猫が食事を食べなかったり食べムラがある理由 | 猫の漫画とケモナーの漫画が見れるブログ

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猫あるあるを主に描いた猫の日常4コマ漫画と猫に関する豆知識を掲載。他にも無料での似顔絵の請負や獣人漫画も見れます。

・食事を与えるにあたって注意すべきこと

総合栄養食について:
普段の食事で適正なのは「総合栄養食」です。
総合栄養食とは、そのフードと水だけで健康を維持できる、必要な栄養素すべてバランスよく含まれたフードで、
年齢や成長段階に合わせて考えられているフードです。


その栄養基準ガイドラインは「米国資料検査官協会(AAFCO)」や「米国科学アカデミー学術会議(NRC)」が提示し、
AAFCOの基準は世界多くの国で採用されており、日本もまたこの栄養基準を採用しています。

総合栄養食は「ペットフード公正取引協議会」がAAFCOに準拠して定めた栄養基準を、分析試験や給与試験によってクリアしたものが記載でき、
商品のパッケージの下記に総合栄養食であることを記載しています。


一方で「一般食」や「おやつ」といったフードもありますが、あくまで補助的なもの。
嗜好性に重きをおいているので、味付けの濃さ、栄養バランスを考えると常食にはふさわしくありません。

猫ちゃんがフードに飽きてしまう対策として、おやつを用いる方法はありますが、
与え方を考えないと、健康面に問題が生じることもありますので、注意しましょう。

猫のおやつの役割についての記事はこちら↓
https://ameblo.jp/kemonowebcomic/entry-12611661432.html


「食べムラ」について:
狩猟生活をしていた野生の頃は、当然いつでも食事にありつけるとは限りません。
獲物をとれない日だってあったことでしょう。
そのため、食べられる日は食べ、1日くらい食べなくても大丈夫なように栄養を蓄える野生の習性の名残が猫にはあります。

また、群れでの狩猟なら自分の取り分をさっさと確保しないと獲物を食われてしまうことになりますが、
野生の猫は単独行動なのでその心配はなく、そのため、食欲がないときは残った食事は後で食べる習性があるのです。
猫が「食べムラ」の傾向があるのは、こういった習性のためと言われています。
それを知らない飼い主さんからすると、食事が気にいらずに食べ残してしまったととらえる恐れがあります。

食事を食べている途中で猫が皿の周りをひっかくような仕草をしたり、皿に布を被せたりするのは、
残ったフードを後で食べるため、埋めて隠している意味合いがあるのです。
もし食べムラがあって、こういった仕草が見られるようなら、
一度フードを片づけて頃合いを見てまた出してあげましょう。
一旦口にしたフードを放置してしまうと、付着した唾液から雑菌が出て、酸化、乾燥して風味が変わってしまうので、
放置せず一度片づけておきましょう。


また、食欲がなさそうな時は一度に出す食事量を少なめに調整することも考慮しましょう。

食欲は、春から夏の暑くなる時期は低下するので、食べムラが起きやすい時期かと思われます。


季節の要因について:
春~夏の暑い時期は食欲が低下し、秋になると戻っていき、冬は食欲が旺盛になると言われています。
人と同様、夏バテすることもありますので、夏は注意。脂っこいものを避ける傾向もあります。
暑い時期なかなかフードを食べないようなら、水分を多く含んだフードを加えることも考慮すると良いかもしれません。

また、お気に入りの場所で涼しく過ごせるようにしたり、新鮮な水をいつでも補給できるようにしたり、
といった対策も考えましょう。

暑さ対策と水分補給についての記事はこちら↓
https://ameblo.jp/kemonowebcomic/entry-12606619885.html


・食事に飽きたり、食べない原因

フードを変えてばかりいる:
子猫の頃は、猫の味覚は幼少期で決まると言われているので、いろんなフードを食べることは悪くないのですが、

成猫で、上記の食べムラの習性を知らず、毎日食べていたフードを急に食べなくなったからとその度に代わりのフードやおやつをあげてしまうと、
「待っていれば違うおいしいものが出てくる」と覚えてしまい、普段のフードを食べなくなってしまいます。
ぜんぜん食ようとしないからといって別のものを与えず、しばらく様子を見ましょう。


それでも食べない場合は、上記にあるように一度片づけて頃合いを見てまた出してみましょう。
その際、市販の猫用ふりかけや、少量のおやつ、少量のウェットフードをトッピングしたり、
ドライフードを軽くレンジであたためる、
などして、香りづけして与えてみましょう。


