【觀十二因緣品第二十六】 

十二支の考察と名付けられる第26章

 

26-7 如是等諸事 皆從生而有 但以是因緣 而集大苦陰

このような悩みや心痛などの苦は、「生」から生ずる者である。このようにして、因縁によって、純然たる苦の集合体が生ずる。

 

26-8 是謂為生死 諸行之根本 無明者所造 智者所不為

このように生死をなし諸行の根本の業(行)は、無明な者が作ったものであり、智慧の持った者はそれを作らない。

26-9 以是事滅故 是事則不生 但是苦陰聚 如是而正滅

無明を滅した時に、諸行は生じない。十二因縁を修習することで、智慧をもって、さまざまな苦を滅する。

 

十二因縁をよく理解して、智慧をもって無明を取り除けば、苦を滅して、涅槃に達するということであろう。全ては仮であるという理解である。輪廻と結びつける必要はなく、DNAをもって生まれた遺伝的要素や養育環境、親を中心として外部からの影響で、人格形成されるわけで、その上で生まれながらにして発生している業と、それに基づいた自我と感覚器官から入ってくる刺激や情報によって、苦(楽)が生まれる。それを取り除きたければ、まず無明を解決しなさい。それによって、行動を意図的に変えることで、苦は取り除けると言いたいのであろう。