【幻想物語 第7章 第10話】 | 毎日きびきび

毎日きびきび

遂に大学生。
気を引き締めていきたいですね。

これまで出会えた全ての人に感謝を。
これから出会っていくであろう全ての人に感謝を。

激昂!!


普段怒らない人ほど、怒ったら怖いです・・・・・・ww


はい、わたくし式神一番のお気に入り、ガイア君と、友達一番のお気に入り、流星君のガチタッグバトルですw


異端児ガイア&震撃魔王流星VS死淵神タナトス!!!


異常VS異常

最強VS最凶



漆黒の戦士。


震撃の申し子。


殲滅の死皇帝。



そして目覚める、雷撃の騎士。




しかしながら、タナトスがチートすぎるwww


アスカ、バレット、イディン、マリアがただの空気キャラになった・・・・・・


このままいくと、アポロンは一体どれくらいのバケモノになるんでしょーか?


楽しみですねww



人間VS神官の、ラストバトル、開戦です・・・!!



幻想物語


第7章 第10



雷光の舞い、死神の微笑み。



ガチガチと震え、ゼェゼェと喘ぐアスカ達の前に立つ、ガイアと流星。


背負うものなど何もない、至高の死皇帝、タナトス。


決意と激昂を、覚悟と憤怒を、力に変える。


その手に握られるは、激昂の証。

その手の内にあるは、果てない怒り。


ガイアの手には、憎虐烈殺剣(アボランス・レチレイド)。

流星の手には、豪狼双闇刃(ドルガレッズ・アーズラ)。



タナトスの手には、堕骨宝剣(リリール・オブ・タナトス)。


どす黒い妖気を辺りに撒き散らし、『生』というものを根こそぎ刈り取る、鎌。


それを舌で舐めると、彼は口を開いた。


「どうした?こいよ。俺を殺すんだろ?」


目は轟々と闇に燃え、ガイア達を見つめる。


「・・・いくよ、流星君・・・」

流星にのみ聞こえる声で、そう言う。


「はい、ガイアさん・・・!!」

流星の、怒りで震える声を聞き届けた直後、流星を含めた2人は、同時に宙を蹴った。



それこそ、瞬間の出来事だろう。


まず一度、流星が、次に二度目、ガイアが、それぞれタナトスを斬りつける。


だが、タナトスとて間抜けではない。


瞬時にそれに反応し、堕骨宝剣(リリール・オブ・タナトス)を動かす。


火花が、それらの挙動に遅れて飛び散る。


二人の剣が、タナトスの鎌と擦れ、ギャリギャリと嫌な音を発しているが、ガイアも流星も、そんな些細なことは知ったことではない。


冷静な憎悪を燃やし、タナトスへ肉迫する。


「おぉ・・・。大分やるじゃねぇか。随分と変わるもんだなァ」

その眼は、明らかに二人を嘲笑っている。

自身の足元を見下すような眼で、二人を見ている。


「「そりゃどうも・・・!!」」


二人の声が再度重なり、二人の手が、更に固く握られる。



「「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぁぁぁああぁぁああ!!!!!!」」


渾身の力を以って、剣を思い切り振り抜いた。



その勢いにやられたのか、はたまた何らかの考えがあってか、タナトスは後方へと跳んだ。



その顔には、例の如く嫌な笑みが浮かんでいる。


「いいねぇ。ゾクゾクしやがる・・・」


「イカれてるね、君・・・」


普段ならば、ガイアのこのセリフは、皮肉として感じ取れただろう。

だが、今の状況下、それは通じない。


「イカれ野郎で結構さ。命と命の奪い合い、こんなに楽しいモンはねぇだろ?」

「楽しい?そいつは君だけさ。僕は・・・」

「ボクは・・・」



「「お前を殺す!!!!」」


タナトスが構えるより一瞬早く、2人は飛び出た。



2人の、そんな憎悪に反応するかのように、2人が握る剣が、黒く瞬く。


どす黒く、されど、光沢を放ちながら―――。



2人に一瞬遅れて、タナトスが飛び出す。



「何度も言わせんな!テメェらじゃ、俺にゃ勝てねぇ!!!」

狂喜し、歓喜の声を上げ、タナトスが悠然と迫る。

3人の距離が、再度、ゼロに―――。



接触の刹那、ガイアはふと、浮かんだ疑問に、自身で挑んでいた。


――なんだ?こいつの余裕は。2対1じゃ、分が悪いのは目に見えてる・・・。だったら・・・なぜ?


