米・格付け会社S&Pは米国の長期国債の格付けを最上位の「AAA」から1段階引き下げて「AA+」に格下げしたと発表した。これを受け、さらに円高ドル安が進む可能性もある。“ミスター円”として知られる榊原英資・青山学院大学教授は7日にオンエアされた『サンデー・フロントライン』(テレビ朝日系)で年末までに一度1ドル=60円台になる可能性を指摘し、年末には73円になると予測した。

 円高への悲観論も多いが、はたしてメリット・デメリットはどこにあるのか。大分会計事務所会長・阿部盛一郎氏は自身のコラムで以下を挙げている。

■メリット
【1】安く原材料が海外から手に入る
【2】海外旅行で買い物がたくさん出来る
【3】一部製品や輸入品が安くなる
【4】輸入産業、内需型の株式が買われる

■デメリット
【1】輸出品の価格があがり、輸出産業が不利になる
【2】輸出産業の株式が売られる
【3】外貨貯蓄の人が損をする
【4】外国人旅行客が減る
【5】海外からの輸入価格が安く買えることはデフレに拍車がかかるし、日本企業の海外移転が増える