【觀如來品第二十二】

「如来の考察」と名付けられる第22章

 

22-1 非陰不離陰 此彼不相在 如來不有陰 何處有如來

如来は五蘊そのものではないし、かといって五蘊と関係ないわけでもない。如来の中に五蘊があるわけでもないし、五蘊の中に如来があるものでもない、一体如来はどこにあろうか?

 

22-2 陰合有如來 則無有自性 若無有自性 云何因他有

もしも五蘊に依存して、如来があるとすれば、(五蘊は自性しないから)如来は自性することはない。もし如来は自性しないならば、どうして他性(他を原因として)して存在するといえようか?

 

如来とは仏(ブッダ)とすると、ブッダも自性しない、絶対的なものではないと言っている。そこが神と異なるところである。一方で「如来がない」とも言っていない。なかったら五蘊は存在しなくなるし、世の中がなくなってしまう。あるともいえないし、ないともいえない、それが「空」でありブッダということだろう。