【幻想物語 第2章 第10話】 | 毎日きびきび

毎日きびきび

遂に大学生。
気を引き締めていきたいですね。

これまで出会えた全ての人に感謝を。
これから出会っていくであろう全ての人に感謝を。

こんばんわ!!


なんか、俺に触発されたのか、俺の友達も、短いながら小説書いてますヾ(@°▽°@)ノ




かーーーずのルーム



↑のリンクで友達のブログにいけます


まだ2話分(かなり短め)ですが、なんか引き込まれるものがあり、続きが気になりまするww



っと、話が逸れましたねww


ライナ君達の方も頑張って書かねば・・・・・



今回で【第2章】は終わりです!!


次からは【第3章】のスタートです!!!!


【第2章】の最後は、ライナ&アスカ達の卒業式で締めくくりたいと思います




では、スタートアップアップアップアップ



幻想物語


第2章 第10話


祝砲


いつの時代だって、この時は待ち遠しく、それでいて寂しいときである。


人生で最大5回ほど経験する、最も嬉しく、同時に最も嫌な日である。


卒業。

幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、回数を重ねるごとに、「あぁ、またか」と思うことが増えてくる。


友や恩師との別れ、そして、新たな友との出会い。

それを後押しするのが、卒業式だ。




胸に花飾りをつけたブレザーが体育館一面に規則正しく並んでいる。

周りを見ると、3年間で親友となった者、全く関わりがなかった者、様々な顔がある。


寒さが去り、春の暖かさが到来し、新たな旅立ちを祝福してくれる。

桜は満開となり、うぐいすの鳴き声が聞こえてくる。


名前が呼ばれ、次々とステージに上り、卒業証書を受け取っている。

ライナはもう既に証書を受け取り、自分の席に戻っていた。



“思えば3年間、いろんなことあったな・・・・・・。

中1のとき、始めて体験した入試。無事合格したら、個性豊かな先生やこれまた個性豊かな友達が待っていた。授業は・・・・・まぁ、かったるかったけど、楽しかった。

中3で、『ケルベロス』のことを知った・・・・・・。知った時はさすがにショックだったけど、もう逃げない。

コイツとは一生付き合っていく。そう、アスカと誓ったんだ。”



春の訪れとともに、ライナの心情も変わっていった。


真実から逃げたいと思った自分はとうにどこかに行ってしまった。

もう、決して現実から目を背けない。

全てを受け入れる。



「卒業生代表、ライナ・ウェルド!!」

涙で震える担任の声で、ライナはステージへ上がった。




ステージから見渡すと、本当にいろんな人がいる。

その兄弟、保護者、後輩、いろんな人が自分達を祝福してくれる。


口をゆっくり開き、代表者としての話を始めた。

台本などない。今朝、担任から頼まれたのだ。

アドリブほど、ライナが嫌いなものはない。


「俺達は今日、サンアントニア学園を卒業する。3年間、いろんなことがあった。それこそ、目を背けたくなるようなことも沢山あった。だけど、そんなことを乗り越えたからこそ、今の自分がいる。これから先、皆の行く先は多分バラバラだろう。何割かは、サンアントニア学園高等部に進学すると思う。けど、俺みたいに、全く違う場所(トコ)に行くやつもいる。もしかしたら、もう2度と会わない、なんてこともあるかもしれない。ここで過ごした思い出も、忘れられちまうかも知れない。けど!俺たちがここいたことは、皆の心にしっかりと刻まれてる!!どんなに違う道を歩んだって、どんなに変わったって、俺たちが仲間だったことに変わりはないんだ!

母さん、父さん!今まで、義務教育としての9年間、本当にありがとう!!

先生!社会に出ても恥ずかしくない人間に育ててくれてありがとう!!

高校生になり、大学生になり、社会人になる。歩む速度や、道は違うけど、俺は今日という日を決して忘れない!!


