妊娠初期における深部静脈血栓症の症例9(全期間を支えた医療機器) | つるのブログ

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ウィリアムズ症候群の長男や自閉症の次男の事、それと子ども達にに野菜を食べさせるために始めた家庭菜園について書いていきます。

妊娠初期における深部静脈血栓症の症例1(診断編)


妊娠初期における深部静脈血栓症の症例2(転院まで)


妊娠初期における深部静脈血栓症の症例3(転院して検査結果まで)


妊娠初期における深部静脈血栓症の症例4(退院1回目まで)


妊娠初期における深部静脈血栓症の症例5(閑話の時間)


妊娠初期における深部静脈血栓症の症例6(在宅治療)


妊娠初期における深部静脈血栓症の症例7(再入院)


妊娠初期における深部静脈血栓症の症例8(出産時)




 前回までで、出産に漕ぎ着けたわけですが、今回は血栓症発覚から現在に至るまで活躍してくれている、弾性ストッキングを紹介したいと思います。


 深部静脈血栓症は、その名の通りに深部静脈に血栓が出来る病気です。


 妊婦の血栓症は、治療はおろか、検査すら思うように出来ないので、血栓をそれ以上大きくしない予防が最大の治療とも言えます。


 血栓が出来た原因はいろいろありますが、うちの場合のプロテインS欠損症は血栓原因物質が集まるのを散らすという機能が大きく落ちる上に、血栓が出来て血流が阻害されると、血流が遅くなると固まろうとする血液の性質によって、より血栓は大きくなろうとします。


 足から心臓に戻る血管には大きく分けて2つの血管があり、より大きな方が深部静脈であり、もう一つの方は表在静脈っと言います。


 表在静脈だけでは、足に送られた血液をすべて心臓までに戻すのは難しく、嫁さんが血栓急性期に足を大きく腫らしたのは、深部静脈が閉塞したために、行き場を失った血液が表在静脈に殺到したために血管が限界まで膨れ上がったためでした。


 こうなると、ほとんど血の通わない深部静脈では血液が血栓を核に固まろうとし、表在静脈では処理しきれない血液で激痛が発生します。


 本来なら足首で深部静脈と表在静脈で分岐した以降は、血液はそれぞれの血管を流れるのですが、2つの血管は「交通枝」っと呼ばれる血管でつながっています。


 この交通枝には、表在静脈から深部静脈へと一方通行でしか血液は流れないようにするための弁があるのですが、深部静脈へ流れた血液が行き場を失い、異常な高血圧が起こしたために、交通枝の弁を血圧で破壊し、交通枝障害を起こし、より表在静脈へと血液が集まる状態になってしまいます。



 こうなると、より深部静脈の血流は滞り、表在静脈に血液が集まるっと言う悪循環が始まってしまいます。



 さて、話が長くなりましたが、弾性ストッキングは、その表在静脈から深部静脈へと血液を戻してやる機能を有しています。



 まぁ、要するに、足をストッキングで絞めつけるわけですが、イメージとしては、皮膚の上に人工的に皮膚をもう一枚作り、皮膚や静脈の伸びる性質を抑制する感じです。


 医療用は、特に圧力を要点良く強くしてあり、足首から血液の環流を助けてくれます。




 うちは、リムフィックス社のレックスフィットを使用していました。


 一応、医療機器らしい。


 結構高額なので、保険適用になるなるっと言われながらも、未だになっていませんが市販品と比べて、足首での還流に差が大きく出るらしいです。


 深部静脈へ血液を戻すことによって、使える薬剤の量も種類も限られる妊婦は、こうして患部へ送る事で効果を高める事が出来て、しかもノーリスクに近い事は非常に重要だと思います。


 


 有効期限は、長めですが、一応あるので、そんなに買いだめもできないですね。


 急性期から産後、そして現在に至るまで、着用を続けエイトに続いて、カイトとナツキを無事に産むことまでできたので、血栓症の予防の観点では、確かな一品だと思います。