1887年、ドク・ホリデイの死後。
町ではある若者が蔑まれて差別
されていた。売春婦の子だから
として。
町の酒場の糞尿の汲み取り掃除
や店の外の掃除等をしている。
町の有力者は見ただけで汚いと
殴り倒し、保安官も町の住人も
彼スコット(ジュリアアーノ・ジ
ェンマ)を差別的に扱っている。
唯一、彼の味方になってくれる
のは馬小屋の世話をしている老
人だけだ。
そんな時、タルビー(リー・バン・
クリーフ)と名乗る中年の流れ者
がやってきた。
町の住人の横暴な態度に動じず
凛としたタルビーの姿に憧憬を
抱くスコットは私淑する。
やがてスコットはタルビーから
銃の扱い方を教わって行く。
ガンマン心得1、2、3...と。
だが、段々とタルビーは本性を
表し出した。
町の有力者に自分が取って替わ
り、町を暴力で完全支配し始め
たのだった。
スコットはそれでもタルビーの
腹心となり、身なりも浮浪者の
ようなものから紳士然とした服
になって、タルビーと共に町を
支配し始めた。
馬小屋の老人は、タルビーの本
性をスコットに告げるが、スコ
ットは効く耳を持たない。
やがて、老人はタルビーに殺さ
れる。
その時、スコットは恩人の死に
よって、初めて真の悪とは何か
に目覚めるのだった。
老人の遺言通りに馬小屋の奥の
箱を開けると、そこにはドク・
ホリディが愛用していたコルト
が眠っていた。
その銃を手に、スコットは恩人
の仇を討つためにタルビーに挑
む。


ウルトラ大根役者のジュリアー
ノ・ジェンマ出演の西部劇にあ
っては佳作の作品。
マカロニウエスタンだが、シナ
リオとストーリーもしっかりし
ている。
ただ、実話としてのドク・ホリ
デイの愛用銃はコルトのパーカ
ッションのカートリッヂコンバ
ージョンモデルであり、SAAで
はなかった。

ドク・ホリデイの実銃。
超高額で米国オークションにて
落札された。
米国では歴史的な銃が数十億円
で落札される事はザラだ。


リボルバーのフロントサイトを
削り落としているのは、ガンス
リンガーの証拠。
同時にそれは、本当は根っから
のアウトローであり、暴力のみ
によって自分の立ち位置と命を
保って来た「無法者」である事
を表している。西部劇にはよく
出て来る銃のカスタムだが、こ
のような事例は現実の西部開拓
時代に多く存在した。