田舎なので徒歩通学はしたことがない。

学校から友達と歩いて帰宅。

実は憧れだった。


小学校→スクールバス

中学校→チャリ(片道7キロ)

高校→チャリ(片道15キロ)


こうなると

彼氏やら男友達と帰る時に、送ってもらうという概念がなくなる。


男「送っていくよ!」

私「あと10キロあるよ?」

男「大丈夫だよ!」

私「ずっと上りだけど?」

男「ごめん厳しい」

男「まじで気を付けて!」


憧れるじゃん?

自宅まで送ってもらってさ、私女の子だったんだ!って嬉しくなるはずじゃん?


じゃーねーと男を送って、1人で鼻歌歌って帰るわけよ。夜道も。


もうたくましくて泣いちゃうよ笑い泣き


たまに近所の男の子と合うわけですよ。

(わーい!)なんてなりません。


だって…草むらに連れ込む気がプンプンするわけですよ。怖いよねー。

立ちションするから後ろ見てて~

草むらにスマホとんだ!とか

引っ掛かる訳ないでしょ!


変な雰囲気出てますがな…

下心が…不安


19時過ぎたら誰も来ないからね。

お年頃に加えて

女子高生+暗闇+田んぼ+圏外

危ないよねー😅

顔見知りほど油断できない。


チャリ通で家が遠い、山に向かう。

山の天気は変わりやすい。

夏は、どしゃ降りにあう。

もうびしょ濡れだよ!

なんてのは日常茶飯事。


「おねーちゃん。乗ってく?」

「お父さん知ってるからー」

「家まで送るよー」

「大丈夫、大丈夫!」

「タオル貸すから上がってきな」

「着替え貸すから風呂入っていきな。風邪引いちゃうよ」


なんて危険なお誘いなの…不安

チャリも運ぶ気じゃない…不安

鼻の下…すごく伸びてるわ…不安

なぜおっさんばかりなの…不安

あなた70歳に見えるわ…不安


ずぶ濡れ女子高生に声かけてくる、見知らぬ男が優しい訳ないだろうが!

大丈夫な訳ないだろうが!

そんなアホに見えるのか!

早く帰りたいんだ!話かけるな!

気持ち悪いんだよー!


どうせなら…

イケメンがいい悲しい


ちなみに…

ガチの知り合いだった事は

1度もない…怖すぎ魂が抜ける


1番心臓に悪いやつ…

立ちションおじさん。

スーと後ろをチャリで通る私。

振り返るおじさん。

ババーン!

…なぜ下半身も振り返る…

首だけでよくない?

アウトですがな…ガーン

悪意がないからいいけどさ。



夕方に出るおじさん。

ロングコート姿で立つおじさん。

今は夏です。

察します。

心の準備をします。

道路に飛び出すおじさん。

コートを開くおじさん。

ババーン!


もう…何度目だろう…

今日は機嫌が悪い私。

ストレス発散は大切。

大きな声で叫んだ。


「こんばんはー!!」

「今日も小さいですねー!」


2度と

見かける事はなかった。


私は悪くない。


見たものの感想を言わない事は、

相手にとても失礼だ。

勇気を出して出したもの。

その勇気を称え感想を言った。


また私の前に立った時、

私は言うだろう。

「小さいままではないか!」

「何をしていたのだ!」

「頭も小さいのか!」


そんなスリリングでデンジャラスな田舎の生活。2度戻らない時間。

田舎は素晴らしい!

(と思う事にしている)


あとスケベ多くない?


夏休みの朝

ラジオ体操から帰宅する。


玄関にあるのは

ビビるほどの夏野菜。

○○より、などない。

3件重なると玄関に入れず、せっせっと家の中に運ばないといけない。田舎は体力がないと倒れてしまうえーん


母親はエスパーなのか、コミュ力なのか、買い物袋と野菜で誰がどれを持ってたか判断出来ていた。


すると子供達には使命がある。


もらった野菜のお礼、おかえしのお届け、野菜の感想をしなければならない。


【お礼】(初級者、入門)

「○○さん!ナスありがとう!」

「○○さん!美味しかった!」

など姿を見かけたら即座にお礼を言わなければならない。


【おかえし届け】(中級者)

お宅にピンポン、もしくは○○さーん!と玄関や畑で叫び呼び出し直接届ける。

お礼も忘れずに


【感想、レシピ】(上級者)

