脳内の構造の中で自己組織化といえば、教師なし学習の構造を指すことが多い。則ちもともとの教え込むプロセスがなくとも、自律的に分別できるようになる構造である。

コホネンの自己組織化マップという教師なし学習モデルは、視覚などの認識モデルの基本構造になっている。赤ん坊が教えることもなく五感を働かせるようになるのは、そのような先天的な自己組織化の仕組みがあるためだと言うことである。ただそれだけでは、高度な思考回路は実現できず、原始的な認識しか出来ないことも解っている。


人間はその上で、教師あり学習を後天的に行うことで、環境から学習し、神経回路を強化する。それはその人の置かれる環境によっても異なるし、経験によって強化される部分が大きい。


でもどうだろうか?そうやって後天的に神経回路を強化するのも自分だけの力で行っているのではないか?もちろん、環境からの影響を受けながら知識や知見を取り入れて、他の力を借りている。ただその上で、自己組織化が動的に起こっているに過ぎない。これが広義の自己組織化である。


広義の自己組織化は、その環境と構成しているビルディングブロック(部分的な秩序)から影響を受けながら、その中間でバランスを取りながら、自己組織化を実現している。というか、その2つの狭間にいるから自己組織化するのであろう。そのプロセスは当に生きている人間の現在、刹那に起きているものであり、常に変化する動的平衡の環境にて起きるのだろう。