宗教の問題は、大変奥が深い。



私が語るには知識がなさすぎる。


日本人は宗教の信仰に

あまり熱心ではないといわれている。


お正月は神社に初詣。

クリスマスはケーキとチキンで祝い、

結婚式は人気のチャペル。



祖父のお葬式は涙ながらにご焼香。

乗っている飛行機が大きく揺れると

「ナムアミダブツ・ナムアミダブツ」

と唱えたりしている。




結婚式をホテルで挙げようとすると、

ホテルの敷地内にたてられた

ャペルでキリスト教式に行うか、

ホテル内式場で神前式を行うか、

または式場か披露宴会場で人前式を行うかとなる。



特別な場合を除いて、

ホテルが契約している牧師、神主が取り仕切ることとなる。

仏前式を挙げたい場合は、祭主をお願いすることとなる。




近年、やはりキリスト教式が人気である。

ヴァージンロードを歩きたいとか、

着物はちょっと似合わないからというのが、理由である。



そこには、カトリックかプロテスタントかという問題はない。



格式高く厳粛に行いたいというご両親の希望で

神前式を選ぶ人達も少なくない。



白無垢で三三九度もよいものである。



全く形式にこだわりたくなければ、

料金も比較的お得な人前式。



日本国憲法でうたわれているとおり

宗教の信仰は個人の自由である。



夫婦であるからといって、

同じ宗教でなければならないというわけではない。



しかし、熱心な信者にとっては、

人生の区切りの結婚式の宗派は大問題であろう。

デリケートな問題だけにややこしい。




2月の立春前に結婚式を挙げるお二人は

落ち着いたカップルであった。



新郎は30代後半、

新婦は30代前半の大人のお二人。



まじめでおとなしそうな、よく似たお二人であった。


どこにでもいそうな普通のカップルが、

珍しいご結婚ご披露宴を行った。




新郎な神党のとある宗派の熱心な信者。


布教活動を職業としている。



新婦は市立病院の看護婦であったが、

この度の結婚を機に退職。


今後は新郎と共に布教を行うとのこと。



新郎ご家族皆さん同じ宗派であるが、

新婦は違っていたらしい。



彼を愛し、理解し、心を決めたことになる。


結婚式、ご披露宴とホテルで行う予定だが、

結婚式はホテルの会場を借りるだけ。


新郎のご信仰の宗派の形式で

行うこととなったた。


全て持ち込み。



祭壇から衣装、清めの水まで全てである。



色々とゆわれのあるものなので、

代わりの物ではだめなのだ。


本当に奥が深い。



しかし、私はご結婚ご披露宴の司会者、

結婚の儀と違い、祝宴であるから

ご信仰はさほど関係ないと思っていた。


ところが、その考えは甘かった。

<続く>