マンハッタンは、スパイダーマンの映画のように、薄暗く地上に蒸気が煙突から上がる。大声で工事の作業員と、ゴミ清掃車の作業員の声がする。空港からホテルまでは、タイの渋滞と中国の車の割り込みを併せ持ったクラクションの喧噪が響く。半径10キロの外周60キロの小さな町、マンハッタンに3分の1の黒人とヒスパニック
白人が雑居する。160カ国の民族が生活する人種のるつぼ。
自己主張しなければあいつはOKしたからもういいと思われて配慮されない。相手にされるためには、何かを言わなければならない。
5番街は、白人の若い女たちが本当にうれしそうに歩いている。頭を7.3に分けたアメリカの若い男がスーツに身を固めて歩く町でもある。ただし、大多数は、160カ国の人々。
セントラルパークの周りは世界1の富豪の集まるところで、1000億円の資産家が世界1多い。日本は1億円の富豪の数では世界1らしい。
対岸のブルックリンは白人の高級住宅街で、一棟10億円の建物のブラウンストーン建築の宝庫でもある。
アメリカンドリームの成功者の町である。
ダウンタウンは、セントラルパークの富豪を移転させるために作ったのだが、失敗して、黒人が住み着いた町である。アメリカの料理は、日本の店と同じくらいおいしい。しかし、有名店を外れると、これなら自分で作った目玉焼きの方がうまいというものに出くわす。世界のレベルはこんなもの。
かつて、移民は、船でやってきて自由の女神をまず見てアメリカに来たことを実感する入り口だったそうだ。近くの港町の資料館には、先祖の名簿がすべて残っていて、それをヨーロッパ人は閲覧に来るという。遠い親戚の一人ぐらいは名簿に残っているらしい。
せっかちなアメリカ人だが、エンパイヤーステートビルには違う思いがあるようで、1時間半待たされてもずっと展望台を目指して待っている。夜の10時半であっても…。白人はパワーがあるので20階の階段ぐらいエレベーターを待たずに上ってしまう。
ユダヤ人は、不動産を持たず、金融資産を持つ民族で、ウオール街を動かしているのも彼らだ。また、オバマの母方がユダヤ教でなかったら大統領になれなかったという話もある。
ヒスパニックの台頭はすごい。マンハッタンの新しい顔である。英語をちゃんとしゃべれない彼らのサービス業での台頭は目を引いた。
タイムズスクエアーは、日本の町のようにネオンサインが輝き明るい。ほかは、やはり、バットマンやスパイダーマンの摩天楼と暗い電気の町だった。