義父が亡くなったあと、義母は広い家で一人暮らしをしていた。
もう10年くらい前になるのかな。
心房細動があり慢性心不全状態。
利尿剤も内服しているけれど、うまくコントロールができず、
入院を繰り返すようになった。
胸水が貯留し胸に管を刺した時に意識レベルが低下し、私の勤務していた脳外科に搬送されたと連絡があった。
学会に参加予定で上京したばかりだった私は、知らせを受けてすぐに帰った。
結局は脳外科的なものではなく、処置時の一時的なショック状態だった。
じきに意識を取り戻した義母は、すぐに元気になり 私の職場でもあった病院をいろいろ見学した。
元ナースの義母だから、あちこち興味津々、喜んでくれた。
その後も胸水貯留は繰り返し、何度か入院し低圧で持続的に胸水を抜く処置もした。
もうあんまり先は長くないかもしれない。
義母本人もそう思っただろう。
一人暮らしは無理・・・
うちに引き取るのは義母にとって良いとは思えない・・・
子どもたちの学校が遠くなるので義母宅へ同居も無理・・・
何度目かの入院のあとは、再び家に帰ることはなく、サービス付き高齢者向け住宅に入居した。
義母の希望もそうだった。