ユー・ノウ | Falling Fast

Falling Fast

自分の言葉に溢れたい

おばあちゃんは
目を細めて満足そうに
「アイ・ノウ」
と言えば
同じように目を細める

片目をつむりながら
「まあ、言わば、エキスパートですよ」
と言えば
同じように片目をつむる

エビアン水をごくごくと飲み
なつかしそうに睦月は目を閉じれば
エビアン水を飲むときは
同じように
目を閉じる

彼女は顔を適度にしかめ
それから髪を整え
指で軽くマッサージして
顔の筋肉を緩め
鏡に向かって
愛想良く微笑みを浮かべれば
全て同じようにする

水一滴もこぼさずに廻る地球から
パチリ

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枕元に積み上げた本は
なんとも言えず シアワセだという

やはり
買い物袋片手に
アパートに向かう男女をみると
胸がザラザラする

つれあいを匂わせる
写真をみると
胸がサワサワする

多分あなたの趣味じゃないでしょう
と思うようなものを
身につけている人をみると
胸がズルズルする

ああ、きっと
電話の向こうは
知らない人の生活は
知らない よりも 触れない世界

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画面にタッチひとつで
合うピント よりも

太陽の下息を呑み
角度と距離を決め
きっと伝わると撮った
美しいバッタ
ピントの合っていない写真が
とんでもなく愛おしい


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凧をみつければ
シャボン玉よりも
屋根よりも
鯉のぼりよりも高く
雲よりもうんと高く飛んでいる

新しい年を迎えれば
羽子板で羽根つきもしたいし
コマを回して遊びたい

そしていつまでも
生まれてきた国を
無垢のままで過ごしたいと思い

今年、一年を思う
どれだけ生きても
明日はどこだかわからない

それが
とんでもなく
たのしい

と私は目を細める