そこに考えが至った瞬間、ガイアは、自分達がいかに命知らずな行動をとっているか、理解した。



「流星君!!止まれ!!」

必死に声を張り上げたが、流星は、というよりガイア本人も、その速度を落とすことは叶わなかった。


既に、タナトスが鎌を振りかざし、こちらに向かって振り抜いているのだ。



「おせぇよ!!バカどもが!!」

タナトスの目は、ガイア達2人を嘲笑すると同時に、ある一点をじっと見ていた。


それは、ガイア達の急所や、隙などではない。


ガイア達がその手に握る、剣。


ガイアの太刀と、流星の双剣。

そこにあるのは、一筋の線。


刃の流れに逆らって伸びる、一本の筋。



それは、まぎれもなく・・・



「俺の能力忘れるなんざ、テメェらもバカだな!!」

あの一瞬でさえ、タナトスの能力は作用する。

作用し、刀身の一部が朽ちた。


それ故タナトスは、無謀にも2対1という状況で、笑えるのだ。



そしてタナトスは、目にも止まらぬ速さで迫りくる3枚の刃に、均等に、鎌をヒットさせた。



バギン!



硬質な音が響き、消える。


刃が欠片となって、宙を舞う。

といっても、彼らが戦う場は、宇宙空間。刃を縛る重力は、ない。



「クハハハハハ!!!!弱い弱い!!」


歓喜の声を上げるタナトスに、ガイアは瞬時に対応しようと、防御姿勢をとろうとした。


が、それは徒労に過ぎない。


ガイアと流星のガードごと、タナトスは一閃を振るった。


鈍い感触が腹に走り、直後、激痛に変わる。



「ぐぁ・・・!」

痛みに苦痛を歪め、腹に手をやる。


ぬめっとした生温い感触が、手から伝わる。


手は、赤黒い液体でべっとりと濡れている。


流星も、同様だった。



下腹部が大きく切り裂かれ、そこからドクドクと血が溢れている。



「くそっ・・・」


たった一撃。

その一撃が、致命傷にさえなる。



「流星君、ギブアップかい?」

口元を緩め、皮肉を口にする。



「ま・・・まさか・・・。そんなわけ・・・ないでしょう・・・・・・?」



ガクガクと震える足を叩き、ぼやける視界を修正し、2人は再度、立ち上がった。



「な・・・に・・・・・・?」


自身の目を疑う、タナトス。

無理もない。


確実に致命傷なはず。

というよりも、“タナトスの鎌で切り裂かれた”のだ。


本来ならば、即座に肉体が朽ち、塵になるはずだ。


にもかかわらず、彼らは、腹から血を流すだけ。



「何故だ?何故テメェらは朽ちない?」


その問いに、ガイアは微笑を浮かべた。


「教える義理も道理もないね」


同様に、流星も微笑を浮かべた。


「怖いの?自分の目の前で、自分が理解できないことが起きるのがさ」



その言葉で、タナトスは再度、笑みを浮かべた。



「フフ・・・ハハハハハハ!!!!!おもしれぇな、人間風情が!!!それで挑発したつもりか!?ウィッズでもねぇのに、んな安い挑発に乗るかよ!!」


「はいはい。よく喋るね、君」


額に浮かんだ脂汗を拭い、呼吸を整える。

とはいえど、腹からは尚も大量に血が溢れ出ている。


長くは持たないことを、2人は身を以って理解していた。


   ルディーリア・ヒルゲイズ

「「神速治癒」」



静かに魔法名を唱え、自身の傷の治癒を回復させていく。



傷口が淡い緑色に光り、傷が癒えていく。



「さぁ、いくよ、流星君!!」


「はい!!」



折れた剣を投げ捨て、再度手に魔力(ディーガ)を込める。



  ダークライズ・アブソリューガナイラ

「闇剣撃極暗牙!」



   ヘリング・ヴェリッツィオ

「獄炎ノ闇槍!」




ガイアの手に、どす黒くも美しい劍が、流星の手に、赤黒い炎を燃やす槍が、それぞれ現れた。




