ミステリーでも読むか。(・∀・) -2ページ目

奇書のすゝめ(その1 ドグラ・マグラ)

夢野久作「ドグラ・マグラ」
中井英夫「虚無への供物」
小栗虫太郎「黒死館殺人事件」
これらの作品は日本ミステリー界において三大奇書と呼ばれている作品だ。
三大ミステリーではなく、あくまでも三大奇書であるという見方があるようだが、奇というのはミステリーの原点であるはずだし、単に奇を衒っただけの無味乾燥な作品ならば、世に残らずにすぐに消えてしまったはずだろう。だから三大ミステリーと呼んでも差し支えないと考えている。
ではこれらの作品のいったいどのようなところが奇書なのか言及してみようと思う。
 
「ドグラ・マグラ」

″脳髄はものを考えるところに非ず”
脳でものを考えているということは、現代では電気信号を用いる検査などからもう明らかなことだと言えるかもしれない。
このドグラ・マグラが書かれていたときには脳というのは今よりもよほど未知の領域だっただろう。
夢野久作はその分野で独自の観念を持ち、それを軸としてこの小説を創造した。
この点において、京極夏彦の「姑獲鳥の夏」と類似性がある。しかし今でも脳、意識の問題については謎がまだ山ほどあるのだから、単なる絵空事としてしか見れないものでもないかもしれない。
そして、この小説が奇書と呼ばれるゆえんはそれだけではない。
小説構造自体が非常に複雑であり、最後まで読んでもわかったようでわからないような不思議な余韻を残して終わるのだ。全体に満ちているグロテスクな雰囲気もよりこの作品を奇書たらしめている。
夢野久作の作品は、狂人、キチガイなどが出てくる作品が多い。(今では不謹慎極まりないが)夢野久作自身が狂人の資質を少なからず持っていたのだろう。それが垣間見える猟奇歌の中から何篇か羅列してみる。
 
あの娘を空屋で殺して置いたのを
誰も知るまい
藍色の空
  
病死した友の代りに返事した
先生は知らずに
出席簿を閉ぢた
 
腸詰に長い髪毛が交つてゐた
ジツト考へて
喰つてしまつた
 
注意点としては、結構古い作品なので普段近年の作品しか読まない人には、文章がやや読みにくいかもしれない。そうでなくても夢野久作の文章は、カタカナが多かったりしてかなり独特なものだ。
また、この作品は登場人物の一人である正木博士の論文、手記、事件の概要を記した資料が作品中に大きな割合で挿入されているので、資料を読んでいるような倦怠感にとらわれるかもしれない。
(ちなみに正木博士の存在感は全てのミステリーにおいても随一のものだと思う。)
特に悪名高きチャカポコで挫折する人が多いようだ。逆にそれが好きな人も大勢いるけど。
チャカポコとは物語中の挿話の一つ、キチガイ地獄外道祭文での木魚を叩く音。
ああア――ああ――アアア。右や左の御方様へ。旦那御新造、紳士や淑女、お年寄りがた、お若いお方。お立会い衆の皆様諸君。トントその後はご無沙汰ばっかり。なぞと言うたらビックリなさる。なさるはずだよ三全世界が、できぬ前からご無沙汰続きじゃ。きょうが始めてこの道傍に。まかり出でたるキチガイ坊主……スカラカ、チャカポコ。チャカポコ、チャカポコ……。

と、このような調子で、30数ページも続く。

また青黛山如月寺縁起(10ページ程度)は文章が古くかなり読みずらいし、その後きちんとどういうことが書かれていたのかの説明があるので、飛ばして良いと思う。

しかし終盤の怒涛の展開には思わずうならされ、精神に異常をきたすとまではいかないまでも、めまいを覚えてもおかしくはないと思う。


著者: 夢野 久作
タイトル: ドグラ・マグラ (上)

表紙があれですが、性的な描写はそれほど出てきません。

山田風太郎の忍法帖シリーズ買ってみた。

新たに興味が沸いてる本

キャロル・オコンネル「クリスマスに少女は還る」

以前書店で見かけたときに(・∀・)イイ!!タイトルだなと思った。

最近この作品の評価が高いことを知り、他のサイトでのレビューなんかを見てちょっと読んでみたいと思った。結末がすごいという話だけど、貫井徳朗の「慟哭」みたいなオチじゃなければ読んでみたいと思っている。(慟哭が駄作だというのではなく、同じものを再び読みたくないという意味で)

購入本

講談社の山田風太郎「甲賀忍法帖」を衝動買い。

忍法帖シリーズはかなりの数があるようだが、最初に見るならこれらしい。

山田風太郎は光文社から出てる傑作集「眼中の悪魔」と「妖異金瓶梅」を読んだけどどちらかと言えば後者に近いのかな?まったく違うか。

著者: 山田 風太郎
タイトル: 甲賀忍法帖―山田風太郎忍法帖〈1〉

読書中の本
泡坂妻夫「奇術探偵曽我佳城全集」
「乱れからくり」や「11枚のとらんぷ」を読んだときは特に文章について何も感じなかったけど霧舎の後に読むと、巧く感じるなあ。一般的な評価はわからないけど・・・
奇術とミステリーというのは案外近いものだと思わされる。
著者: 泡坂 妻夫
タイトル: 奇術探偵曽我佳城全集 秘の巻

読了本

霧舎巧「ドッペルゲンガー宮」読了

単純にミステリーとして読むなら及第点だと思うんだけど、如何せん文章が酷くて辟易させられる。

あの独特なキャラについてはまあ割り切ろうと思う。

ミステリーに文章力を求めないという人もいるみたいだけど、自分のミステリーを読む一つの理由が文章力アップなので(このブログも)やっぱり重要視したいところだ。それにこの作品で、推理に文章のおかしさを挙げるところがあるのだが、この作家ならそれくらいのミスはしそうなので説得力に欠ける。

後藤さんは言った。後藤さんはあっさり言った。後藤さんはきっぱり言った。後藤さんは~した。

この形式の文章が非常に多い。この小説はページ数が結構多いけど、もっと短くまとまるのではないかと思う。あとあの仕掛けは恐らく読者のほとんどが気づくのではないか・・・

島田荘司のように、大きな1トリックで魅せるタイプではなく推理のプロセスで勝負するタイプなのかな?(一部の人はキャラ萌えか・・・)

でも後藤さんってどうもすごさがあまり伝わってこないんだよなあ。

気が向いたら、「カレイドスコープ島」、「ラグナロク洞」も読むかもしれない。

(BOOK OFFでの購入候補かな)

読みたいものリスト

購入予定リスト

天藤真   「大誘拐」

泡坂妻夫 「しあわせの書」


現在読書中

霧舎巧  「ドッペルゲンガー宮」


現在全体の6,7割り読んだが、文章が作家にしては拙い印象。

20代ならまだしももういい年だから上達は見込めなさそう。(デビュー作だけで判断するのはどうかと思うが)

細かい推理は多少強引ながらもなかなか練られている感じがする。

やっぱり問題はキャラだろうなあ。

中でも、ユイ。漫画のキャラみたいに、電波な言動をとるからひいてしまう人が多そうだ。

ところで、館ものみたいだからクローズドサークルものを期待してたんだけど、そういうものではなかった。

ベタだけど好きなんだけどね。

さて、どんな結末になるやら。