今まで我慢してきたものが、つぅっと頬を伝って流れ落ちる。

見れば、全員、涙を流している。


「みんな!!今まで、ありがとう!!」


ライナが震える声で礼を言うと、一斉に、「ありがとう!!!!」という声が体育館に響いた。


涙を拭い、最後の仕上げにかかる。

「いくぞ、皆!!祝砲だ!!


ライナの合図で、全員が一斉に体育館の天井に向かって、手を掲げた。


  ファイアー・クラック

「雷炎破!!!」


数百もの、様々に彩られた火球が全員の手から放たれ、一点に集まる。


一瞬の静寂の後、体育館内で巨大な花火が弾けた。


巨大な花火の傍で、小さな花火もポンポンと打ち上げられている。

ライナは予め連絡網を使って全卒業生に連絡しておいたのだ。

“卒業式で雷炎破(ファイアー・クラック)を打ち上げて、皆を驚かせよう”と。

一斉に歓喜の声が上がり、涙で沈んでいた心も、一瞬で晴れた。




‐1時間後、正門前‐



「っぐ、っぐ・・・・・」

レナは大粒の涙を流し、喘ぎ声をあげている。


「ったく、いつまで泣いてんだよ。」


「だって・・・・・だって・・・・・・」

制服の袖で拭うも、後から後から溢れ出る。


「なんか、あっという間だったね。」

桜の木を見上げるアスカは、どこかスッキリした表情をしていた。


「あぁ・・・・・・」

短くそう返す。



「おーい!ライナー!!」

声のするほうを見ると、クラスメイト達が一斉に駆けてくる。


「ったくよぉ、俺らも混ぜろっての。」


「そぉだよ、ライナ♪」

「そーそー、一人でアスカちゃん独占すんなっつーの☆」

「最後くらい、一緒に写真とろーよ!」


皆にもみくちゃにされ、折角整えた制服がグチャグチャにされる。


暫くしてようやく解放され、2、3人の友達と、これからのことを話し始めた。


「確か、ライナとアスカはエルタリオ高校に特別推薦だろ?ったく、ずりぃよな~。」


「まぁまぁ、キース。僕らとライナじゃ、レベルが違うだろ?」

「ん・・・・・まぁな・・・・・。」


「キースはどの高校に行くの?」

「あっ、俺?俺は進学しねーよ。親父がさ、ドラドっつー国で職人やっててさ、そこに弟子入り。」

これからのことが大変だよ、というと、苦笑いしてみせた。


「だからさ、ドラドに来ることがあったらさ、俺ん家に顔出せよな。」


あぁ、と短く返し、もう1人に視線を移した。

「デルは?」


「僕?僕はね、専門学校、世界政府の軍事機関のね。」



しごかれそう、と言うと、キースと同じく苦笑いしてみせた。


「皆、違う道に進むんだな。」というキースに対し、

「あぁ、でも言っただろ?『俺らがここにいたことは、皆の心にしっかり刻まれた』って。皆、絶対に忘れねーんだよ。」そう言い、にっと笑う。



そうそう、とデルとアスカの声がハモり、どっと笑いがおこる。



デルとキースに別れを告げ、アスカと二人で帰路についている途中は、ほとんど無言だった。

お互い、心が一杯で、言葉はいらなかったのだろう。


家に着くと、アスカがくるりと振り返り、笑顔で口を開いた。


「ライナ君、卒業おめでとう!」

「あぁ、おめでとう!」



桜が舞い、風が踊り、鳥が乱舞する春。

その春に、ライナ達の新たな世界の幕が、開くのだ。

新たな出会い、それを期待し、今はただ、時の流れに身を任せることにした。



第2章  完




卒業!!

俺らより早く卒業しましたよ、ライナ達!!



卒業式での花火は、全員の心が一つになった!的な感じで、書いてて清々しかったですヾ(@°▽°@)ノ


次回からは、高校生になったライナの、新たな出会い!!


アスカとの進展はあるのかな?


そして、遂に『3人目』と出会う!!




では、あでゅーо(ж>▽<)y ☆



ペタしてね