『「銀河鉄道の夜」の真相』は、宮沢賢治研究者の桑原啓善さん(シルバーバーチの霊言集の翻訳者でもある)の本のタイトルです。

サブタイトルは「宇宙のワープウェイ」

本の紹介には、

「宮沢賢治は霊を認めていた。彼は霊が見え、その言葉が聞こえ、テレパシーによる観念交流ができた。そんな立場から「銀河鉄道の夜」を読み直す」

とありますが、

「銀河鉄道の夜」だけではなく、「春と修羅」とかの詩も解説されています。

賢治自身が語っていますが、彼の作品は、見たものをそのまま語っていたり、題材にして童話にしたりしているので、想像で書いたものではないのです。

彼は石や動植物と会話ができ、感情が色として見えたりしていたそうです。

自分の存在を「透明な幽霊の複合体」と言っていますが、これはガイドや過去世や大いなる自分などのソウルグループを含めて自分だということを示した言葉だと個人的には思いました。
彼にはそれが見えたり聞こえたりしてたんでしょう。

別の言い方では「仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明です」とも言っています。

また「すべてがわたくしのなかのみんなであるやうに」「みんなむかしからのきやうだい」とも言ってますので、
すべては繋がっていて、実はひとつなんだということもわかっていたようです。

だから、「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」と言っていたのでしょう。
「全ての人類が幸せにならないと私は幸せではない」というようなことを言っているヒマラヤ聖者の話を思い出しました。

ただ、地元では宮沢賢治はキチガイ扱いされていて、宮沢家の人々は賢治の霊能力については口をつぐむそうです。

そろそろ霊能力も認められていく時代だと思いますが、賢治の頃は大変だったみたいですね。


さて、「銀河鉄道の夜」ですが、これは死後の世界を旅した物語です。

死んだ人の心境や信念によって行く世界が変わります。次元も変わります。

また、思いがエネルギーであり、思いが即実現する世界も描かれています。

たとえば、行きたいと思った時にはそこにいます。

変性意識体験や臨死体験でもそういうことはありますが、現実世界でも時間がかかるだけで、意識が現実を作っている点は同じです。

あの世もこの世も究極的な観点からいえば幻ですが、実際にそれらを体験する身からいえば現実で、法則が存在しています。

幻の世界であっても好き勝手やっていたら、その反作用を受けるのは自分です。
自分の内面が反映する世界に住んでいるのだと知れば、不平不満・恐れ・怒り・心配などのネガティブな思いを持ち続けるのがどれだけ馬鹿らしいかわかるでしょう。
もちろん、人間ですから多少は仕方ないので、そんな自分も許して受け入れることは大事です。そうすれば優しい世界が訪れます。

知らなかったんですが、「銀河鉄道の夜」は未完の作品で、初稿と最終稿が出回っているようです。

納得のいくまで推敲したかったのでしょう。

たくさんの物語や詩を遺してますが、生前出版されたのは、「心象スケッチ 春と修羅」と「注文の多い料理店」のみだったそうです。
しかも自費出版でほとんど売れなかったとか。

そういえば、私が交響曲の中で一番好きな「新世界」がこの物語に出てくるということを初めて知りました。

私はアニメで一度見たくらいで、実際に読んだことはなかったのです。

銀河で聞こえる曲となってますが、賢治が好きだったらしいので、本当に宇宙の音楽なのかはわかりませんが、音楽の趣味が似てるのは嬉しいです。

この本には舞台で上演した脚本としての「銀河鉄道の夜」が載ってますが、
あらためて、賢治の作品を初稿と最終稿両方読んでみたくなりました。

賢治って響きは私の名前と同じということもあって、親近感が増しています。
図書館に他の作品も含めていろいろあったので借りてみます。