ねえ グレゴリオ
十月が終わる
半袖で歩く
いつもの線路沿い
星が瞬く
目を凝らし 生まれ育った町
歩みが止まることもなく
変わる赤信号
コンビニ前
「半袖、イェーイ」と
ヤンキーが
多分こっちをみて叫んでいる
はあ、なんていい町だ
寝る前に書いた
明日ヤルコト五つ
夕方ベッドの上
一つしか果たしていない
そんな十月
下書き保存
もう十一月
季節はすっかり冬
とも言えず
でもやはり半袖という文字は
どこか寒いなあ と思う
「ああ、もう後戻りできないなあ」
と飲み込む薬は
ネットショッピングの
最後の最後に押す
購入ボタンのよう
いわゆる「ポチる」の
指先が触れる
そのボタン
ことわざ擬人化カルタ
があるならば
た の読み句
「棚からぼたもち」の
ぼたもち はこの人なんだろうなあ
というおばさんが
買い物袋両手に家路を急いでいる
大根は高い
白菜も高い
キャベツもレタスも高い
でももやしには手を出さない
アボカドがいいな
ルーコラがいいな
サラダ菜にバナナも買おう
いつか庭には
トマトとナスを実らそう
ローズマリーとバジルも忘れずに
好きな野菜はピクルスに
うめぼしも欠かさず漬けよう
土釜で炊いたご飯に
お魚添えて
味噌汁は必ず出汁からつくろう
好きなものは
変わらずこだわっていたい
最大の、愛情を
最大の、言葉と共に
出会ったあなた 誰かの文字
本を閉じて
目を閉じて
いつかわかる日が
来るかしら
パタン
パタン
パターン


