債権譲渡の対抗要件は「(1)譲渡人から債務者への通知、又は、(2)債務者の承諾」とあります。「通知かつ承諾」であればすんなり納得できるのですが、「通知又は承諾」の「又は」にひっかかってしまいます。


Q. (1)のケースは、通知さえすれば、債務者の承諾は不要(観念の通知なので、そもそも不承諾にはできない)という認識でよろしいでしょうか?


Q. (2)のケースは、(通知なくして)債務者が承諾するというのはどのような状況でしょうか?例えば債権の「譲受人(通知の場合はNG)」から通知や口頭で債務者に伝えた場合でも、債務者が承認さえすればOK(債務者に対抗できる)と読めるのですが、解釈が違いますでしょうか?できましたら(2)の具体的な事例を教えて頂けますと大変幸いです。




1)それで大丈夫です。

 債権譲渡は債務者がOKといわないと効力を生じないようなものではなく、単に、譲渡したということを知らせて、支払先を明確にすることが目的です。

 ですから、債務者がいいとかダメとかじゃなくて、支払先が変わることだけ了解してくれればそれでいいのです。

 

2)債権譲渡の対抗要件は、上記のとおり、債務者が支払先が変わったことを認識すればそれでよろしいのです。

 そんな程度のことですから、通知でも承諾でもどっちでもいいのです。

 承諾は、それこそ、おっしゃるような感じで口頭なりで伝えればよろしいですが、それだと言った言わないの水掛け論になるので、通常は、承諾したことを書面に残してもらいますし、第三者への対抗のために確定日付をもらいに公証役場にいくことになるでしょう。

 

 ですが、こんなの普通は面倒です。支払先が変わったことを伝えるだけなのに、いちいち承諾を取り付けるのは面倒です。

 確定日付つきの通知を送った方が楽です。

 通知かつ承諾にすると、手続が煩雑になるので、メリットがありません。

 だから、または、になっています。