先月末、3月31日付けで23年間務めた職場を退職しました。
大学卒業後に就職し、結婚、出産、育児休暇と職場復帰、転勤、病気休職・・・本当にいろんなことがありました。
夫との出会いも職場でしたし、生涯つきあっていきたい友人・先輩と知り合うこともできました。
仕事をしていたおかげで、得られたこと、経験できたこともたくさんありました。
支えてくれた家族、友人、職場の方々には感謝の気持ちでいっぱい。
周囲の支えがなければ、もっと早くに、強制的に“戦線離脱”になったと思います。
今回、辞めることを周囲に相談はしましたが、結論を出したのは自分で、しっかりと考えて決めることができました。
なので、悔いはなく、スッキリとした気持ち。
“辞める”選択ができたのは、夫が働いて生活費を得てくれているからで、改めて感謝するばかりです。
そして、私が仕事を辞めることを前向きに受け止めてくれた娘たちに対しても、お母さんの生き方を受け入れて、応援してくれてありがとうという気持ちです。
「フルタイムの公務員の仕事を続けていくのは、今の自分には無理だ」と判断し辞めることにしました。
もちろん、病気(うつ病・不眠症)も理由の一つではありますが、そのせいだけではありません。
私は国家公務員の行政事務でした。
だいたい2~3年で人事異動があり、所属課が変わるためその都度仕事内容も全く変わります。
一から新人と同じように仕事を覚え直し。
ようやく慣れた頃に、また人事異動で別の仕事へ。
そのサイクルについていけなくなってきました。
たとえ、以前にいたことがある課に異動になっても、担当が変われば仕事内容は全く違います。
担当が同じでも、仕事の仕方がどんどん変わっているので、やはり一から覚え直しということもあります。
公務員は法律に基づいて仕事をするので、法律が改正されることでの仕事の変化も多々あります。
公務員は平成13年から人員削減が遂行されてきました。
私が就職した頃には6人でやっていた仕事が2、3人に、3人でやっていた仕事は1人に。
職場では“システム化”や“事務集約化”で対応しようとしていますが、実際に仕事をしている職員たちは、一人一人の担当する仕事量が増えて余裕がありません。
私が病気休職と復職を繰り返していた頃でもそんな状態で、復職後は仕事量を減らしてもらっているのですが、それが申し訳なく感じるくらいに、周りの職員はいっぱいいっぱいの様子でした。
それでも、人員削減計画はまだ終わっていません。
まだまだ減り続けています。
日本の人口に対する公務員の比率は、諸外国に比べて決して高くはありませんが、政治に携わる方々の判断で公務員は減らされます。
公務員のお給料が“税金”だから。
国の支出を減らすために。
そして、国民が払った“税金”で食べてるんだからとクレームやバッシングも多い。
福利厚生が整い、安定して給与を受け取れる公務員ですが、実態はブラックだと中で働いていた身としては思います。
民間の会社と“ブラック競争”をすれば、よりブラックな会社があるのはわかっていますが、決してホワイトではないと思います。
そんな職場で働くことが苦しくなったことも、辞める決意をした一因です。
ほとんどの公務員は真面目に仕事をしています。
苦しくても我慢して仕事をしている職員がたくさんいます。
それでも、認められるより叩かれることの方が多いです。
それはとても心が折れることでした。
ただ仕事として自分のできる分だけを淡々とこなしていられれば続けられたのかもしれませんが、できませんでした。
「向いてなかったのかな」と今は思っています。
私は、自分の子供たちには公務員という仕事は勧めません。
公務員以外の仕事でも、大変さを身をもって知っているからこそ我が子には勧められない思う人がいるのと同じです。
子供が「なりたい」というのであれば応援はしますが、親として「いい仕事だよ」とは勧められない。
でも、世の中のどんな仕事も大変です。
だから、子供たちには「自分がやりたいと思う仕事を」とだけ伝えてす。
そして「いつからでもやり直せる」と付け足しています。
辞めること=終わりではないから。
退職することでそれを知り、子供たちに伝えられてよかったと思います。