【幻想物語 第4章 第1話】 | 毎日きびきび

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遂に大学生。
気を引き締めていきたいですね。

これまで出会えた全ての人に感謝を。
これから出会っていくであろう全ての人に感謝を。

こんばんわ!



テンションが高いまま下がらないので連続更新です!!


遂にスタートする【第4章】!!


果たしてどんな運命がライナ達を待ち受けるのか!?


んじゃま、スタートアップアップ



幻想物語


第4章 第1話



1人と1体との出会い


5月30日正午、ライナとアスカは世界政府軍事機関の正面玄関にいた。
先日受け取った、半ば脅迫に近い「招待状」に書かれていた通りに2人だけで来たのだ。

ライナの両親は猛反対したが、ライナにはどうしても、確かめたいことがあったのだ。

事の発端は、約1週間前だった。


―5月21日 エルタリオ高等学校1年9組―

時間は帰りのホームルームがちょうど始まった頃だ。
いつもと同じ、少しざわつく教室、それを注意する担任、そんな担任を茶化す生徒達。

何ら、変わりないはずだったが、ライナには1つだけ、気になっていることがあった。


気になっている、というほどでもないのだが、ヒデトが3日前から学校に来ていないのだ。

最初は風邪だろう、と思い、軽く流していたのだが、3日、という数字はヒデトにしては休みすぎだと思った。

体の頑丈さだけが取り柄だったヒデトが、3日間学校を休むことなどあまり考えられなかった。

不思議に思ったライナは、ヒデトにメールを送った。

が、返信はない。


不意に、今まで柔らかい表情だったリンジャーの顔が、真面目になる。


「皆さん、聞いてください。ヒデト君が3日前から家に帰っていないそうです。それに、2年生のゴーダ、という生徒も、4日前から家に帰っていません。更に、入院中の西条さんですが、同じく4日前、病院から姿を消しました。何か心当たりのある人は、私に申し出てください。」


いわゆる、行方不明。

一瞬、家出なのでは、と考えた。

だが、2年生のゴーダという生徒にあり得ても、ヒデトの場合、それはあり得ない。

なにせヒデトは、既に両親が他界し、親戚もいない上に、弟や妹が合わせて4人もいるのだ。

いつも、「あいつらの世話は大変だよ」とは言っていたが、弟たちを見捨てて家出などするわけがない。

まして、ロキア家では、ヒデトのバイトが、唯一の収入源なのだ。


リンジャーの話を受け、もう一度、今度は電話をかけてみる。

だが、何度コールしても、留守番電話サービスに繋がるだけだ。


おまけに、蓮香まで行方不明ときた。

不意に、以前のヒデトの言葉が、ライナの頭の中に浮かぶ。

「なぁ、知ってるか?『連続失踪事件』のこと。世界中で何の接点もないような人たちが次々に失踪してるんだよ。」


思わず身震いした。

ヒデトや蓮香がそれに巻き込まれた、そう考えてしまったからだ。


「あっ、一つ伝え損ねていました。ヒデト君の失踪現場と思われる場所で、炎属性の魔力反応が検出されたそうです。そこで喧嘩じみたことがあった可能性があります。何か知っている人は、私に申し出てください。では、さようなら。くれぐれも寄り道せずに帰宅しなさい。」


リンジャーのこの言葉で、考えはますます悪い方向へ働く。


本当に世界政府が関与しているのか。

だとすれば許し難い行いだ。

しかし、相手が世界政府となれば、国民一人が何を言っても事実は隠蔽されるだけだ。
世界政府が本気になれば、殺人だって揉み消せる。

そういう規模の組織なのだ。


― そして、舞台は再び現在に戻る―

重く、巨大で冷たい自動ドアが開くと、ライナ達にとって初めての光景が広がっていた。
綺麗で、チリ一つ落ちていない床、ありとあらゆる場所を明るく照らす照明、異様に高い天井、常に動き続ける監視カメラ、そして、明るみなど感じられない、冷たい壁。


