ちょい前、広島市内の先輩
と電話で話していて、「ガン
モさん(私の事)、なんだか
地元の人たちと原付や自動
二輪で楽しそうにやってる
なぁ」
と言っていた。「俺もそうい
うのを広島市内でやりたい」
とも。
先輩に誘われて昨年3台の桃
色ナンバー原付で原付散歩
した時はかなり楽しかった。

 


その時は、私はベスパで下道
を三原市から広島市まで走っ
て行って合流した。

 

広島市内の人たちとは何度か
一緒に原付散歩している。
また、広島の人も三原に原付
や大型自動二輪でサクッと遊
びに来てくれたりもする。
その交友は今でも続いている。
ただ、広島市と三原市だと片
道で80km程離れているので
なかなかちょくちょく合流す
る事もできない。単車乗りか
らしたら100km以内は「ご近
所」であってもだ。
昔の学生時代の二輪仲間など
は800km離れたとこからの飲
み会でも「なにやってんだよ。
待ってんだから早く出て来い
よ」とか店から電話かけて来
たりしてたけどさ(笑

東京23区、神奈川県はかなり
狭く小さな県だが、広島県と
いうのは結構でかい。
県東部の安芸国と備後国の
国境地点にある三原市と県
西エリアの広島市では距離
はある。
なかなか「おい、あしたあ
そこ行こうか?」「いいよ、
行こう」というのができな
という距離的制約がある。
同じ市内だと二輪乗り同士
で「今夜あそこに晩飯行か
ない?」「お、いいね。行
こう、行こう」とか言い合
って夜片道数十キロをパッ
と走る事もできるし、実際
に二輪の乗り人たちはそう
いうスタイルでつきあって
いる。

ただ、二輪乗りにおいては
そうした距離的制約とは別
に結構大切な事があったり
する。
それは機動性。換言すると
即応性ともいえる。
予定等をギッチギチにスケ
ジュールで組み込んで入れ
ている二輪乗りは実はいな
い。いたとしたらパチ。
行動が予定スケジュールに
よって拘束されるからだ。
いつでも動けるようにして
いるのが本物の二輪乗りの
生活スタイルだったりする。
かつて法曹界にいたとき、
ある腕こき弁護士が先輩弁
護士から言われた事を私に
言っていた。
「訟廷日誌(弁護士とパラリ
ーガルが持っている分厚い
警察手帳のような手帳)に
スケジュールが真っ白な
弁護士が本当にできる弁護
士なんだぞ」と。
その時、何だか二輪乗りの
行動スタイルに似ているね、
という話をしながら虎ノ門
で昼飯食ってた。
その弁護士も現役二輪乗り
だった。峠で二人で早朝に
走っていた走り屋(笑

数か月先まで予定をぎちぎ
ちに詰め込んで身動き取れ
なくする二輪乗りはいない。
政治家先生じゃないんだか
ら。
たとえ予定が入っていよう
と、よほど動かせない予定
意外は予定変更して二輪で
走るのが二輪乗りだ。
そのあたりで、本物本当の
二輪乗りか、ただたまたま
二輪にも乗る事もある人か
の違いがキッパリと分かれ
てくる。
前者は「二輪人」であり、
後者は「一般人」だ。
これ、ガチもんで二輪を取
り巻く世界には存在してい
る。
簡単に言っちゃうと「寸暇
を惜しんででも二輪に乗ろ
うと行動するか、そうでは
ないか」の違い。
当然、二輪人は二輪に乗ろ
うとするが、一般人でたま
たま二輪を持っているだけ
の人たちは殊更に二輪に乗
ろうとは自らしない。
それは二輪人ではないから
だ。
世の中には二種類の人間が
いて、それは二輪に乗る奴
と乗らない奴なのだが、二
輪に乗る奴の中にも実は二
種類がいる。
それは二輪に乗って走るの
を自分のライフスタイルの
一部として生き方に取り入
れている奴と、たまたま二
輪を持っているだけ、とい
う奴だ。
この二種族は深い所では実
は交わる事は無い。
これ、二輪界の現実として
存在している事実。


まして、俺や先輩などは還
暦とっくに過ぎてるのだか
ら、残された二輪に乗れる
時間は限られている。
互いに「もはやこれまで」
というその時まで乗るつも
りだが、二輪に乗る機会が
少しでもあったなら最後ま
で乗り切りたい、てなのが
ある。
20代、30代、40代の人たち
とは平穏に行ったら残され
た時間は確実に短いからね。
まあ、人間はいつなんどき、
あと5分後にでも死ぬかもし
れないんだけどさ。
いつ死ぬかもしれない、い
つでもその心の準備は我に
あり、てなとこでないと、
実際のところは生き残れな
かったりする。
死生観持たずに頬被りして
ばっくれて生に執着する奴
ほど存外ポンと早死にする
のを多く見て来た。
あと、逆に英雄ぶりたい奴
は真っ先に死ぬ。
生存する奴ほど、死地にお
いても踏み出すが、他者よ
りも尋常ならざる程に慎重
であり、匹夫の勇とは無縁
だ。

自分も死ぬ間際に「あの時
二輪に乗っておけばよかっ
た」とかは思わないように
したい。
てことで、普段乗りでも遠
乗りでも、命の時間を削る
思いで二輪を走らせている。
でも、精神的作用と健康度
合いは複合的に上がるみた
いで、結構若い人たちより
も後まで生きるかもよぉ~。
ナントカ世に憚る、てやつ
でさ(笑