古い鍛冶ハンマーのレストア。
サビサビの古い金槌が綺麗に
なって復活する過程が観られ
る。
日本でいうところの工業用の
石頭(せっとう)ハンマーだ。
石工や鉄工、大型貨物車両製
造修理部門等でもよく使う産
業用トンカチ。

私もかつての鍛造ではこの型
のハンマーを使っていた。
頭の重量は1.3kg。全重1.5kg。



これは1990年代~2000年代
初頭に個人鍛冶作業で多用し
たハンマー。非常に使い易い。
全重量1.2kg。50年以上前の
物。厳密には会社の鎚。



現在メインの鍛冶鎚。片口鎚。
頭の重量1.3kg。重いのに重さ
を感じさせず、非常に扱い易い。
主鍛造はこれ。スグレモノ。



片口鎚。1.1kg。鍛造打ち延ば
しだけでなく火造りにも使え
る丁度良い重さの頭片方が長
めの鎚。純和式鍛冶鎚によく
似た造りで、とても使い易い。



純和式鍛冶鎚。火造鎚と呼ば
れる職人仕様。全重量850g。
細かい成形の火造りで使う。
使い易さだけでいったらこれ
が一番だが、和様式で柄と頭
に角度があるため、他の鎚か
ら持ち替えた時の鍛打は注意。
気を抜いて手の角度を間違え
ると丸い角が深く入ってしまう。



現在は主鍛造にはヘッド1.3kg
の片口ハンマーを主軸に使って
いる。和式鍛冶鎚に頭の重量バ
ランスが近く、叩く時に下側に
重さが偏っているので非常に鍛
造し易い。総重量は1.4kg超だ
が、柄の中口も太くなっていて
全く重さを感じさせない秀逸な
市販製品ハンマーだ。今回の鍛

造計画で新たに新品を購入して
使用している。
ただし、打撃面の角は削って落
とし、さらに磨き上げて角打痕
がつきにくいように緩いRを付
けてカスタマイズしている。

他にも10丁程鍛冶・彫金用の
鎚を持っていて、適宜必要に
応じて使い分けている。
石頭は万能型だが、ギュッと
中央に重量のマスが集中して
いるので数値よりも重さを感
じる。
60kgの人間は担げるが60kg
の鉄の塊は重く感じるのと同
じ原理。ピースメーカーの重
量1.2kgは片手で構えても重く
は感じないが、1.2kgの玉鋼の
塊は持つと重たいよ、という
のと同じ。

振るときに重さを感じさせずに
実は実質重量が重たい、という
ハンマーが作業効率とさばきの
操作性は上位になる。
日本製片口ハンマーはそのあた
り非常によく考えて造られてい
る。DIYで鍛冶作業をやる人に
はかなりおすすめの金槌。
同じメーカーでも、叩き側の寸
が長いタイプがあるので、そち
らが鍛造にはおすすめだ。
また、ハンドルの形状種類も同
種の同型番の頭でもいくつかあ
るので、鍛冶鎚を揃えようとし
ている人は購入前のリサーチが
必要。
柄の中程が膨らんでいるタイプ
がとても使い勝手が良い。

鍛冶鎚は日本だけでなく全世界
で共通の重量の規矩があるよう
で、大体皆さん総重量1.5kg程
(頭1.3kg)の鎚を使っている。
そういうものは使う側の身長体
重に関係なく存在していて、世
界共通項となっている。
EDC(エブリデイキャリード)ナ
イフの刃長は凡そ9cmが世界共
通というのと同じ定理。
鍛冶用の金槌は重さ850g、1kg、
1.3kg、1.5kgあたりを揃えてお
けば鍛冶作業はできる。
向こう鎚などが使う鍛造圧延用
のハンマーの重さは3kg~8kg
あたり。無論片手での火造り等
の細かい鍛造には使えない。両
手で持って真っ直ぐ真下に叩き
下す為のハンマーだ。
片手の小鎚は1.5kgあたりまで
が自在に使える範囲だろう。
両手ハンマーを振る時に持ち上
げるやり方は、円運動で持ち上
げるのではなく、身体に寄せて
真上に上げるようにして上に持
って行く。
片手小鎚にしても、円運動で叩

くのではなく、真下に落とすよ
うな肩と腕の動きで鍛打する。
これは細かい作業でコンコンや
る時も、円運動は使わない。
フライフィッシングのロッドで
マスのあたりを取る時に円運動
ではなく腕を上に上げるような
要領が近い。
なお、付言するとフライフィッ
シングのキャスティングでも円
運動はさせない。メトロノーム
の教えはあれは嘘。水平移動さ
せるような動きでロッドは前後
に振る。でないとタイトループ
は作れない。
さらに、ビリヤードでのストロ
ークも「振り子のように」は嘘。
円運動となりしゃくり出しにな
ってしまう。キューを真っ直ぐ
に出すには肘から下だけの円運
動では物理的に直線出しは不可
能であり、手の内と肩の入れ込
みを使ってキューを直線運動に
させて撞き出すのだ。
そしてさらに。日本刀の斬撃も
円運動ではない。真下に真っ直
ぐに斬るのだ。真っ向も袈裟も。
誤った円運動誤認のままだと、
切ったあとに切先が地面を向き、
刀術からかけはなれてしまう。
刀術でも剣術でも抜刀試斬でも
何でもない地球叩きでしかない。


人類が手にする「得物」とい
うものはそれなりの使い方が
ある。
鍛冶鎚一つにしても全く同。
円運動で叩くのではなく、腕
を上に上げる心持ちで真下に
鎚を落とすのだ。力は入れな
い。腕と手の運動に鎚の頭の
重みを乗せて加速させるだけ。
力任せで日本刀では物を切れ
ないのと同じで、鎚での鍛打
も鎚の重量を効率よく使って
やる。