夕暮れ。
港。
君。
僕。
ふと見上げる。
風が吹いて。
波の音。
なんだかおかしくて。
笑う。
顔を見合わせて。
大声で。
一拍。
目を瞑る、君。
顔を近づける、僕。
触れる。
目を開く、君。
また見合わせて。
笑った。
夕暮れ。
港。
君。
僕。
ふと見上げる。
風が吹いて。
波の音。
なんだかおかしくて。
笑う。
顔を見合わせて。
大声で。
一拍。
目を瞑る、君。
顔を近づける、僕。
触れる。
目を開く、君。
また見合わせて。
笑った。
鳥に憧れた。
空を飛べる自由さが、うらやましかった。
跳ねて飛んでみたって、空になんか届きやしない。
掴むのはいつも空気だけ。
空っぽの手の中。僕の心の中。
高いところから落ちれば、
鳥のように自由になれるだろうか?
羽がなくても、翼がなくても、
鳥のように、一瞬でも自由になれるのだろうか。
こんなに不自由な世界を捨てて、
自由な空を僕は飛びたい。
それはたとえ数秒であっても、
自由になれたのなら僕は、
それでいい。