昨年末、12月におめでたいことがありました。

 

それは兄の”結婚”話。

 

お相手は3つ年上で、兄がいま住んでいる静岡の方。

 

そして、持病があり常に治療がついてまわり、遠くへの移動が難しいそうです。

 

最初に母から話を聞いたのは12月はじめ。

 

母もとまどった様子でした。

 

兄の結婚自体は喜びたいけど、お相手の病気のことが気にかかる様子。

そして、お相手に関する情報が少なすぎて、どう受け止めていいのかわからないようでした。

 

その後、送られてきた兄からの荷物(静岡の美味しいものや姪っ子へのクリスマスプレゼント&お年玉など)に、3種類のお茶が入っていました。

それを選んでくれたのが、結婚を考えているお相手だったそうです。

 

母はむき出しのお茶に少し不満げ。

「普通は常識があれば、包装するものじゃないか」と。

 

母は「相手の方に文句をつけるつもりはない」「相手に何かをしてほしいとか求めない」「兄が選んで、二人ともいい大人なんだから、私が反対することじゃない」・・・そう言いつつも、兄の母親として”気に入らない”ところを探しているような気がしました。

 

私自身、嫁姑の関係で悩んできたので、母には思っていることを伝えました。

 

「”求めない”って言ってるけど、こうしてほしかったって求めてるよね」

「兄ちゃんだって結婚してないし親戚づきあいもしないから、そういう”常識”に欠けたところがあるよね」

「確かに、包装されたものはきちんとしてるけど、そうじゃなくても、気持ちがなければ三種類もお茶を選んで送ってはくれないんじゃない?」

 

私が言ったことで母なりに少し考えてくれたようです。

そのあたり、年齢の割には意外と柔軟な母。

昔は頑なだったけど・・・世の中には”どうしようもない”ことがあることも思い知らされらからかもしれません。

 

兄にも連絡を取り、母の不安を伝えました。

 

母がお相手の情報が少なくてどう受け止めていいのかわからないでいること。

 

相手は結婚したことがあるのか、子供はいるのか、家族構成は、(兄の)過去のことを知っているのか。
病気のことを受け止めた上で、これから一緒に生きていきたいと思っているのか。
そういうことを、母に伝えてほしいということ。
 
兄も”わかった。考えが足りなくてごめん”と言ってくれ一安心・・・
 
 
・・・なんで私間に入って取り持ってるのかなぁ~・・・(苦笑)
 
本当は兄に対して母より怒っているのは私なのに。
 
 
私たちきょうだいが大学生の時に父が急逝し、ずっと専業主婦だった母が働きながら学校を続けさせてくれたのに。
 
私の結婚式の後、兄が借金をして失踪してから、ずっと母は心配して悲しんで苦しんできたのに。
 
失踪届を出していた警察から”免許の更新に来た”と連絡が入り、遠く本州まで兄に会いに行った時、すぐにまた行方をくらませてしまったことで母がどんなに落ち込んだことか。
 
”自分に会いたくないのだろうか”
”自分から逃げているのか”
母親としてそう考えることがどれだけつらいか。
 
そして、全てを勝手に投げ出して失踪したせいで、兄の奨学金は母が全て返し、住んでいた部屋の始末などもやらえければならず、どれだけお金がかかったことか。
 
なんで父が急に亡くなって辛い思いをした母をさらに苦しめるの?
 
そして、通信アプリで連絡が取れるようになった数年前からも、「電話する」「函館に帰る」と言いつつ一度も実現しなかった。
 
自分一人の生活でいっぱいいっぱいの兄に代わって、親戚つきあいをしてきたのは母と私たち。
 
母のことを見るのは私たち。
 
長子なのに好き勝手していいよね。
気楽だよね。
何にも縛られなくていいよね。
人に迷惑かけてばかりでも許されていいよね。
 
ずっとそう思って憎かった。
 
憎い。ずるい。うらやましい。
 
母はわが子だから”元気でいればいい”と結局はゆるしてしまう。
 
”連絡がつかないよりはいい”
”悪いことをせず、普通に暮らしていてくれればいい”
 
望むことはどんどん少なくなっていく。
 
その分、私たちへ望むことになる。
 
老後や死後のこと。
 
仕方がないし、私ももう覚悟を決めたけど、のんきな兄を見ていると苛立ち腹が立つのも確かで。
 
母が甘い分、私がキツイことを言う役割になってしまう。
母は甘いというより、また兄が消えてしまうのがこわいんだろうな。
 
そんな私を、お相手の女性に「妹は厳しい」と言ってたらしい。
「誰のせいだ?!」って思った反面、「あぁそうだよ」って思った自分がいました。
 
だって、兄に厳しくする人がいないんだから仕方がない。
私が言うのも変かもしれないけど、私しかいないなら言うしかない。
間に入ってつなぐのも、私の役目ならやる。
 
それで母と兄がうまくいくならその方がいいから。
 
 
そして・・・
持病のあるお相手と結婚することで、彼女のために兄がしっかりしてくれればいいと思ったのも事実。
 
ちゃらんぽらんに生きてきた兄が、ちゃんとしてくれるなら。
最後まで責任を持って彼女を大切に生きてくれるなら。
 
つきあってた彼女と別れた理由が”会えなくて寂しかったから”っていう兄でした。
その時も私は怒ってたなぁ。
”彼女だって寂しいのに何言ってんの?!”って。
 
甘えっこでさびしがりやで、その分やたらと優しい兄は、イケメンでもなんでもないけどいつも彼女がいる。
 
でも、自分の寂しさや自分の気持ちで別れてしまう。
 
子供みたいな人。
 
そういう人をほおっておけないとか、そういうところがいいとかいう女性が多いみたいだけど。
 
私は絶対にやだ!!!!!
 
ってずーっと思ってた。
いまも思ってる。
 
でも、結婚したら少しは変わるんじゃないかな。
 
そして、この年になって”姉”ができたことは素直に嬉しい。
 
兄が今後一人で生きていかなくてよくなることはよかったと思う。
 
最悪、”孤独死した兄の始末をしに行く”自分を覚悟をしていたし。
 
寂しい人生よりは、誰かと一緒に生きる人生の方が私は幸せだと思うから。
 
そんな風に、平凡な幸せを感じられるように願います。