【幻想物語 第2章 第6話】 | 毎日きびきび

毎日きびきび

遂に大学生。
気を引き締めていきたいですね。

これまで出会えた全ての人に感謝を。
これから出会っていくであろう全ての人に感謝を。

こんばんわ!!



本日祖父母宅から帰還しました!!



帰還早々、ファンタシースターポータブル2を起動♪

名刺交換会へと出席♪


後でぐるっぽを見ると、影枝さんが「先輩」と書いてくれていて、テンションがぐふふな状態になりました




では本題!!

久しぶりの小説更新!!

長さ的には短いかもしれませんが、3話連続更新です!!


※連続更新した後、疲労で死にますww

※死んでも、最近ハマっている、ひぐらしのなく頃に、を読めば復活しますww



あっ、今回からサブタイ、つけようかと思います!!

ん?なんで?



き・ぶ・ん!!!

気にしないで下さい

只の自己満足ですからww







幻想物語


第2章 第6話


更なる絶望と微かな希望



絶望。
それは何よりも重く彼女の全身にのしかかった。
裏切り。
それは何よりも強く彼女の心を打ち砕いた。
どんなときでもいつも側に居てくれた、大切な存在。
どんなときでもいつも心の支えになっていた存在。
彼女が今まで、辛い虐めにも耐えることができたのは、何よりも母が居てくれたからだ。
その母が、娘に対してぶつけた本音、それは絶対に聞きたくなかった言葉だ。
「アンタさえ生まれてこなければ」
その言葉が彼女の心を深くえぐり、大きな穴を開ける。
その穴は、ライナ一人では到底埋めることはできない。
いや、もう誰も埋めることなどできないのかもしれない。





「アス‥‥カ・・・・?」恐る恐るアスカに話しかける。
だがアスカの眼からは生気が消え、死人の眼同然になっていた。
そこに割り込むように、ハンヘル・ウィスラーはその饒舌(じょうぜつ)で話し始めた。


「そろそろ宜しいですか?私どもいたしましても、そろそろ連行したいのですが」

「・・・・けるな」

「はい?何かおっしゃいましたか?」

「ふざけるな!俺らが何をした!準破壊活動!?知るか!俺らはずっと家にいたんだぞ!!

それを犯罪者呼ばわりか!?随分ふざけたことをするんだな、世界政府直属軍ってのはよ!

周りから化け物呼ばわりされて、心に消えない傷を負った俺らを、何故そっとしておいてくれない!?

犯罪者呼ばわりされた上に、アスカは心に一生消えない傷を負ったんだよ!!

第一、母親なら、生まれてきた以上その子の面倒くらい見ろよ!!」


ライナは感じていたことを、洗いざらい全てぶちまけた。

だが、住民達には通じた言葉も、ハンヘルの心には、微塵も届いてなどいなかった。


「言いたいことはそれだけ、ですか?ではそろそろ・・・・連行しろ!!」
ハンヘルの合図とともに、周りにいた隊員達が一斉取り囲み、ライナ達の逃げ場を封じた。


「安心して下さい。貴方達に危害を加えるつもりはありませんから。」
そう言って、ハンヘルはにっこりと不気味な笑みを浮かべた。
アスカもライナも抵抗する暇もなく、即座に後ろ手に手錠をかけられた。


その手錠はずっしりと重く、とても中三の子供には外せそうにない

やって来た護送車に乗り込むまで、アスカは「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ」と壊れた機械人形のように何度も呟いていた。

護送車に乗り込み、ドアが閉まり、車が猛スピードで発進した瞬間、今まで笑みを浮かべていたハンヘルの形相が豹変した。

「チッ、手間どらせやがって!」そう怒鳴ると、ライナの横腹を力いっぱい蹴りつけた。
ライナは紙のように吹っ飛ばされ、壁にしたたかに背中を打ち付けた。


「てめぇ・・・・何・・・・・しやがる・・・」ぐったりとしたまま、唸るような声を上げてハンヘルを睨みつけた。

「なんだぁ、その眼は!!?化け物のくせに口答えすんじゃねえよ!!」
そう怒鳴ると、揺れる車内の中、ツカツカとライナに歩み寄ると、髪をつかみ、顔をぐいと引き寄せた。

数十㌢に迫った顔は悪魔のような形相をしていた。


「お前らはな、モルモットなんだよ!!お前らに人として生きる権利なんてないんだよ!!