「ここが・・・・世界政府の軍事機関か・・・・」

思わず驚嘆の声が出る。

「でも不思議だね、受付にさえ、誰もいない。」
アスカの言葉は正しかった。

来客用のソファーや机、自動販売機等があるにも関わらず、人の気配がまるでしない。

しかも、受付嬢もいないときた。


ますます不信感が募る。


ピロリーン。

突然、甲高い音ともに、受付カウンターの上の電光掲示板が光った。


『ようこそ、世界政府本部軍事機関へ!ライナさん、アスカさん、御待ちしていました。案内ボットに従い、移動して下さい。』


オレンジ色の文字で、そう書かれていた。


ギギギギ。

ライナ達の後ろで、妙な機械音がした。

後ろを振り返ると、ライナの身長の半分くらいの大きさのロボットが立って、いや、浮いていた。

さすがは世界政府といったところだろう。

最新設備が全て揃っていそうだ。


「ライナさん、アスカさんデスネ?ついてきてくだサイ。」

機械で作られた声で喋ると、ライナ達の返信など聞かず、くるりと踵を返し、ウイイィィンとモーター音をさせながら進んで行った。


「あれか、案内ボットってのは?」

「みたいだね。」

半ば呆れたような、しかし感心しながら、先を行った案内ボットについていく。


数10mほど歩いたところで、案内ボットはライナ達の方を向いた。

「こちらの部屋になりマス。中で御待ちになってくだサイ。」
再び感情のこもっていない機械音で喋ると、踵を返し、廊下の角で姿を消した。


案内ボットがいなくなったのを確認すると、指摘されたドアに向き直る。


ライナが近づき、ドアノブを探そうとすると、ウィィィンと独りでにドアが開いた。

正面玄関が自動ドアだったのだから、当然だ。


部屋は受付と同じくチリ一つ落ちていない。

大きさは60坪ほどの広大な面積だ。

そして、異常に縦に長い。

部屋の突き当たり、つまりライナ達とは反対の方向では怪しげにコンピューターがカリカリと動いていた。

ソファーと机、観葉植物がいくつか置かれている。


その部屋の中には、既に2人、人がいた。


「ば、バレット!?」

部屋に入るなり、大声を上げる。

防音機能が整っているのか、部屋中にライナの大声が反響する。

「お前、ライナか!?」

右耳を人差指で塞ぎながら、ソファーに寝転んでいたバレットも大声を上げる。

ドラド警察に捕まっているはずのバレットが何故、と思ってしまう。

だが実際に、バレットは目の前に立っている。

「何でお前がここにいるんだよ!!?」
「俺が知るかってんだ。刑務所で真面目に服役してたらよ、看守の奴が『世界政府から通達があった。釈放する。さっさと世界政府本部へ行け』って言われたんだよ。」