※フードの切り替えについて
元々、食欲旺盛だったのが、フードを切り替えたことで食べなくなってしまうということもよくあるそうです。
その場合は、元々食べていたフードに戻す再び食べるようになることも多いようです。

新しいフードに切り替えるときは、前のフードに少しずつ新しいフードを混ぜ(新しいの混ぜた分、前のフードの量は減らす)、
徐々に新しいフードの割合を増やして、時間をかけて切り替えていきましょう。



トラウマ:
食事に薬が混ぜられていてそれが嫌だったとか、
食べた後具合が悪くなった経験があったりとか、
食事には直接的な原因がなくても、食事のときに大きな音があったり、叩かれたりなど嫌な思いをしたため、
嫌な経験とその食事を結びつけて食べなくなってしまうこともあります。
これを「味覚嫌悪」といいます。


フードが傷んでいた:
もう食べられないというくらい傷んでなかったとしても、
たとえば保存のききやすいとされているドライフードでも、保存状態によっては長く置いておくと香りがとんでしまいます。
猫の舌は人ほどの味覚がないと言われていますが、嗅覚はずっと優れているので、香りはおいしさの重要な要素となります。
それがとんでしまうと、食欲がわかなくなってしまいます。

フードの保存についてはこちらのサイトが参考になるかと思います↓
https://nekogohan-web.jp/food-hozon1792/

ちなみに食欲を増すという面では香りの強いウェットフードですが、
総合的栄養面や歯垢が付きにくいことを考えると、普段の食事はドライフードのほうが良いと言います。


環境がよくない:
猫ちゃんは繊細なので、常に人が通るような場所だったり、やかましかったりするような場所だと落ち着いて食事ができません。
他のペットが食事を邪魔してくるのも、ストレスとなります。

また、食器の洗い方が不十分で嫌なニオイがしていたりすると、食欲もなくなってしまいます。
ヒゲが器に当たるのも嫌がりますし、光る装飾がついているのも嫌がりますので、場合によっては食器を変えることも検討しましょう。

食器選びについての記事はこちら↓
https://ameblo.jp/kemonowebcomic/entry-12613353886.html


繁殖期:
パートナーを求める発情期、食べることよりも相手を探すことを優先するので、
去勢していない雄、避妊していない雌は、5~6月頃、10月頃、1~3月頃、食欲が落ちてきます。


病気:
口内炎、口内の腫瘍、歯周病など、口内に異常があると痛みで食べづらくなってしまいます。
もちろん、口内以外の病気でも食欲が低下することもあります。

異変が見受けられるようなら、すぐに病院へ。


外で何か食べた:
外出する猫の場合、誰かからご飯をもらったり、小動物を捕まえて食べるケースも。


好き嫌い:
猫ちゃんも人と同様、それぞれ好き嫌いがあるようです。
食事をよく観察して、何が嫌いか把握していきましょう。


老化:
高齢になると、どうしても食べる量や回数は減ってきます。
老化による食欲不振は無理に食べさせず、食べやすいウェットフードや流動食、高栄養のおやつなどで必要な栄養を補ってあげたり、
食事量・回数もその猫に合うよう考えていきましょう。


「食べ飽き」:
猫は、食事に自分にとって重要な栄養分が含まれているか見分ける能力があり、
また、食事の食感、形状、舌触りなどの好みもあり、
今食べているフードで十分な栄養が摂れていなかったり、好みに合わなかったりする場合「食べ飽き」を引き起こしてしまいます。
その猫に合ったフードを選ぶ必要があります。


・食事を小分けするという改善法
1日分の摂取量は変えずに、食事回数を増やすことで1回分の食事量を小分けして、食欲を起こさせる方法です。

野生の頃の猫は、狩猟して食べることを毎日10回以上繰り返していたと言われているので、
1回分の食事量を減らして回数を増やすのは、本来の食事スタイルに近づけることとなります。

といっても目安は、成猫は1日2~3回、子猫は1日4~5回、と言われています。


・猫の食事の観察について
口内に炎症や腫れがある場合、痛くて食べづらいかと思われます。
また、体調がよくないと食欲が落ちることもあることでしょう。

猫ちゃんの食事を普段からよく観察して、普段と変わった様子がないか確認しましょう。
普段の様子と異なる小さなサインが重大な意味を持つこともあります。
小さなことでもメモしておくと、受信する際、それを獣医師に伝えることで症状の原因を突き止めるのに役立つこともあります。


