スカウトキャンプを繰り返し行うことで、主客未分の純粋経験を沢山経験することができる。
スカウトに与えられる主観は、単純に1日野外で生活するってことである。食住なにも揃っていない状態から、テントやフライを立てかまどを作り料理をする。そして食べて寝る。普段デフォルトで意識しないことを、体を使って行うことで、「本来の生活」を純粋経験する。失敗があれば、工夫して改善する。料理で失敗してひもじい思いをすれば、空腹の苦しみが起きないようにする知恵が付く。雨が降ってくれば何をすべきか、何がいけないか判断する事の大切さに気づく。仲間との共同作業をどうリーダーシップをとれば、他との課題を克服できるか?考えて行動する。ドームテントと違って家型テントは協力しないと立たないのである。この時期なら焚き火を炊いて暖をとる。無心に火を見て友と語らう。キャンプファイヤーで、仲間と心を1つにして歌う。人間が基本的な生活を自律的に組み立てる純粋経験にあふれている。
繰り返し経験することで、まずは自分が自立するための経験の統一力、次に仲間や社会を含めた経験の統一力、即ちリーダーシップやフォロワーシップを養う。ここで「統一力」とは「意志」といっても良い。
ただ中学生の段階でそれに気づくような大人びた子は少ない。ニーチェによると、人はまず駱駝のように何も言わず重荷を背負って負荷に耐える。そして獅子になって人生を謳歌する。最後に幼子に戻るとしている。大人になって駱駝から獅子に変貌したあとにその効果に気づくのではないか?スカウトにとってはキャンプは駱駝のひとつの修行に過ぎない。