あの母親の言うとおり、お前らなんて生まれてこなければよかったのになぁ!!」
そう言うと、掴んでいた手を離し、ライナを床に叩きつけた

その時、今まで黙っていたアスカが、急に大声を上げた。

「嘘だっ!!!お母さんがアタシを捨てるわけがない!!嘘を言うな!!」

その台詞を聞いたハンヘルは、高らかに笑い出した。

「それこそとんだ勘違いだな!お前の母親はお前を売ったんだよ!」

そう嘲笑すると、更に続けた。
「お前ら、ホントに準破壊活動で通報されたと思ってるのか?

今世界政府の科学班はこぞって魔神の研究を始めてる。


だがな、大勢の研究者に対し、被験体が一つでは足りないんだよ。

そこで、科学班のお偉いさんは私を差し向けた。そして、この地にやってきて、お前のの母親に提案したんだよ、『欲しいものを好きなだけやるから娘をしばらく貸してほしい』とな。そうしたらあの母親、食いついたんだよ!!お前と引き換えに5億もの大金を得やがった!お前は、見捨てられたんだよ!」

そう怒鳴ると、更に高らかに笑った。

その笑い声は高く、車内中に響く声だった。


次にハンヘルが口を開こうとすると、それをアスカが遮った。

「黙れ、黙れ、黙れぇ!!

アンタの言っていることは全部嘘だ!!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!!!!!!!」


次の瞬間、アスカの口から悍ましい台詞が飛び出た。

「クーエリア!!今だけ力を貸して!アナタの力を私に!!」

数秒後、アスカの体から藍色の魔力(ディーガ)が吹き出した。


   ガーメント・クラッチバウント
「濁流剛塵破!!」




魔法名を唱え終わると同時に、アスカとライナの手錠は、魔力の重圧に負けて弾け跳んだ。

凄まじい水量の濁流が発生し、渦巻いた。

それは、アスカが手を振り下ろすと同時に弾け、護送車とハンヘル達を飲み込み、吹き飛ばした。

二人がいた護送車はもはや見る影もなく、そこにいたハンヘル達も、かろうじて息をしているだけだった。

彼らは何度も、「化け物・・・・」と繰り返していた。

彼らには、アスカがどう映ったのだろうか。

鬼なのか。悪魔なのか。はたまた、全く違うなにかなのか。

だがそれも、ライナには到底関係のないことだ。

水浸しになった辺りを見渡し、痛む体を起こすと、遠くを見つめたまま立ち尽くしているアスカがいた。

「なぁ・・・・アスカ。これから行く場所、あるか?その・・・・・もしよかったら、うちにこないか?

俺、覚悟決めたよ。父さんと真剣に向き合って話をする。だから、お前もこの地を離れてみないか?」

それに対して、アスカの返答はなかった。


「なぁ、アス――」
と言いかけたところで、アスカが、その閉ざした口をゆっくり開いた。


「・・・・ライナ君・・いいの?アタシなんかが・・・・」

するとライナはニッコリと笑って、もちろん、と答えた。

「今日で生まれ変わったと思えよ。過去は・・・その・・・・・忘れられるわけないけどさ、お前の心の傷や、心の痛み、俺にもわけてくれよ。そうすりゃ、辛い気持ちも半分になるだろ?」



アスカは、そうだね、と穏やかに笑って言った。


「それじゃ、暗くならないうちに行こうぜ!」

くるりと踵を返し、


そのとき、二人に降り注ぐ太陽の光が、水たまりに反射し、眩しく二人を照らし出した。


第2章 第6話  完



うわー短いーーww

でもアスカが復活して(?)よかったぁ♪


あと2回!!がんばります!!


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