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自我はそれ自身において「不正」である。というのも、自我はすべてのものの「中心」に成るからである。

パスカルは神のみを愛すること、自己愛が最も憎むべき欲であるとした。そういう意味では自我に従うことは、自らの欲に従うことで、慈愛の精神とトレードオフの関係にあり、それを否定し、自我こそ不正であるとした。


しかしながらこの否定された自我がなければ、慈愛の精神を実践することも自己愛の呪縛から抜け出ることができないのも事実である。


自我即無我の考えに則って慈愛の秩序の中で生きる。それには智慧が必要で、自我即無我の実践(仏教では瞑想)より、得ることができるのだろう。