広島県三原市の絶望的状況の原
因は分かっている。
それは「企業誘致型工業都市」
に昭和時代に振った事による。
企業を誘致して、そこの労働力
と人口増加をあてにして税収の
政策をしたらどうなるか。
企業が撤退したら?
企業という資本は地方隆盛の為
に拠点開設などはしない。
すべては利益利潤の為だ。
そして、業績が悪化したらすぐ
に企業は拠点を畳む。
そこで暮らし働く従業員数千人、
数万人の生活などは斟酌しない
し、まして在地行政収入の事な
どは眼中にない。
地場産業殖産ではなく、そうい
う「外来種頼り」で税収増税を
計ろうとすると、炭鉱町やニシ
ンの町のように時期が過ぎたら
ゴーストタウン化するのは必至
だ。
三原市は、それがまったく見え
ていなかった。
三原は元々武家の拠点の軍事都
市だったが、明治以降に近代日
本建設に伴って工業都市化され
てきた。
戦後の混沌期においてもそうし
た旧態路線にすがりついていた
為に、資本が踵を返したら市の
財政自体が立ちゆかない事態に
なっている。
炭鉱の町、ニシンの町が廃れた
現実から何も学んでいない。
三原市だけでなく、企業誘致型
によりある時期一定の発展を遂
げた地方都市は全く同じ問題を
かかえている。
行政だけでなく市政の議員や
市長に国家百年の計の頭が軒
並み無いのだ。無能。


そうした経済政策の失策とは
別に、更に副因として決定打
となるものが寂れゆく広島県
内の地方各地には存在する。
それは「わしらの地元が日本
で一番じゃけえ」という根拠
無き妄想に大多数のジモチー
が骨の髄まで捉われている事
だ。
つまり、改善や改革や変革な
どの意欲はゼロ。
人の身体がそうであるように、
病んだ病気はこれでは治らな
い。

腐ったガソリンは推進力を持
ち前進せんとする車の燃料に
はならない。