鈍行電車に乗り込み
都会を抜け出す
降りると
どこか
夕暮れの匂いがする
時間をかけて
思いのままに歩く
かつて遊んだ広場は
白いコンクリートで
埋められている
スナックの看板の横に
かけられている
落としものの
子供用のニット帽
もうすっかり
夏風が吹いている
最後の信号を渡って
いつも駆け足になる
家に帰る理由が
あなただったから
毎日欠かさず
食べる納豆
付属の小さなカラシが
いつも
寂しそうに
こっちをみている
わたしが
家を出るとき
お見送りしてくれる
あなたみたいに
目を閉じて動かなくなっても
わたしのこと忘れないでね」
その言葉と共に
雲間から射し込んだ
太陽の光と
一緒に食べた
ママがつくってくれた
豆ごはんのおにぎり
目から溢れて
止まらなかった涙を
絶対に忘れないでいる
春にやってきて
春に去ったあなた
風の中
太陽の光
新緑のかおり
土の匂い
そしてわたしの腕の中
わたしたちを包み込む
全ての中に
あなたがいて
溢れて止まらない愛も
生きる意味も
ことばがない素晴らしさも
心の根にあるぬくもりが
これからもずっと
離れないでいることも
すべて
あなたが教えてくれた
世界で一番しあわせだった
わたしたちのために
全てがあると思えば
いいね
いつも
頼りない
わたしのそばにいてくれて
ありがとう
今日も明日も
ずっとあなたを
さがしてしまう
計り知れない
13年間と3ヶ月の愛を込めて
さくらへ
けいこより