ガイアは両手でがっしりとそれを握り、覚悟を目に宿す。

流星はそれをヒュンヒュンと弄び、決意に目を燃やす。


「上等ォ!!!まだまだ楽しませてもらうぜ、人間!!」


タナトスの言葉を以って、3人は再度飛び出した。












そんな3人の様子を、歪む視界の中、見つめる少年の姿があった。


イディンだ。


頭の中に尚も流れ続けるスプラッタムービーへの整理は、既についていた。


そこに関しては、さすがというべきだろう。


状況に応じ、進化を続ける騎士。

雷電の魔法術士(ウィザード・オブ・エボリューション)、イディン・ウルスだ。



だがしかし、「今すぐ戦えるか?」と聞かれれば、彼は即座に首を横に振るだろう。

精神は落ち着いているが、体がそれについていかないのだ。





くそっ!!

何でこんなとこまで来て、見ているだけしかできないんだよ!!


もう・・・嫌なのに・・・!!

見ているだけは・・・傍観者は・・・嫌なのに・・・!!





苦痛、というよりは、自身の無力さに、唇を噛み締める。




ふざけんなっ!!

もう、ごめんだ!!

傍観者は、絶対に!!!!


パルド、聞こえてるんだろ!!?

力だ!力がいるんだ!!


ボクに、力をちょうだい・・・!!

たのむよ・・・・・・!!





無力さ故の苦しさは、悔しさから涙へと変わる。




いいの・・・?



3つの記号で紡がれた、短い言葉が、イディンの脳裏に響く。



同時にイディンの精神は、現実を離れ、バレットやアスカの時のように精神世界へと飛ばされた。





何もない、真っ白な空間。


そこに佇む、13歳の少年。



彼の前には、純白のユニコーン。




「パルド・・・聞こえてただろ・・・・・・?」


ここはどこだ?という質問よりも先ず、それが先に口から出た。




「えぇ、もちろん」


綺麗な言葉遣いで、パルドはゆっくりと言葉を紡いだ。



「なら、頼むよ・・・。ボクにも、力を!!!!」



「・・・」



パルドは、答えない。答えようとしない。



僅かな沈黙の後、パルドは口を開いた。



「・・・いいの・・・・・・?」

何故疑問形なのか、イディンには理解できなかったが、彼は即座に



「もちろん」



と返した。




ふぅ、と溜め息をついたパルドは、一瞬渋った顔を見せたが、すぐにいつも通りの笑みを浮かべた。



「なら、“正しく使いなさい”。いいわね?」


これまた、イディンにはよく意味が分からない言葉だが、迷っている暇はない。



「うん!!」


純粋で屈託のない、幼さが残る、笑み。


その笑みを見たパルドは、安堵の息を漏らした。



直後、パルドの角の先端が淡く輝き、小さな光球が飛び出した。


何かに導かれるかのように、それはイディンの手の中に吸い込まれていった。




「ありがとう・・・」



小さな声で、そう言った――――。





次の瞬間、イディンの意識は現実へと引き戻された。




彼の視界の先では、ガイアと流星が熾烈を極めている。


何度も剣を折られ、その度に折れた部分を修復し、何度も剣を振るう。



体は既に切り傷でボロボロになり、額からも血が流れている。





ガイアさん、流星さん・・・。

今、行くよ!!!






ドクン!!!

先程までの足の震えが、消えた。











「ハハハハハハ!!!!いいぜ人間!!!もっとこいよ!!俺をもっと、ゾクゾクさせろ!!」



相も変わらず狂気に溢れるタナトスが、堕骨宝剣(リリール・オブ・タナトス)を振るう。



眼前にまで迫ったそれを、ガイアは寸でのところで刃で防ぐ。





ガギン!!



