休憩室にいると誰かしらの会話が

耳に入ってくる。


広島出張·····

誰が行く·····


私は行かないほうがいいと思う····


そんな会話。

ああ、これは来るな、サイレント。


多分行くだろう。

そう思った。


そこからはあっと言う間だった。


彼が3ヶ月間いなくなる。


いつ発つのか聞けないまま

ある日、マンツーマンでスキル研修を受けた。


メインフロアとは別の部屋に

私と彼のふたりだけ。


そう思ったら、メインフロアに席がないと

こちら側にOPEさんが流れてきた。


その日は朝からお互いに穏やかで

相変わらず遠巻きに私を見つめたり

近くに来ては笑いながら話しかけたり

そんなやり取りが久しぶりに続いた。


お昼休憩は複雑なモヤモヤした気持ちを

スッキリさせたくて近くの河原へ行き

グランディングしていると

風が心地よく、木の葉も風で揺れて

カサカサ、カサカサと話しかけてくる。

鳥たちも自由に木の枝に止まり、

飛んではまた木を移動しているのを見ていたら

なんだか泣けてきた。


午後になると、

うるさく話しかける古参のOPEさんを

避けるように彼は、私の後ろの席に

移動してきた。


これによってまたふたりの空間が作られた。


夕方近くなり、私は衝動的に

「 個人的なお願いなんですけど、

                  ツインレイをググってみて  」と

ノートに書いて破って彼に渡した。


それを読んですぐにググった彼は、


これってなんだかすごく難しい。


そう言って少し読むと

業務でしばらく席を外した。


私の定時過ぎに戻ってくると

帰り支度をする私に、


どうしてぼくにこれを教えてくれたんですか?

と聞いてきた。


私は、ただ、共有したかったからと返して

その日は帰ったのでした。


出発前日は受電件数が多く

私は彼ではないSVに相談事をして

また彼に激しい嫉妬が現れて、

その後に彼に相談事をしに行くと

とてもぞんざいに扱われた結果

大きなミスをしてしまった。


それを知った彼は隣にきて

さっき僕に聞いてくれたのに····

と言葉をなくした。


私は泣きたくなったが

魂はこれでいいと言っているようで

すぐに持ち直した。

被害者意識は私には、存在しない。

もう手放していたから。


帰りに、気を取り直して

明日出発ですか?

寂しくなります。

そう伝えた。


彼は、どうやって私と話すべきか

顔を強張らせたまま

7月には戻りますと言った。

すぐですよ。


サイレントよ、こんにちは。