2012年1月5日に書いた本の感想日記です。
いやいや、新年早々、凄い本を読んでしまいました。
妻がエリザベスさんに薦められて去年買ったものですが、図書館の本を読み終わったんで、家にある読んでない本でも読もうかと本棚見て、数ある中からたまたまこれを選んだんですが、良かったですねぇ。
今までの男性中心の競争社会が終わり、女性や母性が復権してくる社会になるとか言われてますが、まさにその象徴になるような本ですね。
そう言えば、瀬織津姫とかも長いこと封印されていたのに、21世紀に入って復権というかスポットライトを浴びるようになった古代の日本では信仰の中心的存在だった神様らしいですが、確かマグダラのマリアと同じ魂らしいですね。
そのマグダラのマリアの実像に迫る作品が「待ち望まれし者」です。
今まで、娼婦だとか、悪霊に取り憑かれていた女だとか、非常に蔑まれていた方で、ようやく20世紀に入ってカトリック教会でも娼婦ではなかったと訂正はされましたが、実像まではなかなかよくわからなかったと思います。
イエスの妻だったとかは最近になってよく言われてるようですが、そのくらいですよね。
この本の著者はこれを書くのに20年の歳月を費やし、世界各地で伝承や資料を調べたそうですが、自分自身がマグダラのマリアと同じ誕生日で、子孫らしいです。そして当時のビジョンを見ています。
一度ノンフィクションで自費出版し、大手出版社から小説の形に変えて再出版して世界40ヶ国で翻訳され欧米ではベストセラーになってるようです。
小説の形にしてますが、事実を元に書かれています。ところどころで挿入されるマグダラのマリアによる福音はどこにも出版されていないマリアの一人称で書かれたもので、巷に出ているマグダラのマリアによる福音とは別物でこれだけでも価値があります。出典は極秘事項だそうです。
私はクリスチャンの家庭で育ちましたので、聖書は好きですが、教会の教義にはいくつか疑問があって新興宗教に走った過去がありますし、イエスの幼い頃や青年期について書かれた聖書以外のものなども読んできましたが、この本には今までに無かった視点や解釈がたくさんあって驚いています。そして、この本には真実が書かれていると思っています。
使徒パウロはイエスの教えをねじ曲げたという話を昔あるサイトで読み、納得していましたので、ここに出てくる話にも納得しましたし、洗礼者ヨハネやサロメ、ユダについての話も驚きましたが、なるほどと思いました。
マグダラのマリアだけでなく、イエスに何が起きて裏で何があったのかがよくわかります。
この本では、マグダラのマリアの福音書を見つけるまでの相対立する秘密結社同士のせめぎ合いや教会との関係など、ダビンチコードとかのスリル&サスペンス的要素もあり、小説としても面白いです。
マリーアントワネットなど、不当に貶められた女性の真実を探すところから出発した著者ですが、フランスにおける十字軍による迫害の歴史や中世絵画に数多く残されたマグダラのマリアについての謎や史実などもあり、歴史的にも面白いです。
聖書を読んだことない人でもこれを読めば、イエスとその周りの人達がどういう人達で、何が起こったのかがわかると思います。
もちろん、全てを鵜呑みにするつもりはありませんが、私的には一番納得できる話です。
あんまり書くとネタバレになるのでやめときますが、非常にお勧めです。
一応アマゾンにあった紹介文を載せます。
出版社 / 著者からの内容紹介
イエスとマグダラのマリアの壮大な物語
2000年前に記されたマグダラのマリアの預言書をめぐり、“待ち望まれし者”モリーンが画家プッサンの絵画に隠された暗号などをもとに、失われた福音書の謎とイエスとマリアの真の姿を追う。イエスとマリアの結婚生活や人生が克明に記された壮大な物語。
内容(「BOOK」データベースより)
取材のためにエルサレムを訪れた作家のモリーンは、白昼に突然幻視に襲われた。怒りに顔をゆがませた群集のなか、赤い服をまとって高貴にただすむ女性―彼女はモリーンに助けを切願した。これは夢なのか、それとも予言?幻視のなかに何度も現われるその女性について調べるうち、モリーンは女性がマグダラのマリアであると確信する。不思議な力に導かれて南仏を訪れたモリーンは「マグダラのマリアが選んだときに“待ち望まれし者”がやってくる」という預言の存在を知り、真相を追うが…世界29カ国で出版決定。ボッティチェリをはじめとする芸術家、ヨーロッパの王家、科学者からアーサー王伝説まで織りそんだ壮大な歴史ミステリー3部作。
ちなみに、三部作ですが、一部でも一応完結はしてます。ただ上下巻に別れてますから二冊は読まないといけませんが、やめられなくて一気に読んじゃいました。
二部は「待ち望まれし者―愛の書」という題で、イエスが直接書いてマリアに託した「愛の書」という福音書を求めてのミステリーのようです。一作目はハードカバーですが、こちらは文庫で、家にあるので明日読むつもりです。
三作目も文庫ですが、買ってなかったので、先ほど注文しました。「詩聖の王子 イエスによる福音書」という題名です。
イエスが直接書いて残したものがあるなんて全く想像もしなかったですが、読むのが楽しみです。
二作目までは上下巻に分かれてますが三部目は一冊でしたので、全部読んだらまた感想を書こうと思います。
しかし、欧米でベストセラーになるのはわかります。キリスト教文化ですからね。
今のキリスト教の聖書は権力者が支配の道具にしやすい部分だけ残してるので、過去に異端として切り捨てられた真実がたくさんあるんですよね。
またパウロは元々ヨハネの弟子でイエスの弟子ではないので、イエスの教えを直接学んだわけではないので、ちょっとねじ曲げられてる部分があります。
それらをあばかれると都合が悪い人達がたくさんいるので、センセーショナルを巻き起こしているのはよくわかります。私の両親なんて絶対受け入れられない話ですから。
中世なら著者は異端者として火あぶりでしょう。ダヴィンチコードの著者も同じですね。
ちなみに、レオナルドダヴィンチは敵対する組織側なんで、全然違う話だと思います。
この本にもあるように、今まで覆い隠されてきた秘密を知ることができて、本当に今の時代に生まれて良かったと思います。
もちろん、この本以外にも今だからこそ知ることのできる古代文明や宇宙やあの世の世界の話など、これでもかというくらいありますけどね。
本当に感謝の一言に尽きます。