再び、刀身が吹き飛んだ。



「くそっ!」



「ガイアさん・・・・・・。キツイですね・・・」


流星が、ここにきて初めて、弱音を零した。





「あぁ・・・。だけど、諦めるわけには―――」



いかないんだよ。そう言おうとして、ガイアの言葉は途切れた。



高らかな声で笑うタナトスが、それを遮ったからだ。



「無駄むだムダ!!!!『諦めない』!?どこの根性論だァ!?諦めろよ、人間!!諦めないことを、諦めな!!!」




ガイアも流星も、何も言い返せなかった。


魔神の力を持たない彼らが、ここまで戦えたこと自体、本来ならば賞賛に値する。


が、『戦えること』と『勝てること』は近いようで、全く違う。



正直言って、この状態の2人が勝つのは、絶望的だった。



傷だらけの2人に対し、ほとんど傷を負っていないタナトス。


身体的にも、精神的にも、そろそろ限界がきている。




「終わりだ、人間!!」



肩を上下させる2人に、タナトスは鎌を振り上げた。



どす黒い魔力(ディーガ)が、鎌の周りに溢れている。





それを、振り下ろす――――。




避ける体力や反射神経は、残っては、いない――――。






ドン!!!





突如、3人の体が一瞬揺れるほど、同時に、振り下ろされた鎌を止めるほど、強い魔力(ディーガ)が、3人を襲った。



ガイアと流星にとっては後方から、タナトスにとっては前方から発せられる魔力(ディーガ)は、どす黒い彼らの“それ”とは異なり、明るさと、希望と、光に満ちている。





「な・・・なんだ・・・?」

「今の、魔力(ディーガ)か・・・?」


一瞬、魔力(ディーガ)かどうかさえ、疑わされた。

それほど、巨大で、強大で、圧倒的な魔力(ディーガ)なのだ。




恐る恐る、振り返る。




「テメェは・・・!!!」

2人よりも早く、その正体に気付いたタナトスが、驚きの声を上げる。



直後、タナトスに一瞬遅れて、2人もその正体に気付く。



「イディン君・・・?」

「イディン・・・?」



2人の声は、ほぼ同時だった。




圧倒的な魔力(ディーガ)を体に纏い、冷静な表情でこちらに向かって歩いてくる、イディン。


にわかには、信じ難いことだった。




崩心ノ闇(リティアル・ダルグ)を浴びて、壊れるか激昂するか、2つに1つのはずだ。

なのにイディンは、恐ろしいほど冷静で、冷徹な表情をしている。




「やりすぎだよ、タナトス・・・」


小さな声だったが、それでも3人の耳には届いていた。




「何でテメェが!!」

声を荒げるタナトスに、イディンは優しくこう告げた。



「どうだっていいでしょ?」と。




大きく、ゆっくりと息を吸う。





「全てを貫きし圧殺の貴公子。全てを狂わせる万貫の雷。我、汝と共に全てを射抜く。一角獣の御魂ノ力よ、我と共に歩み、我と共に散れ。槍討つ音色が古城に満ち、天討つ音色が孤城に満ちる。天から降りる月の光は、白く、淡く、ざわめきを増す。主よ、我に、希望の光を!!!」





  ヴルピラ・オブ・パルド

「劉角宝剣!!」







第7章   第10話    完





キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!

カッコいいよイディーン!!



あっ、ガイアと流星もカッコいいよぉ!!!




・・・ゴホン!


自分で書いてて自分で褒めるって、ただのバカですね。


しかし、俺が書くよりはるかに彼らはカッコいい気が・・・。


というか、俺の文才が、彼らのカッコよさを書き表せていない・・・(ノ_・。)




とりま、頑張ります!!!





次回予告!!



遂に決着の時!!

人間VS神官、オワリのトキ――――。

最後に、ガイア達が見るものとは・・・。



次回!!

第7章第11話-雷帝、駆ける-




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