【觀邪見品第二十七】

「誤った見解の考察」と名付けられる第27章

 

27-23 若先五陰壞 不因是五陰 更生後五陰 世間則有邊

もし先に、五蘊(個体の構成要素)が破壊し、それに因った五蘊があり、破壊が原因で新しく作られないのであれば、すなわちこの世は有限であるということになるであろう

27-24 若先陰不壞 亦不因是陰 而生後五陰 世間則無邊

もし五蘊(個体の構成要素)が破壊されずに残り、それに因った五蘊があるが、既にあることで新しく作られないのであれば、すなわちこの世は無限(永遠)があるということであろう。

 

科学的に見れば、DNAのように新しく作られず、代を超えて受け継がれるために、新しく生まれないものもあれば、DNAとは関係ない、個体の性質があれば、それは一代限りで受け継がれない。特に、生まれてから獲得する自我や脳における作用は遺伝しないとすれば、一代限りであろう。遺伝情報は受け継がれて無限かといっても、突然変異によって変化し、それが進化へと繋がっていくとすれば、永遠ではない。かといって、永遠なものがないか?といえば何かはあるし、一つの種の話ではなく、生物界、地球界全体を見れば、結果論として観察できるだけかもしれないが、なにか変わらない(ほぼ不変な)要素があってもおかしくない。少なくとも数千年という宇宙の歴史としては短い時間を考えれば、変化しないものはたくさんある。それを人間の時間感覚で「永遠」と近似すれば、永遠はないことでもない。しかしながら、変わってゆくものの方が多く、根本は不常であると理解することは大事であろう。