【幻想物語 第2章 第1話】 | 毎日きびきび

毎日きびきび

遂に大学生。
気を引き締めていきたいですね。

これまで出会えた全ての人に感謝を。
これから出会っていくであろう全ての人に感謝を。

とぅーす!!


小説更新です!!


ついに第2章に突入しました!!



ハラハラドキドキの第2章、(今回は戦闘シーンはありませんが)スタートアップアップ


幻想物語


第2章 第1話





父親の思いもよらない『告白』から4日後、ライナは今だに腑に落ちない点をいくつか抱えながら部屋のベッドでゴロゴロしていた。


「父さんのやつ・・・・・なんであーゆーときだけよく喋るんだよ・・・・・・わかんねーー

 おまけに、もう4日も研究室から出てこねーし・・・・」


ブツブツと独り言を言いながら、右手を宙に掲げてみた。


「俺の中に・・・・人類を滅亡させようとした奴が入ってる?知るかよ・・・・・んなこと・・・・んな話、簡単に信用できるわけねーだろーが・・・・」



父親への不信感は解消されないまま、ただただ募る一方だった。

学校を休んでから今日で4日目、何もする気がしなかった。

ただただ体が重く、言うことを聞かない。


時間は3時47分。

そろそろ学校が終わる頃か、ってか、学校どうなったんだ?などと考えていた。



すると、「ピンポーン」と家のチャイムの音が家中に響いた。


母さんが出るだろ、そう考え、特に何をするわけでもないのに、財布を掴み、出かけようとしていた。


「ライナーー!ちょっと出てー!!母さん、今手が離せないのー」階段の下で母さんがライナを呼んだ。


しょうがない、そう思って階段を降り、玄関を開けた。


「はい、どちら――」目の前に立っていた人物にライナは驚いた。


目の前に立っていたのは、レナだった。


「よっ!元気してた?」レナは能天気に左手を挙げ、挨拶をしてきた。


無言のままドアを閉じようとしたライナに対して、レナが瞬時にドアの隙間に足を挟めてきた。


「ラ~イ~ナ~。4日も連続で学校休むってどぉゆうことぉ?」


「っせーな。お前にゃカンケーねーだろ。」


「はいはい、その台詞、もう何十回も聞いたから。」

レナが呆れた顔をしてきた。


するとライナの後ろからエプロン姿で濡れた手をタオルで拭きながら、母さんがやってきた。


「あら、レナちゃんじゃない。久し振りねぇ。よかったら上がっていって。」


「ちょっ、母さん!?何言ってんの!?」


「じゃあお言葉に甘えて。」


ライナの言葉を無視し、レナはもう靴を脱ぎ始めている。


女って、何でみんなこうも図々しいんだろ、恐ろしすぎて言葉には出せないが、ライナは過去に何度もこう思ったことがあった。





―― ライナの部屋 ――


「お茶飲んだらさっさと帰れよな」


「何言ってんのよ。せっかく溜まりに溜まったプリント届けにきてあげたのに」


そう言いながらレナが取り出した薄緑色の封筒は異常なほど分厚くなっていた。



「サンキュ。何か変わったことあった?」

ライナの問いかけに対し、レナは別に、と答えた。


すると突然何か思い出したような表情を見せたレナが携帯電話を取り出し、カチカチといじり始めた。


何やってんだよ、と言いながらレナがいじっている携帯の画面を覗き込んだ。


『巨大教団イルダ、遂に壊滅』という文字が液晶画面に大々的に報じられていた。


「壊・・・・・・滅・・・・・?あのイルダが・・・・・?」ライナは驚きの表情を隠せない。


「そう。あの一件があって、遂に世界政府が動いたのよ。」


世界政府――現在、世界200カ国中124カ国を実質統治し、完璧な医療、完璧な教育、完璧な治安、その3つ、『3璧』を主体とする活動を主とし、直属の軍も保有。軍の構成員は世界中で800万を超え、文字通り、『世界を束ねる』企業である。世界政府に所属する人員は現在2億を超え、完璧に区画分けされた社内で、科学、医療、食品、生活、それらに関する研究、開発を24時間体制でこなしている。



「動いたのは第何支部?」

世界政府直属の軍には第1支部から第3000支部まであり、数字が小さいほどその大きさ(スケール)は大きい。世界政府直属の軍の本部は『ファントム』にあり、構成員は2万を超える。


「ん?今回動いたのは本部だよ。その幹部の1人が動いたんだって。」


「7人いる幹部の1人がか?偉く張り切ってんだな・・・・・・」


レナは頷き、再び口を開いた。


「うん。何でも、100年に1人の鬼才が入隊したんだって。でもその人、実戦経験があまりないから、その経験を積ませるために上が動いたらしいよ。」


「あっ、その話は聞いたことあるぜ。何か、メッチャ若いヤツらしくてさ、けどその反面、性格がおぞましくネジ曲がってんだと。」


「ねじ曲がってる?」その問いかけに対し、あぁ、と頷き、会話を続けた。


「聞いたらビックリするぜ。フツーさ、規則に違反した奴とかの処罰はきちんとした監視のもとで行われるんだけどさ、そいつ、部下になんて言ったと思う?」


ううん、わかんない、と首を振るレナに、ライナが恐ろしいことを言った。


「聞いたらマジで狂ってると思うけどな。『殺っちゃえ、そんなバカ!!』だぜ?イカレてんだろ!?」


「や、殺っちゃえ・・・・・・・そりゃまずいわね・・・・・」


「あぁ、狂ってる。」


そこでレナは急に真面目な表情に戻り、俯きながら話し始めた。

「あっ、そーいえば、さ・・・・・この前チクったりして・・・・・ゴメンね・・・・お父さんと大喧嘩したんでしょ?アタシのせいだよね・・・・・ゴメン・・・・」


真面目な話のはずなのに、ライナは呆けた顔で聞いていた。


「気にしてねーよ、別に。こないだ、父さんが妙に馴れ馴れしかったのは気に喰わないけど、レナが密告したのを今さら咎める気なんかねーよ。っつーかお前、んなこと気にしてたのか?」


「あ、当り前でしょ!?」レナが語尾を強めてライナに詰め寄った。


「わーったよ!ってか、顔が近い!!」

レナから目を逸らしながら照れくさそうに言った。



「そ、そーいえばさ、お父さんは?家の中にいなかったみたいだけど・・・・・・



あぁ、研究室にいんだよ、もうかれこれ4日くらい、ライナは至極当たり前のように返した。


「あっ、でも・・・・今回は少し気になるな・・・・・・」


「気になる?」


「いつもなら母さんに一言言ってから研究室に行くのに、今回は何も言わなかったんだよなぁ・・・・・」


「大丈夫だって!!心配しすぎ(笑)!!」


レナが視線を外に向けると、すでに日が沈みかけ、空を赤く染め上げていた。


「あっ、もうこんな時間!ゴッメン!アタシ今日見たいテレビあるの!今日はもう帰るねっ」

”今日はもう”と言った当たりから、すでに部屋を飛び出していた。



「じゃーな!」

外を走る(といっても家は隣同士なのだが)レナに向かって開けた窓から手を振った。


レナも笑顔で手を振り返し、家路を急いでいた。



第2章 第1話  完




どーでしたか!?

戦闘シーンが一切ないと、フツーの小説っすねwww




ではо(ж>▽<)y ☆


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