・「フードローテーション」について
「フードローテーション」とはその名のとおり、フードを複数用意して日ごとに切り替えていくことで、「食べ飽き」の改善法としてあげられることがよくあります。
もちろん、上記にあるようにフードを頻繁に変えてしまうのは食べ飽きを起こしてしまうので、適切な頻度と期間を把握して行わなければいけないし、
必ずしもやらなければいけないことではないのですが、いくつかメリットもあります。

メリット:

〇アレルギー予防
同じフードばかりだと成分が体内に蓄積され、
突如、アレルギーを引き起こすことがあります。
また、ローテーション中にアレルギーが発症した場合、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を特定できます。

〇どうしてもフードを切り替えないといけない場合、スムーズに行える
体調や体質の変化による肥満対策用フードの切り替えや、年齢の変化による高齢猫用フードの切り替え、
病気治療のための療法食、
災害時に今まで食べていたフードが手に入らない場合、
好みの変化など、

ローテーションで複数のフードに慣れていることで、切り替えがスムーズにできます。

〇飽きにくくなる
同じキャットフードを食べているわけではないので飽きにくく、
飽きたとしても次のキャットフードに切り替えやすいです。

〇産地やメーカーの違うフードをストック
製造工場のトラブル、天候による原材料の調達問題、工場までの輸送トラブル、
製造中止、輸入中止など、入手出来なくなってしまう場合、
食べるものがなくなってしまうリスクを避けることができます。


一方でデメリットも:

●消化器官に負担
ローテーション期間を考えずに行ってしまうと、
軟便、下痢、嘔吐の原因となることも。

●食べてくれない
好みに合わず、食べてくれなくて無駄になることもあります。

●賞味期限までに使い切るのが難しい
切り替えのタイミングまでにちょうど使い切るのが難しく、
よほど保存状態を良くしないと、次に回ってきたときには酸化して使えないということも。

●めんどう
ローテーションで切り替える際、急に変えずに、割合を考えて次のフードを混ぜていき、少しずつ切り替えていかなければいけないので、
実にめんどうです。

●栄養の偏り
キャットフードはローテーションして食べること前提で作られておらず、
それぞれの栄養バランスを考えて作られているものなので、
ローテーションで食べさせると、逆に栄養バランスを崩してしまう恐れもあります。


ローテーションの仕方:
今食べさせているフード"A"から、次に与えるフード"B"に切り替える場合、
"B"のフードを10%と"A"のフードに混ぜ、その分"A"のフードを10%減らして、"A":90%、"B":10%にします。
翌日は、さらに"B"を10%増やして、"A":80%、"B":20%。

と、このように1日10%ずつ新しいフードの割合を増やしていき、
10日かけて切り替えていきます。


急に全部切り替えてしまうと、体調不良や消化不良の恐れがありますので、
少しずつ切り替えていきましょう。


ローテーションする頻度は、3ヶ月に1回にしましょう。
新しいフードに変えた際、体への影響が出るのに約3ヶ月かかるためです。

フードを切り替えたからといって、すぐに体調の異常が改善されるというわけではありません。

また、切り替えのタイミングで体調を崩した場合、一定期間同じフードを与えていればそのフードが原因と判断しやすいこともあります。


ローテーション頻度は、季節によって年に4回切り替える方法もあります。
3ヶ月周期より、消化器官の負担が少ないです。



短い周期や、フードに飽きが見えたからといって変えるのは避けましょう。
フードがなくなるタイミングで変えるのも避け、あくまで3ヶ月か、季節期間での切り替えにしましょう。


ローテーション用キャットフードの選び方:

〇メーカー、生産国を変える
フードの入手ができなくなることを考慮して、
別々のメーカーや生産国のものを選びましょう。


〇栄養成分
たとえば尿路結石が気になる場合、結石の原因となるカルシウム、マグネシウム、リンといったミネラル成分を抑えられたフードを。
腎臓が気になる場合、リンの量が抑えられたものを選ぶなど。
体調にあったものを選びます。

そのため、栄養成分の知識は重要となります。

また、グレインフリー(穀物不使用)、オーガニック(有機栽培・滅農薬)、無添加など、
さまざまな特徴を意識して選びましょう。