アインシュタイン方程式

現在の宇宙論の基礎になっているのが、「相対性理論」です。1900年代にドイツの物理学者、アルベルト・アインシュタインが提唱した物理の理論です。これは「物体が同じ速さで動いているならば、止まっているときと同じ物理現象が起こる」という相対性原理を理論化したものです。アインシュタインは相対性理論で光の速度と時間と空間の関係を解き、また重力によって時空がゆがめられることも実証しました。

簡単にいえば次のようになります。
1 光速よりも速く動けるものはない。
2 光速に近い速さで動くものは、縮んで見える。
3 光速に近い速さで動くものは、時間が遅れる。
4 重いものの周りでは、時間は遅れる。
5 重いものの周りでは、空間が歪ゆがむ。
6 重さとエネルギーは同じ。

重さとエネルギーは同じ。現在の宇宙論はこの理論の上に成り立っているのです。アインシュタインは相対性理論完成後、「静止宇宙モデル」の方程式を発表しています。それが「アインシュタイン方程式」です。これはアインシュタインが信じた「宇宙は止まっていて不変」という説を証明するため、宇宙項というものを加えた式でした。

ところが、1922年、ロシアのフリードマンがアインシュタイン方程式を解き、そこに「宇宙は不変ではない」ことを示す答えが3つあると発表したのです。皮肉な話ではありますが、はからずもアインシュタイン方程式は、変わり続ける宇宙全体の謎を解く方程式と考えられているのです。