「どうだった?」など相手に対して的確な返答をする事が求められる。

相手「初めて栽培したの」

 私「美味しかったですよ爆笑来年はもっと美味しくできそうですね🎵育てるの上手なんで来年も楽しみにしてますねウインク


相手「ちょっと収穫早かったかな」

 私「えーそうなんですか?難しいですよね。私は好きですけどニヤリ


相手「なんか食べ方知らん?」

 私「○と炒めたら美味しかったです。ゴマ油がいいと言ってました。○○さんは酢で浸けたと言ってましたニヤリ


【応用編】

あまり褒めすぎると

(めっちゃ来た…ガーン)と2週間同じ野菜を食べ続ける事になる。そこで役立つやつ。


(あんまりいらない)

「祖母からも来て大変(ウソ)」

「何か食べ方知りません?」


(めっちゃ欲しい!)

「すごく美味しかったです!○○さんの、トウモロコシしか食べれませんよ~ラブ

「売れますよこれ!」

「親父が1人で食べちゃって、食べれなくて残念でした~えーん


コミュ力万歳口笛

おかえしのおかえしのおかえし…とエンドレスも珍しくない。



更に仲良くなると

「畑から持ってけ~」になる。

これは罠がある。


「デカイから全部とるよー」

「3日後にまたくるー」

「トマトやばいよー」

「もぐら来てるわー」など畑を報告する、ついでに収穫しとく必要がある。

収穫した物は1度相手に見せてから、相手が分けてくれるのを待つのが常識となる。

「どの位持ってけばいい?」と買い物袋を広げて待つなど、相手のお気持ちを優先する気持ちが大切。


それをサボると

「デカイの持っていった」

「いいやつ持っていった」

「たくさん持っていった」など

悲しい誤解が起きる。


物忘れが増えるお年頃が多くいる田舎では、しつこい確認、報告が重要。

(ボケかけ?と思ったら、野菜を持ち出す前に、その家族にも一言報告する)


おすそわけは相手の御厚意。

あぐらをかいてはいけない。


そんな中でも

もらってはいけない相手もいる。

やっほーい!ともらって

被害妄想老人、ボケた老人から盗った!と家族が乗り込んでくる。

珍しい事ではない。


人を見る目、田舎では育ちます。

私が生まれたのは田舎。

バスは

1時間に1回くるかも?


駅から自宅まで

タクシーに乗ると1万円。


電車も

1時間に1本あるかな?


高校まで

片道15キロのチャリ通


19時過ぎたら

電車もバスもタクシーもない


電車で遊びに行って、帰りが大雪。父親も仕事中だったので軽い気持ちでタクシーで帰る事にした。


住所を行った瞬間、運転手が外に出て「誰か行ける?」と運転手が他社タクシー会社と相談が始まる。挙げ句、他の場所から運転手が召還される。


女子高生だった私は言う

「あの…ダメなら歩きますんで。2~3時間あれば着くので口笛

首をブンブン横に振る大人。

「何とかするから!驚き

迷惑かけてゴメンなガーン


18時過ぎるとツルツルテカテカ、暗い道で技術や土地勘がない人は、遭難や田んぼに突っ込むなどの危険地域。


免許取ったら、雪道に喜んでフルブレーキで滑って遊ぶのを覚えたニヤリ


22時すぎの帰宅

バイト帰りチャリで真っ暗夜道を、鼻歌でルンルンで帰る。誰も通らないので自由だ。


前方から人の気配を感じる…

ん?いっぱい?なんだ?

(夜道は危険なので気配に敏感になる。動物ならいい。問題は人。草むらや車に連れ込まれる訳にはいかない)


ビビりながらチャリを進める。

暗闇から複数のライトが動く。

近付くにつれ…20人!?の人影。

座ってる…??これは勝てない!と開き直って通りすぎてみる。

「こんばんわ~」×20人

「気を付けてね~」×5人


そこにいたのは自衛隊。

近くに駐屯地があった。

山籠り帰りの様で休憩中。

迷彩服に顔も黒い、帽子には葉っぱが付き、装備品がカチャカチャしている。

疲れた顔でうなだれていた。

ツラい演習だっただろう不安


でも女子高生がチャリで近くを通ったら、挨拶してくれる自衛隊すげー!となった。

無駄にビビってごめんなさいショボーン


お互い「マジか」と思ったはずだろう。疲れてるのに挨拶する精神に尊敬を抱いたのは言うまでもないラブ


その後、

荷台に乗る自衛隊を見かけたら手を振る女子高生が出来上がったw


田舎は本当に面白い