ニヤッと笑い、えくぼをつくる。

「な、なぁ、あの子、誰だ?」
小声でバレットに言うと、顎でクイと反対側を示す。


その先には、明らかに小学生とおぼしき少年がいた。

まだあどけなさが残る少年だ。


「あぁ?俺が知るかよ。俺が来たらもういたんだから。」


「おーい!そこの君ぃ。君、一体誰だぁ?」

離れたところに座っていた少年に、ライナが呼びかける。
ライナの声に反応し、すくっと立ち上がると、ツカツカとライナ達の方へ近寄ってくる。


近くで見ると、小学校4、5年生に見える。

身長はだいたい140㎝くらいで、薄黄色の髪の毛に、黄色の瞳をした、小さな男の子だ。

顔は小さく、目はパッチリしている。

髪は男子にしては割と長めで、眉のあたりまで伸びている。

着ている服はどこかで見たような制服だ。


「はじめまして!僕、イディン・ウルスっていうんだ。ヨロシク!!」

ニッコリと笑顔を浮かべ、すっと握手を求める手を出す。

ライナはその手を握り返すと、疑問に思っていたことを思いきって尋ねてみる。

「あ、あのさ。イディン君・・・だっけ?君、なんでここにいるの?」
ライナの質問に、イディンと名乗った少年は不思議そうな顔つきになる。


「えっ?まさかお兄ちゃん、何も知らないでここに来たの?」

お兄ちゃんじゃなくてライナだ、と返すと、更に質問する。


「そういうイディンは何者なんだ?」

「僕?僕はこういうみぶんの者だけど?」

そう言うと、ズボンのポケットから、何やら手帳のようなものを取り出す。

パッとそれを開くと、ライナ達は自分達の目を疑った。


『世界政府本部軍事機関第5幹部』

そこには、そう書かれていた。

一瞬、何かの悪ふざけかと思うが、顔写真まで貼られ、更に詳細な身分証明まで書かれていた。


『イディン・ウルス 10歳 3190年4月3日ベルーガ出身 男

 3200年1月2日世界政府本部軍事機関第5幹部就任』


間違いなく、目の前にいるこの年端もいかないような少年が、幹部なのだ。

「イディン・・・・まさか、お前が・・・・」
「そ、僕が『史上最年少幹部』だよ。スゴイでしょー!」

さもあっさりと、イディンは真実を口にする。

その目は爛々と輝き、汚れ一つない。

この子が、『イカれている』子には到底見えない。


「あっ、これが何のあつまりなのか知りたいんだよね?」

「あ、あぁ。」

まだ上手く状況が理解できていないライナが、曖昧に頷く。


「今ここにいる4人はね、みーんな『きじん』なんだよ。」

イディンの言葉を受け、ハッとなった。

アスカ、バレット、そしてライナ。

3人に共通していることといえば、全員が体内に魔神を宿した、鬼人だということだけだ。

「ってことは、イディンも鬼人なのか?」

「うん!僕の中にいるのは、第1ましんパルドさ!」

目を爛々と輝かすイディンの背景が突如として歪む。



歪んだ箇所に現れたのは、額から立派な角を生やした、ユニコーン。

空想上の生き物で、地球上には存在しない生き物だ。

純白の身体にクリーム色の角。

その角も、立派で、ゆうに60cmを超えている。

これが、第2魔神ケルベロスの上をいく、第1魔神。


「はじめまして、皆さん。」


パルドはイディンとは違った丁寧な口調で話す。


パルドの姿が確認できたとき、ライナ達3人の背景も歪みだす。

人に近い姿をしたケルベロス。

イルカに近い姿をしたク―エリア。

龍の姿をしたグラン。

ユニコーンの姿のパルド。


4体の魔神が揃った画は、実に荘厳だった。

「久しぶりだなぁ、グランにパルド。ついでにク―エリア。」

「ホント、久しぶりね。元気だった?」

「相変わらずだな、ク―エリア。」

「久しぶりですね、皆さん。」


その光景は、見る者を唖然とさせた。

幻に近い姿だということは分かっているが、それでも凄まじい空気を身に纏っている。

これが、魔神。

魔獣などとは比べ物にならない、圧迫感。


これが、異常の塊。

これが、宇宙から飛来した、力。

これが、圧倒的な力。



第4章  第1話   完




ふひゅー、疲れたぁA=´、`=)ゞ

イディン君登場!!!

パルドさん登場!!!


ってか、グランって龍だったんだねwww

今まで書く暇なかったからな(汗


ケルベロスは150億歳

ク―エリア、グラン、パルドは100億歳


100億歳のほうは置いておくとして、150億って数字、どっかで聞いたことありませんか?

まぁ、本によっては120億とか130億とかって書いてますが、俺は150億でいきたいと思います


あっ、イディンの台詞で所々ひらがながありましたが、決してタイプミスとかではありません

あえて、幼さを表現するためにひらがなにしました



んじゃま、あでゅーо(ж>▽<)y ☆


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