場から立ち去るように教育しているのかもしれません。


睨み合いで解決:
お互い喧嘩をする対象である場合、できるだけ睨み合いで解決します。
全身の毛を逆立てて大きく見せ、鋭い眼光で睨みます。
勝ち目がないと察した猫が、身を縮めて視線を逸らしたら「降参」の合図です。
勝利した猫も、降参の合図を機に相手を睨みつけたり、攻撃を仕掛けることはありません。

ただ、にらみ合いで決着がつかないと「ウーウー」「シャー」と鳴き声を発して激しい威嚇が始まります。
それでも、互いに引かない場合、本当に喧嘩が開始されてしまいます。
首元めがけて噛みつき、猫パンチ、キックを繰り出します。

また、威嚇が始まって、相手が降参の合図を出したにもかかわらず、
優位にある猫が威嚇をやめず、追いかけまわすこともあります。
こうなると深刻で、追い回されている猫が怪我をすることもあります。


喧嘩終了の合図:
上記にあるように身を縮めて視線を逸らしたり、その場から逃げたりしたら「降参」の合図です。この合図が出た時点で喧嘩は終わりです。
上記にあるように例外もありますが、降参の合図が出たなら勝った猫も深追いはしません。
一度勝敗が決まれば、同じ猫同士で再び喧嘩になることはまずありません。

※喧嘩の途中の毛づくろい
喧嘩の途中、お互い毛づくろいを始めることもありますが、
これは「転移行動」という興奮状態を静める行動で、喧嘩が終わった合図ではありません。


命の奪い合いはしない:
激しく攻撃しあう喧嘩になったとしても、そもそもは縄張り争いなので、相手を死に追いやる目的ではありません。
なので、激しい喧嘩に発展しても、命の奪い合いはしません。


・野良猫の喧嘩は仲裁すべき?
基本、人が間に入って喧嘩を仲裁する必要はありません。
下手に間に入って、怪我をしてしまう恐れがあります。
そして、怪我を負わされると、人獣共通感染症にかかる危険性があります。

また、自分の飼い猫を外に出して、野良猫の喧嘩に巻き込まれた場合も、
怪我を負わされることで感染症を患う恐れがあります。
この場合は、水をかけるなどして仲裁しましょう。

細菌性感染症:
野良猫に噛みつかれることによる噛み傷から感染する病気です。
傷口から細菌が入り込むことで、体が赤く腫れて膿がたまる「膿瘍」や、「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」といった皮膚の感染症が引き起こされます。
重症化すると、たまった膿が皮膚を破り、体の一部が壊死する病気です。

ウイルス感染症:
「猫白血病ウイルス感染症(Felv)」と「猫エイズウイルス感染症(FIV)」が野良猫から移るリスクが高いです。
治療が難しく、完璧な予防策がありません。特に猫エイズウイルスは、発症すると短い期間で命を落とす恐れもあります。


・飼い猫の喧嘩の止め方

様子を見る:
あまりに激しい喧嘩をしたり、頻繁に喧嘩するようでなければ、止める必要はないでしょう。
喧嘩を通じてお互いの関係性に折り合いをつけていくので、見守りましょう。

もし、唸り声をあげたり、首に噛みついたりという激しい喧嘩や、頻繁に喧嘩するようなら、間に入って仲裁するというよりは、
自然と喧嘩を終わらせるようにしたり、環境を整えてあげましょう。



平等に接する:
新たな家族が加わったとき、ついつい新入り猫をちやほやしてしまいがちです。
飼い主さんだけでなく他の家族がいる場合、先住猫と最も親しい人は先住猫のお世話を中心に、
それ以外の人は新入り猫のお世話の中心を担いましょう。


一緒に遊ぶ場合は、担当関係なく、平等に愛情を注ぎましょう。
ただ、食事や遊びは、先住猫を優先させましょう。
もしも先住猫が後輩猫に譲る姿勢を見せるようなら、その気持ちを尊重して後輩猫を優先させましょう。
このとき、先住猫を褒めてあげましょう。



爪を切る:
じゃれあい喧嘩なら爪を立てることはありませんが、爪が伸びている場合、不本意に相手を傷つけることがあります。
爪を切る習慣をつけることで、怪我の予防となります。
また、手袋をはめて喧嘩の仲裁に入った際、爪が引っかかることを予防できます。
喧嘩の仲裁は、怪我防止のため手袋をはめておいて、出来る限り直接猫に触れることは避ける方法をとりましょう。


お互い寛げる環境を用意:
たとえ仲の良い猫同士でも、プライベート空間は必要です。
お互い寛げる場所があることでストレスの予防となります。ストレスを軽減することで些細なことで苛立つことを防いで喧嘩を予防できます。
万が一喧嘩になった場合でも、プライベート空間が確保されていることで避難場所にもなります。
ケージ、キャリーケース、箱、キャットタワー、猫ベッドなど、避難場所を確保しましょう。


お互いの姿を見えなくする:
猫同士睨み合っているところを、ダンボール、板、下敷き、大きめの茶封筒、クリアファイルなどで2匹の間に立てて置き、
睨み合いを遮断させましょう。
すぐまた喧嘩を始めても、これを数回繰り返すことで闘争心もおさまり、落ち着きます。


おもちゃで気を引く:
おもちゃで気を引くことで仲裁する方法もあります。できれば、音が出るタイプだと気を引きやすいです。
これで喧嘩をやめてくれたら、褒めてあげましょう。
仲裁でおもちゃを活用する際は、先に食いついた方から遊んであげましょう。

猫は怪我や喧嘩を防ぐため、飼い主さんとおもちゃで遊ぶのは1匹ずつという決まりがあるそうです。


積極的に遊んであげる:
若い猫はエネルギーが有り余っているので、エネルギー消費のために追いかけっこや、取っ組み合いをします。
飼い主さんが遊びに誘ってエネルギーを消費させることで、喧嘩を回避できます。
1日5~15分程度を2回ほど、遊んであげましょう。あんまり長時間だと猫が疲れてしまいます。


落ち着くまで別々の部屋に隔離:
もし、何度仲裁しても喧嘩をするようなら、落ち着くまで生活空間を別々にすることも考慮した方が良いかもしれません。
その際、ケージを活用するのも良いかもしれません。

ケージの使い方についてくわしいことはこちらの記事で↓
https://ameblo.jp/kemonowebcomic/entry-12632747611.html


・もし猫の喧嘩で怪我をしてしまったら

まず怪我の程度を確認:
喧嘩直後の猫はたいへん興奮しています。落ち着くまで待ってから、傷を確かめましょう。
怪我の箇所を触ろうとすると、嫌がって暴れることもあるので、
猫を目の粗い洗濯ネットに入れるなどして逃げ出さないようにしましょう。

怪我をしやすいのは顔まわり、お尻まわりですが、毛をかき分けて全身をくまなく確認しましょう。


傷口を洗って消毒:
傷口を見つけたら、ぬるま湯で洗い、血や汚れを優しく拭き取り、
猫用の消毒液で消毒しましょう。


目の周りを怪我している場合は、無理に消毒せず、濡らしたガーゼで軽く拭き取る程度にしましょう。


止血:
消毒したら、ガーゼで傷口を抑えます。手足を怪我している場合はガーゼの上から包帯を巻きましょう。
出血が多い場合は包帯をきつめに。



動物病院へ:
出血が止まらなかったり、猫が暴れて応急処置が難しかったり、猫の様子がおかしいようなら、
すぐに動物病院へ。
喧嘩の相手が野良猫だった場合も、感染症のリスクを考慮して、受診しましょう。